[Gear Maniax #070] 軽くてハイパワー!これぞタクティカルライトの銘品です

▲(左)TFx (右)6VX

全体の印象は6VXと比較しても大きく変わりました。目につくのはなにやらトゲトゲした印象のボディ。

フラッシュライト業界ではあまり見かけませんが、医療系器具などの滑り止めでは時々見かけるデザインです。またヘッドが一段太くなっているのも印象的な感じがします。

インフォースのアイデンティティともいえるヘッド部のスリットは健在ですが、形状はやや変化しています。ヘッド側が広い台形形状。これがどういう意図のものかは正直わかりません。

従来通りの長方形スリットでもよかった気もしますけどね。中に覗く放熱フィンも象徴的。6VXと比較するとフィンの形状が細かくなっています。

「穴が空いてるけど、水、大丈夫?」というご質問を時々受けますが、もちろん大丈夫です。TFxは20m防水。専用品ではないのでダイビングへのおすすめはしませんが、メーカーは防水性にかなりの自信を持っていることがわかります。

ヘッドサイズは1.15インチとなっていて、公称としてはSUREFIREの最近のEシリーズと同じです。とはいえSUREFIREよりもやや太く感じたのでノギスで測ってみると、TFxの方が0.3mm前後太くなっていました。試しにつけてみましたが、H2T拡散玉・拡散キャップ、SKM Eシリーズ用ホルスターなどのシリーズは使用可能でした。
樹脂製のアプリケーションならSUREFIRE E/EBシリーズと兼用できそうです。

▲(左)6PX (中)TFx (右)A2LED

外寸が近いため、SUREFIRE A2LEDによく似たプロポーションに感じます。全長的は6PXの方が近いかな。ボディにポケットクリップがないためがっちり握れます。

クリップの利便性を重要視するユーザーもありますが、方向性のないモデルの方がとっさの場合には扱いやすいかと思います。

使用電池はCR123A×2本。例によって、INFORCEブランドのフラッシュライトはプラス極がテール側に向きます。

スイッチは独特の形状の電子スイッチ。INFORCEのテールスイッチというとかなり固めの印象が残っていますが、TFxのそれは非常にセンシティブです。

操作性も6VXから踏襲しており比較的シンプルかと思います。クリックすると常にHIGHから点灯。その後、0.5秒以内にもう一度クリックすればLOWへ移行します。0.5秒以上経過してからクリックした場合はOFF。

また、消灯状態から0.5秒以上の長押しをすると押している間だけのモメンタリ点灯になり、指を離せば消灯します。

そしてどのモードからでも、ダブルクリックでストロボが発動します。これもストロボの発動方法としてはかなりイージーな手順です。

ストロボを使用したくない場合には、ストロボ機能を殺しておくことも可能。消灯状態で一旦テールキャップを緩め、スイッチを押しっぱなしにしたままテールキャップを締めます。簡単にストロボ使用モードと不使用モードを入れ替えられます。

以前との違いとしては、テールスイッチ内部に実際にスイッチが内蔵され、クリック感があること。また電子スイッチであるにもかかわらず、操作待ちの時間がなく押し切った時点でHIGHが点灯します。フォワードクリッキースイッチに似た挙動でタクティカルな設定になっています。

テールキャップを緩めれば物理的に回路が遮断され、運搬中の誤点灯防止措置が可能。タクティカルライトのツボを押さえた設計かと思います。

タクティカルライトの利便性は、ユーザーがどこまでストイックになれるかで選択肢が変わってきます。本来であればシングルモードの完全モメンタリ、例としてはSUREFIRE 6PX TACTICALがベストに近いライトということになりますが、この仕様は一般人にはもちろん、現場のスタッフから見てもストイックすぎる一面があるようです。

最近ではSUREFIREのタクティカルモデル、例えばG2Z-MVなどもクリックスイッチを搭載しており、モメンタリスイッチを採用するモデルは激減しています。LOWモード・ストロボモードを必要とするユーザーを前提にすれば、TFxの操作性は決して悪くないものです。

LEDについてメーカーからのアナウンスはありませんが、現時点ではXP-L HIと思われるものが搭載されています。ただしこれは予告なく変更される場合があります。変更になった後の入手は基本的にはできないことがほとんどなので、気に入った仕様のものは早めにチェックを入れた方が良いかとは思います。

リフレクターはかなり深い。この深さは久々に見た気がします。そして、飛ばし系のXP-L HIを搭載しているにもかかわらず、テクスチャードリフレクタなのも面白い。
実際によく飛ぶ中心光の周囲に程よく明るい部分があり、視認性を高めています。
例えばXP-E+スムースリフレクターのライトのような、ピンスポットの中心光だけが飛んで、その周辺が暗く抜けるようなことはないかと思います。

実際の照射。明るさは公称700ルーメン。現在の視点では控えめなスペックですが10m以内なら十分以上。また実際に、このサイズのライトとしてはよく飛びます。周辺光と中心光の繋がりも穏やかで、照射距離の割には近場にも安心感があります。
一方で、やはり周辺光は非常に狭い。必ずしも毎回同一条件で撮影しているわけではないので単純な比較はできませんが、この狭さは最近は見かけません。それこそ6VXくらいでしょうか。周辺光が狭いモデルが多いNITECOREと比較してもさらに一段上を行きます。

このところSUREFIREのMax Visionなど、拡散系のタクティカルライトに流行の兆しがあります。それでも旧来のタクティカルな配光を以てめる人は一定数います。そういった人たちには貴重な選択肢になるのかなと。

ハンドリングは悪くありません。というか、非常に握りやすい。

独特の表面処理ですが手によく馴染み、軽く握った状態でもすっぽ抜けそうにありません。素材の違いもありますが、グリップ力の高さの割には衣類などに引っ掛かりがないのも特徴的。

テールキャップの開け閉めも非常にやりやすく、なかなか良いテクスチャーだと思います。

またテールキャップが尻すぼまりになっているのも、流行の仕様。スイッチ周辺に邪魔になるものがなく、非常に快適にスイッチ操作できます。このこともあり、TFxはさまざまな握り方でストレスがありません。

全般的に見て、非常によくまとまったライトです。軽く、十分にハイパワー。何より樹脂の軽さと気軽さは別格のものがあります。

一級品のタクティカルライトをEDCしたい方にはお勧めできるライトかと思います。(アカリセンター価格:1万6632円)

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(文・写真/アカリセンター・HATTA)

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