【比べてみた】軽い!小さい!快適なテントはどれだ?

今回のテント選びのポイントは次の3つ。
①基本的にはひとり(ソロ)で使用。ただ、前室があるほうがいい

②移動はクルマ。でも友人と相乗りすることもあるから、なるべくコンパクトなもの

③設営と撤収がラク
特に③は重要です。テントは本来、慣れさえすれば大型のドームだってひとりで設営できます。しかし慣れなきゃ使えないようじゃ気が滅入るし、雨天だとパッと設営してさっと撤収できるのが一番ですから。

テストしたのは次の3モデルです。

【コールマン タトラ3】

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収納サイズ:約φ21×53cm
重量:約3.75kg
使用時サイズ:約190(165)×210×110cm
定員:2~3人
価格:2万7648円(コールマンオンラインストア)

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コンパクトサイズながら広い前室がある2ルームタイプ。骨組みとなるポールが3本、フライ、インナーテントで構成されています。

【ノースフェイス O2(オーツー)】

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収納サイズ:no data
重量:1.24kg
使用時サイズ:130×208×94cm
定員:2名
価格:4万8600円

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ロングトレイルでの利便性を考えたウルトラライト設計。本体はフルメッシュで通気性が高められています。本体のほか、フライ、メインポールと2本の短いエンドポールで構成。

 

【スノーピーク ファル2】

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収納サイズ:φ17×33cm(本体ケース)、11×50cm(フレームケース)
重量:1705g(本体・フレームのみ)
使用時サイズ:143×245×110cm
定員:2名
価格:4万2120円

 

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2本のポールで構成されたベーシックな山岳テント。大人2名~大人2名+子ども2名サイズまであり、ファル2は大人2名用。フライとインナーテントが一体式で、設営時間は20秒と謳われています。


 

【1持ち運び編】“衝撃の軽さ”を誇るO2。タトラ3も十分軽いのだが……

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左から「ファル2」「O2」「タトラ3」

 

筆者は縦走キャンプはしないので、山岳用テントを多く用意しましたが、移動はクルマを前提とします。しかし「ソロテントは軽くてコンパクトなものに限る!」と断言します。

条件にも挙げましたが、ひとりだとクルマを相乗りする可能性があるから。つまり乗るクルマがどんなタイプになるかわかりません。また、フェスでは駐車場からキャンプエリアまでかなり歩く可能性も大。そうなると軽くて持ち歩けるサイズ感のものが俄然有利になります。

【コールマン タトラ3】

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しっかりとした前室がある2ルームタイプであることを考えると4kgを切る重量は重くは感じません。しかし50cmを超える収納サイズは、バックパックに放り込む、くくり付けるのは無理。他の荷物があるのに、手に持ってキャンプサイトまで歩いくのもちょっと大変そう。ふたりで使うなら良さそうです。

【ノースフェイス O2】

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ポールやペグもまとめてひとつのパックにしまえるタイプ。ケースの全長はやや長めですが、バックパックにも収納できるサイズです。何より驚いたのはポール込みで1.24kgという軽さ。この感覚、テントの既成概念を打ち破るものです。遊んで疲れた状態でも持ち運びが面倒になることはないはず!

【スノーピーク ファル2】

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本体とポールが別になった、オーソドックスな山岳テントです。山岳テントはもともとバックパックに収納することを前提としているので、本体は非常にコンパクト。本体収納用パックはやや太めですが、割と柔らかいのでバックパックの中でかさばることもないでしょう。ポールは細いので隙間に差し込めます。


 

【2設営編】ベーシックな山岳テントの設営はマジでラク!

テントをソロで使う場合、もっとも重要なのが設営がどれだけラクかということ。誰かが手伝ってくれるならいいですが、おそらく仲間の手を借りることは難しいでしょう。

ましてや設営時が雨だったら……。フェスでもテントはさっと設営してしまい、早くビールを買いに行きたいですよね。もたついて見たいアーティストを逃したなんてことになったら目も当てられません。

そこで、どれだけ簡単に設営できるかを3つのテントで実践してみました。時間は初めて触った状態で計ったものなので、慣れればだいぶ変わるはずです。

【コールマン タトラ3】

 

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設営時間:約11分(ペグ打ち前まで)

タトラ3は計測スタートと同時に取扱説明書を読むところから始めました。フライに長いメインポールを2本スリーブに通したあと、中央を支えるサブポールを通すのですが、メインポールを穴に差し込んで本体を立ち上げるときに、サブポールが邪魔になってうまくメインポールが曲がってくれません。

ひとりで設営する場合、ここに“慣れ”が必要です。ポールを支えてくれる仲間がいれば問題ないんですけれどね。メインポールが立ち上がれば、サブポールを穴に差し込むのは簡単です。

 

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フライが立ちあがったら、あとはインナーテントをぶら下げるだけ。分かりやすいように、最初に留めるフックが赤色になっています。入口の向きを間違えたりフックを段違いにつけてしまうこともないですよ。

 

【ノースフェイス O2】

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ケースから本体を出したとき、もっとも戸惑ったのがO2。メインポール以外に、1折りしかしないサブポールが2本。いったいどうやって設営するのか……。

とりあえずメインポールをつなぎ、本体の上に載せてみると……。なるほど、わかりました。メインポールで吊り下げて、サブポールで引っ張る仕組みです。

 

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メインポールだけでは自立しないので、メインポールに本体のフックをかけたらサブポールを両サイドにペグで固定すれば立ち上がります。あとはフライをかけてペグで固定すれば完成。

これ、新鮮であると同時に慣れればかなり素早く設置できそうですよ。軽いだけでなくメインポールが短いので、後ろに人がいないか気にしながら設営する必要がないのがいい!

本体上部はフルメッシュなので、雨が降っているときはフライをかけながら設営します。慣れが必要ですね。

 

【スノーピーク ファル2】

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設営時間:約5分(ペグ打ち前まで)

収納方法と同様に、もっともオーソドックスな山岳テントの設営方法を採用しているファル2。2本のポールを本体(フライ)のスリーブに差し込めば立ちあがります。

では、なぜこんなに時間がかかってしまったかというと……。「20秒で設営」するための工夫に気付かずもたついてしまったのです。

 

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ファルシリーズはフライの前室側のスリーブからポールを挿す構造。前室の反対側はポケットになっていて、挿したポールがその中に入ります。つまり前室の反対側にはポールを挿す穴(グロメット)がないのです。筆者は前室の反対側のスリーブからポールを挿してしまったのです。

構造を理解すれば半分以下の時間で設営できるはず! インナーテントをつけたまま畳める一体構造なので、本体が立ち上がれば、あとはペグを打つだけです。


【3居住空間編】O2の開放的なメッシュ構造は魅力。ファル2の使い勝手も捨てがたい

今回はひとりで使うテントということもあり、テント内で仲間と過ごすことは想定していません。基本的にはしっかり眠れて、荷物を入れるスペースがあるか。このあたりをチェックしました。ただ、タトラ3はテント内でゆったり過ごせるだけのスペースが確保されています。これはこれで、魅力的ですね。

【コールマン タトラ3】

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他のふたつに比べてひと回り大きいタトラ3ですが、室内はそれほど広くありません。いや訂正します。室内も十分広いのですが、筆者が身長188cmと規格外のサイズなので、縦に寝ても、横に寝ても、足が曲がってしまうのです。仕方なく筆者は斜めに寝ることを選択しましたが、身長170cm前後なら大人2人でもゆったり寝られるはずですよ。

 

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タトラ3最大の特徴は前室がリビングスペースとして使えること。雨の日に靴を脱いだりするときも楽ですし、ローチェアを使えばここで料理をすることだってできます。

キャンプ中に雨が降ったことを考えるとこのスペースは精神的にラクです。とくにフェスではタープは持っていかないですからね。

 

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ベンチレーターはトップとサイドに付き、テント内にポケットが4つ用意されています。縦走ではなくキャンプサイトでの使用前提で作られているので、快適装備は充実していますね。

 

【ノースフェイス O2】

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大人が横になれるスペースが確保されているO2。長さにゆとりがあるので身長188cmの筆者でも足を伸ばして横になれます。ひとりなら荷物も十分置けますね。室内にポケットもひとつ付いています。
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最大の特徴は本体がフルメッシュ構造になっていること。これ、間違いなく夏場は重宝します。とくに夏場のフェスで朝まで遊び日が出てから寝るときには最高でしょう。フライを開き、通り抜ける風を感じながら寝たら気持ちいいですよ。出入口がひとつしかないテントだと、ベンチレーターがあっても昼間はサウナですから。

 

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一方で気になるのは春先や晩秋。とくに標高が高い場所だとオールメッシュ構造がどのような影響を及ぼすのか。こればかりは試していないので、機会があったら実践してみたいと思います。

 

【スノーピーク ファル2】

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ファル2はインナーテントの長さが205cm。筆者でも余裕なのはいうまでもありません。さらに開口部が大きいので、出入りがとても楽。100cmある室内高も居住性に貢献しています。

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また、ファル2は出入口が縦方向についています。これは好みですが、筆者は横方向よりも使いやすいと感じました。ただし前室は横方向に出入口があるO2より狭くなります。

 

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ベンチレーターは本体上部に大型のものが付いていますが、密閉性が高いので夏の昼間にテント内で過ごすのはきついかもしれません。この辺りはO2同様機会があったら試してみたいところです。


【3撤収編】素早く撤収できるのは、大きなアドバンテージ

最後に、撤収にかかった時間も計測しました。計測はすべてのパーツをバックにしまい終わるまでを計っています。

  • コールマン タトラ3:約8分
  • ノースフェイス O2:約5分
  • スノーピーク ファル2:約4分

タトラ3が少し長くかかりましたが、これはポールが多いぶん、行程が増えているから。撤収作業はどれもラクです。本体が大きくないので畳むのが楽なのもメリットですね。

また、収納パックのサイズに余裕があるので、しまうのにもたつかないのもよかったです。疲れているときになかなかしまえないと、イラッとくるんですよね……。

3つのテントを使ってみて、今回のセレクト条件だとタトラ3は検討対象から外れることが分かりました。でも女性2人でキャンプに行くとしたら広さ、設営のしやすさから、有力な候補になると思います。

O2とファル2だと、夏場に使ったときのフルメッシュ構造の快適性で、現段階ではO2に気持ちが傾いています。でもファル2のベーシックならではの使いやすさも捨てがたいところ。持ち運びはひとつのパックで済む分O2がラク、一方で設営しやすさは自立するファル2に軍配が上がります。

 

【最期に】

ポイントは「コンパクトさ」「設営しやすさ」「快適性」です。自分が使うシーンを想定すれば、優先順位が決まると思います。

もちろん、基本性能は必須。価格が安い物はすぐに破れる、サビる、重い、雨が漏れるといったマイナスがあるもの。テントは一定レベル以上を選ぶことをオススメします。

(取材・文/高橋満<BRIDGE MAN>)

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