3500円が5万円に高騰!10年以上前に登場した伝説ゲームとは?

スマホで楽しめるゲームは、夢中になってプレイできるものが多い。しかし、個人的にいまだにはまっている古いゲームがある。それがローグライクゲームだ。

これは1980年にPC向けに発売された「Rogue」というゲームの基本システムを取り入れたゲームのこと。一般的なRPG(ロールプレイングゲーム)との違いとして、いくつかの要素があるが、なかでも「ダンジョンがランダム生成される」「ターン制で戦闘を行う」「死んだ場合にレベルやアイテムなどが継承されない」のが特徴だ。

日本国内のゲーム史において最も有名なローグライクゲームがチュンソフト(現スパイク・チュンソフト)が開発した、「不思議のダンジョン」シリーズだ。最初に登場したのが超大作ドラゴンクエストシリーズのスピンアウトとして、1993年に発売された「トルネコの大冒険 不思議のダンジョン」(スーパーファミコン)だ。

その後、1995年にオリジナルキャラクターを採用した「不思議のダンジョン2 風来のシレン」が登場。2015年にはPlayStaiton Vita向けに最新作「不思議のダンジョン 風来のシレン5 Plus フォーチュンタワーと運命のダイス」が発売されるなど、現在も続く人気タイトルとなっている。
 
そんな中、不思議のダンジョンシリーズのファンの間で、現在も最高傑作と言われているのが、2002年にドリームキャスト(セガ)とWindows向けに発売された「不思議のダンジョン 風来のシレン外伝 女剣士アスカ見参!(以下アスカ見参)」だ。

 

2002年に発売され、その後2004年に低価格のベストプライス版が発売された「不思議のダンジョン 風来のシレン外伝 女剣士アスカ見参!」

2002年に発売され、その後2004年に低価格のベストプライス版が発売された「不思議のダンジョン 風来のシレン外伝 女剣士アスカ見参!」

 

残念ながらこの「アスカ見参」はドリームキャスト版、そして、同年にWindows版が登場したのを最後にリメイクされていないため、Windows版のパッケージ価格が高騰している。Windows版は通常パッケージが発売された後、3500円に割引したベストプライス版が発売されているのだが、現在は新品(未開封)パッケージが5万円台、そして中古でも3万円台と驚くような価格となっているのだ。

これも発売以降ずっと「不思議のダンジョン」シリーズの最高傑作と言われ続けているためだろう。なお、筆者は8年ほど前にネットオークションで8000円ほどで購入した。そのときも高くなっていることに驚いたが、さすがにここまで値上がりするとは思っていなかった。


「アスカ見参」の魅力とは?

不思議のダンジョンシリーズをプレイしたことのない方のために、その魅力を簡単に説明しよう。ゲームの主人公はタイトル通りの女剣士アスカ。立ち寄った村で起きたトラブルを解決するために、不思議のダンジョンに入り、途中、落ちて行く武器や杖、巻物などのアイテムを入手しながら、モンスターを退治してストーリーを進めていく。何度もダンジョンを出入りしながら、武器や盾を強化し、アイテムを集めていくのが、不思議のダンジョンシリーズの醍醐味だ。

 

Windows XPまでの対応だが、OSの設定によりWidnows 8.1までなら比較的簡単にプレイできる。

Windows XPまでの対応だが、OSの設定によりWidnows 8.1までなら比較的簡単にプレイできる

 

「アスカ見参」では、通常の不思議のダンジョンのほか、アイテム持ち込み禁止のダンジョンや、落ちているアイテムがすべて未判別のダンジョン、モンスターを模したからくり細工を駆使するダンジョンなど、多くのバリエーションが用意されている。

ダンジョンを一度出るごとに、レベルは1に戻ること、そしてミスをすると鍛えあげた武器アイテム類を失うというローグライクゲームならではのルールのため、ゲームプレイには高い緊張感がつきまとう。

敵を一撃で倒せる強力な武器を手にしていたとしても、プレイヤーが行動をミスすると、そんな武器をはじき飛ばされたり、おにぎりに変えられてしまったりして、一瞬でピンチが訪れる。わずかな油断も許されない。「アスカ見参」は同シリーズの中でも、このバランスが最高にいいのだ。

 

主人公アスカを操作して、アイテムを集め、敵を倒しながら進んでいく。システムはシンプルだがその分、非常に奥が深い。

主人公アスカを操作して、アイテムを集め、敵を倒しながら進んでいく。システムはシンプルだがその分、非常に奥が深い

 

多くの敵に囲まれるモンスターハウスイベント。アイテムを駆使してこの困難から逃れたい

多くの敵に囲まれるモンスターハウスイベント。アイテムを駆使してこの困難から逃れたい

 

ストーリーモードではボス戦も。なめてかかると痛い目に遭うことも

ストーリーモードではボス戦も。なめてかかると痛い目に遭うことも

 

ストーリーでは10ほどのダンジョンに入るが、初めてプレイするプレイヤーから、不思議のダンジョンに慣れているプレイヤーまで幅広く対応。さらに、ストーリーのクリア後には、持ち込み一切不可ですべてのアイテムが未判別という「もっと不思議なダンジョン」である白蛇島やさらに難度の高い裏白蛇島など、数多くのクリア後のお楽しみが用意されている。

これらの充実したゲーム要素と絶妙なゲームバランスにより、発売から10年以上が経過した現在でも、多くのプレイヤーが「アスカ見参」を楽しんでいる。

筆者も8年ほど前にWindows版を入手した。その後も定期的に「アスカ見参」を楽しんでいる。そしていまだにクリアできていないダンジョンがまだまだたくさんある状態で、オールクリアまでこの先何年かかるかわからない状態なのだ。

 

「アスカ見参」を手に入れるラストチャンス?

最近では古いゲームを最新のゲーム機でプレイできるサービスが増えている。実際、「シレン」シリーズの第一作である「不思議のダンジョン2 風来のシレン」はWii/Wii Uのバーチャルコンソールでプレイできる。また、シリーズ作品のいくつかはニンテンドーDSやアンドロイドOS向けにリメイクされている。

残念ながら「アスカ見参!」はリメイクされていない。そのため価格が高騰しているというわけだ。

 

1月上旬時点での新品パッケージ価格。中古は3万円台半ばだった。

1月上旬時点での新品パッケージ価格。中古は3万円台半ばだった

 

「アスカ見参」は10年以上前のゲームなので、推奨動作環境はWindows XPまでとなっている。ただし、Windows Vista以降のOSでもセキュリティ設定などを行うことで動作可能。ただし、Windows 10で動作させるのは非常に困難なので、できればWindows 7/8/8.1を搭載したPCを用意したい。

オフラインで遊ぶゲームなので、Windows XPやVistaを搭載した古いPCが動作するなら、それでも大丈夫だ。各OSでの起動方法などは、ネット上で情報を集めることができる。

中古でも3万円超という価格はゲームとしては非常に高価だ。しかし、ローグライクゲームが好きなら、絶対に夢中になれるはず。リメイクが登場する可能性が低く、さらに動作できるPCが今後減っていくことを考えると、入手できるタイミングとしてはラストチャンスに近いと言えそうだ。

 

(文/コヤマタカヒロ)

 

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