折り曲がるモデルが続々登場!? 2019年スマホトレンド3大予測【CES 2019】

【予測1】折り曲がるディスプレイを搭載するモデルが続々登場!?

CES 2019で最も注目を集めていたスマホは、中国のROYOLEというメーカーが開発した「FlexPai」でしょう。7.8インチの有機ELディスプレイを搭載し、それをグニャッと曲げられるのです。開いた状態では大画面タブレットとして使えて、折り曲げると片手でも操作できるスマホサイズになる仕組みです。

▲ディスプレイを折り曲げられる「FlexPai」

曲面ディスプレイを搭載するスマホは、これまでにもありましたが、可変型ディスプレイを搭載するモデルは世界初です。筆者も実際に折り曲げてみましたが、わりと固い手応えで、少し力を入れるとゆっくり曲がるという印象。なお、曲がる部分の背面は蛇腹になっていて、そこで負荷を吸収する仕組み。曲がり過ぎて、ディスプレイが割れてしまったりする心配はないようです。

▲背面はこのようなデザイン。中央の蛇腹部が谷折りで曲がる

▲折り曲げるとシステム手帳くらいの大きさになり、表面と背面に異なる画面を表示できる

この曲がるスマホ「FlexPai」は、すでに中国では開発者向けに発売中。クアルコム社の最高グレードのCPUを搭載し、グローバルでの発売も予定しているとのこと。また、5Gへの対応も視野に入れているそうです。ただし、日本発売は未定。

ディスプレイが曲がるスマホはサムスンやLGも開発中で、さらに他のメーカーが商用モデルをリリースすることも噂されています。スマホの用途を広げる革命児として、日本市場にも登場することを期待しましょう。

 

【予測2】両面ディスプレイ搭載モデルがヒットの予感

もし、日本で発売されたら即買いたい! と思ったのが、両面にディスプレイを搭載するモデルです。表と裏を同時に見ることはできないし、電池持ちも心配。単に奇抜さを狙った製品かと思いきや、筆者の予想を裏切る、使い勝手を考え尽くされたモデルでした。

中国メーカー・ハイセンスが出展していた「Hisense A6」は、前面に6.01インチの有機ELディスプレイ、背面に5.61インチのE Ink(電子ペーパー)を搭載。通常は前面ディスプレイを使い、カラーの必然性がない場合は、背面のE Ink画面に切り替えられる趣向です。

▲正面から見るとフツーのスマホ。サブメニューから背面ディスプレイ表示に切り替えられる

E Inkは電子書籍リーダーに用いられるディスプレイで、消費電力が少ないことに加えて、目にやさしいこともメリット。夜、ベッドに寝転びながらSNSをチェックしたり、電子書籍を読んだりする際に重宝しそうです。ただし、残念ながら、中国以外での販売は予定していないとのこと。

▲背面にはE Inkディスプレイを搭載し、コンパクトな電子書籍ビューアーという印象

同じく中国メーカーのNubiaが出展していた「Nubia X」も両面にディスプレイを搭載するスマホです。前面には6.26インチの液晶ディスプレイを搭載し、背面には5.1インチの有機ELディスプレイを搭載。しかし、一見すると、背面ディスプレイは点灯しない場合は、その存在が目立たず、前面ディスプレイだけのフツーのスマホという印象です。

▲前面はカメラ非搭載のフルスクリーン。左右端をギュッと握ると、このような矢印が表示され、裏返すと背面ディスプレイ表示に切り替わる

▲背面ディスプレイ表示に切り替えた状態

背面ディスプレイには複数の用途があります。まず、背面に搭載された24メガピクセル+16メガピクセルのデュアルカメラで自撮りができること。インカメラを搭載する必要がなくなり、前面ディプレイを広くできます。また、背面ディスプレイには現在時刻やその日の予定など、ユーザーが設定した情報を常時表示できます。さらに、背面ディスプレイにゲームのL/Rボタンの機能を割り当てることも可能。前面ディスプレイを横向きにしてゲームを楽しむ際に、人差し指や中指で背面ディスプレイをタップして、ゲーム専用機ながらの操作ができる仕掛けです。

▲背面ディスプレイをゲームのL/Rボタンとして使えるなど、多目的に活用できるように工夫されている

Nubiaは高性能とクールなデザインを両立させたモデルを続々とリリースする躍進中のメーカー。「Nubia X」は、そんなNubiaの最新フラッグシップモデルです。日本に参入していないメーカーなので、日本発売は期待薄です。

 

【予測3】ノッチに代わり、パンチホールやスライドカメラが増える!?

昨年は、ディスプレイの上にノッチ(切り欠き)があるスタイルが、ブームになりました。2019年は、画面をより広く効率的に使うために、ノッチもなくなるかもしれません。

ファーウェイが「HUAWEI」とは別に、オンラインマーケットを中心に展開するブランド「Honor」シリーズの最新2モデルも出展されていました。どちらもノッチはないが、フロントパネルの画面占有率を高くするための新しいアプローチを用いているモデルです。

2018年11月から発売されている「Honor Magic 2」は、インカメラはディスプレイの内側に隠れていて、スライドして出す仕組み。OPPOの「Find X」と似た構造ですが、Find Xが自動でスライドするのに対し、「Honor Magic 2」は手動でスライドさせる仕組みになっています。

▲6.39インチの有機ELディスプレイを搭載。ノッチがないフルスクリーンを実現

▲手動でスライドさせると、16メガ+2メガ+2メガのトリプルカメラが出てくる

▲背面にも24メガ+16メガ+16メガのトリプルカメラを搭載

2019年1月の発売の「Honor View 20」は、ディスプレイの左上に小さな黒い穴があり、そこにインカメラが搭載されています。画面がオフになっていたり、背景が黒い画面表示になっている場合は、その存在がほとんど気にならず、フロントパネル全面がディスプレイに見えます。カメラの穴は「パンチホール」と呼ばれ、すでに導入しているメーカーがあり、今後、採用機種が増えそうな気配です。

▲6.4インチの液晶ディスプレイの左上にパンチホールがあり、25メガピクセルのインカメラが搭載されている

▲V字が輝く背面パネルも個性的。背面カメラは48メガピクセル+3Dのデュアルカメラ

日本では、2017年10月に発売された「honor 9」以降、Honorシリーズのスマホは発売されていません。「Honor Magic 2」「Honor View 20」ともに日本発売は未定とのことですが、「HUAWEI」ブランドで展開されるモデルでも、パンチホールやスライドカメラが導入されることも期待できます。

▲ハイセンスもパンチホール型ディスプレイを採用した「U30」というハイエンドモデルを出展していた

スペックが上げ止まりと言われることもあるスマホですが、まだまだ進化は続いています。日本上陸を期待しましょう!

 


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(取材・文/村元正剛

むらもとまさかた/ITライター

iモードが始まった1999年からモバイル業界を取材し、さまざまな雑誌やWebメディアに記事を寄稿。2005年に編集プロダクション「ゴーズ」を設立。スマホ関連の書籍・ムックの編集にも携わっている。

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