【東京モーターショー2017】はたらくクルマも充実!マニアックモデルBest10

◎トヨタ「JPN TAXI」

モーターショーに先駆けて発表、発売された、トヨタのタクシー専用車。「近代的な都市にも古き街並みにも馴染み、景観を美しく統一するデザイン」とトヨタが胸を張るエクステリアは、トヨタブースでも注目の的。

メカニズムはタクシー用に最適化されたもので、エンジンは1.5リッターのLPGエンジンにハイブリッドシステムの組み合わせ。駆動方式はFFを採用しています。

高齢者や車イスを使用する方など、利用者を問わないユニバーサルデザインで、ワイドな開口部を持つ後部スライドドアや良好な後席へのアクセス性は一度体験する価値アリです。また、広く快適なリアシート、普段はじっくり見る機会のない運転席なども会場でぜひチェックしたいところです。

◎トヨタ「SORA」

トヨタブースにディスプレイされているクルマの中でも、そのサイズとデザインにより存在感を放っているのが、燃料電池バスのSORA。今回のショーでワールドプレミアとなったSORAですが、注目すべきはそのメカニズム。燃料電池自動車の「MIRAI」向けに開発された“トヨタフューエルセルシステム”の採用で、走行中に二酸化炭素を排出しない、優れた環境性能を実現しています。さらに、大容量の外部給電システムも搭載しているので、災害時には電源としても利用できるそうです。

なんとも未来的なカタチをしたバスゆえ、純然たるコンセプトモデルかと思ったら、なんと! 2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向け、100台以上の市販モデルが東京都を中心に導入予定とのこと。市販型は2018年に発売予定とのことなので、間もなくは街を走る姿を見ることができそうです。

◎日産「パラメディックコンセプト」

はたらくクルマの中ではお馴染みの存在でありながら、乗る機会の少ないクルマといえば救急車ではないでしょうか。日産車体のブースに展示されているのは、2017年にマイナーチェンジを行った「NV350キャラバン」の高規格救急車仕様「パラメディックコンセプト」。

ベース車は「スーパーロング ワイドボディ車」で、超ハイルーフ仕様とすること救命救急作業に適したゆとりある室内空間を確保しています。また、日産が電気自動車技術の開発で培ったノウハウを活用。小型・高性能のリチウムイオンバッテリーを搭載することで、医療機器への安定した電源供給を可能にしています。

◎いすゞ「6×6」

商用車エリアでひと際目を引く存在がこの民生用トラック。そのネーミングどおり6輪駆動車で、高い走破力を実現するために、全輪にシングルタイヤを採用し、クラス最大の地上高を確保しています。

極寒の氷上や灼熱の砂漠など、過酷な悪路にも屈することなく“運ぶ”作業を支えるクルマをつくるのも、いすゞの使命、という考えに基づいたモデルで、特に日本では、自然災害への備えに有効。6×6は非常時のライフラインとなるのです。

ちなみに、いすゞでは、長年にわたって防衛省に人員や物資の輸送車両を納入していて、この6×6は、自衛隊の3トン半トラックの優れた悪路走破性や高い耐久・信頼性といったDNAを移植したモデルでもあります。その迫力と重厚感あふれるたたずまいは、一見の価値アリです。

いすゞ「mu-X」

かつては「117クーペ」や「ジェミニ」といった乗用車、「ビッグホーン」などのクロカン4WD製造も手掛けていたいすゞですが、現在の日本市場では、商用車専業メーカーという位置づけになっています。でも海外では、同社は乗用車の開発を継続しており、タイでピックアップトラックやSUVを製造しています。

このmu-Xは、タイで製造されるSUVで、アジアやオセアニア、中近東などで販売されているモデル。展示された車両は4×2の後輪駆動車で、エンジンには2016年に採用された、150馬力を発生する1.9リッターのディーゼルを搭載しています。輸出先によっては、2.5リッターや3リッターモデル、また、4WD車も設定されています。

SUV人気再燃の昨今だけに、ここ日本でも…という思いはありますが、法規の問題などもあるため、簡単にコトは運ばないのかもしれません。ともあれ、日本では知られていませんが、世界で活躍するモデル、認められているモデルに敬意を表したいと思います。

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