【試乗】通も納得 フレンチベーシックの快活な走り

ルノーのコンパクトカー「ルーテシア(本国名:クリオ)」が誕生したのは、25年前。それから数えて4代目にあたる現行モデルは、2012年に本国デビュー、翌’13年に日本へ上陸しました。それから1年あまり、ついに日本にも、0.9リッター3気筒ターボエンジンを搭載するベーシックグレードが上陸です。

現行ルーテシアのスタイリングを担当したのは、以前、マツダのデザイナーだったローレンス・ヴァン・デン・アッカー。2世代目から3世代目へのモデルチェンジで大柄になったボディも、彼の手による最新のルノーデザインをまとうことで、引き締まって見えます。

一方のインテリアは、シンプルながらピアノブラックのデコレーションパネルが効果的に利き、メリハリのある空間に。中央のデジタル式スピードメーターを挟み、左右の見やすい位置に回転計と燃料計を配置したメーターパネルも、ドライバー重視の設計で非常に好感を持てます。

パワーユニットは、近年のエンジントレンドのひとつ“ダウンサイジングターボ”に則った0.9リッターの3気筒ターボ。上級グレードが積む1.2リッター4気筒ターボモデルと比べて500回転ほど高い、2500回転で最大トルクを発生するので、ごく低い回転域ではトルク不足を感じてしまうこともありますが、回転が上がってしまえば全く不満はなし。

むしろ、1.2Lモデルと比べて60kg軽い車重との相乗効果により、5速MTを駆使し、ある程度エンジン回転を高めに維持するよう心掛ければ、ドライビングが楽しく感じられること間違いなしです。3気筒エンジン特有の振動を感じる場面もありますが、総じて快適かつスムーズに走ってくれるのが印象的でした。

かつてのフランス車を思わせる、運転が楽しい快活なハッチバック。そんな魅力を継承するのが、ルーテシア ZEN 0.9Lなのです。

<SPECIFICATIONS>
☆ルーテシア ZEN 0.9
ボディサイズ:L4095×W1750×H1445mm
車重:1130kg
駆動方式:FF
エンジン:0.9リッター直3+ターボ
トランスミッション:5速MT
最高出力:90馬力/5250回転
最大トルク:13.8kg-m/2500回転
価格:208万円

(文&写真/小野光陽 GoodsPress編集部)

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