[Gear Maniax #090] 最大照射距離は驚異の1km!放つ光はまるで砲弾のよう

まず目を引くのが、この巨大なターボヘッド。鏡面加工された大口径のスムースリフレクターは、飛ばす気満々の仕様です。透過性に優れたガラスの風防レンズを採用。これまでのGENTOS製品とは異なる雰囲気を持っています。昔であれば、ちょっと大きめのコリメータレンズで済ませていたかもしれませんが、今回は気合の入ったフロントフェイスです。

ボディはアルミ合金で黒基調のアルマイトが施されています。光の当たる角度によってはややグリーンっぽい感じもあります。テール付近には転がり防止のアンチロール機能があり、卓上での転がりを軽減します。

同シリーズの「UT-3200H」や「UT-3000H」も大概な大きさのリフですが、これは遥かにデカい。携帯性なんて微塵も考慮されていません。リフレクターの広さと深さは“飛び系”では正義。小型の搭載LEDは封緘樹脂が平らなHigh Intensity仕様。光源はより小さくなり、巨大なリフレクターによって集光されたそれは明確な光軸となって闇を貫きます。

運用の鍵となるスイッチは、サイドスイッチ。全長265mm、重量835gの重量感あふれるライトなので、テールスイッチでの操作は事実上不可能。サイドスイッチで正解です。スイッチには物理的に誤点灯を防ぐためのスライド式スイッチロックが付いています。使用する際は、反時計回りにカバーを90度スライドさせてください。

全長が長いのでパワーストラップではなく、ショルダーストラップが付属。スイッチ付近とテール付近にあるリングに通して使います。最初から肩掛けが想定されたライトになります。肩掛けしてしまえば、重さはあまり感じません。ただ、ショルダーストラップがちょっと細いのが残念。充分に重量をに絶えられるものだと思いますが、もう少し太くてしっかりしたストラップの方が、業務用途のユーザーには喜ばれるのでは。

付属する専用リチウムイオン充電池は7.4v 2600mAh。中身は18650充電池を2本つなげたような物です。ただ、サイズの割には容量が少ないような気もします。MAXモードで1.5時間は運用時間としては普通ですが、もうちょっと大容量でも良かったのかなと。

充電は付属するACアダプターを本体に差し込んで行います。充電時間は約6時間。

実際に持ってみると、把持部が長いのでしっかりと握れます。滑り止めのナーリングも施されているので、握った時の感触は良好です。下手に細身よりも、これだけ長いライトであれば把持部はある程度太さがあったほうが使いやすいと思います。

▲最も出力を抑えたECOモード 100ルーメンの照射

10m先の棚でも確実に照らせます。中心光の照射面は狭く小さいですが、この部分が狭くないと光は飛びません。周辺光も広くは出ますが、明るく照らせると期待できるものでもありません。

▲スモークの中での照射。MAX1100ルーメン

中心光が赤いのは煙によって波長の短い青色が手前で拡散し、波長の長い赤色系だけが残っているためです。このような環境下でも力強い光軸で突き通せるのは集光系ライトの特長です。消防や海上など煙や霧のあるような環境下でその威力を発揮します。

▲スモークを通して見た光軸の様子

「ルーメン」を漢字で表記すると「光束(こうそく)」と書きますが、まさに光の束といった感じですね。非常に美しい様でした。

▲メーカーより提供されている屋外照射のイメージ

結構ISO感度が高そうな写真ですが、あながち嘘でもない照射画像だと思います。なぜなら、この手の大きなリフを搭載したライトは、中華系のメーカーには以前からありました。そういったモデルを屋外で照射したことは何度もあります。そこで目にした1km超えのモデルはいずれも素晴らしい照射でした。実際に1km先を照らせるかは分かりませんが、「飛んでる様」は同じ1000ルーメンクラスの小型ライトとは段違いの物です。

このようなモデルが国内のブランド、ジェントスからリリースされたと言うことに驚きを感じます。中華系のメーカーはとにかく新しいテクノロジーを製品に反映するのが早い。早すぎて本当に使えるのか微妙なモデルさえあります。ただ、それが面白いのでライトが好きな方には人気があります。ただ、実際に使用される業務の内容や場所によっては、国内での手厚いアフターフォローが受けられることが重要だったりします。

そういった意味ではジェントスはかなり強いです。性能や価格だけでなく、その後のアフターのことも考えると、このモデルはインフラや消防など様々な分野で導入が進むかも知れません。GENTOS「UT-1000M」はそれだけの照射能力を持ったモデルだと思います。(アカリセンター価格:1万4580円)

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(文・写真/アカリセンター・HATTA)

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