【ベンツGLE試乗】設定はディーゼルのみ!スパルタンな“ゲレンデ”に飽きたらコレ

試乗したのは「GLE 350d 4マチック スポーツ」。ボディの前後左右にスポイラーを装着した“AMGスタイリング”を備えたグレードです。

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ちなみに、日本におけるGLEは思い切ったラインナップになっていて、普通のGLEは3リッターのディーゼルターボエンジン(258馬力/63.2kg-m)搭載車のみ。具体的には「350d 4マチック」(868万円)、「350d 4マチック(本革仕様)」(929万円)、そして、350d 4マチック スポーツ(964万円)で構成されます。

加えて、メルセデスAMG「GLE 63S 4マチック」(1740万円)がトップに君臨します。こちらは、5.5リッターのV8ツインターボ(585馬力/77.5kg-m)を積むスペシャルバージョンです。

さて350d 4マチック スポーツは、なんと20インチのホイールを標準で装着します。“AMGスタイリング”は、伊達ではないんですね。もちろんストッピングパワーも強化され、メルセデス・ベンツのロゴ入りキャリパーで挟まれるブレーキディスクが、放熱性に優れるベンチレーテッドタイプになっています。

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ドアを開け、下位グレードではオプションとなるステンレス製ランニングボードを踏んでドライバーズシートに座ると、運転する時の視点が、思った以上に高い。周囲のクルマを見下ろしながら走る…なんて、エラそうなフレーズが思い浮かびます。

内装は贅沢なレザー仕様。ソフトな風合いがうれしいナッパレザーを使ったAMGスポーツシートは、たっぷりとしたサイズで、それでいて体をしっかりホールドしてくれます。黒いシート地に、白いステッチがクール。おまけに前後シートともに、シートヒーターが付きます。

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エンジンは、前述のとおり3リッターのディーゼルターボ。排ガスにAdBlue(アドブルー)こと尿素水溶液を噴射し、最終的に有害な窒素酸化物をほとんど水と窒素に還元してしまう浄化システムを備えた、新世代のディーゼルエンジンです。音は静かで、振動も抑えられ、GLEのラグジュアリーな雰囲気を壊すことがありません。

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258馬力の最高出力も魅力的ですが、それ以上に63.2kg-mの最大トルクをわずか1600回転で発生するのがスゴい。9速ATが次々とシフトアップしながら、2350kg(パノラミックスライディングルーフ装着車)のボディをなんなく運びます。

全長4825mm、全幅1935mmと、なかなか立派なボディですが、慣れると「意外と運転しやすいな」と感じます。その理由のひとつは、運転席からボンネットが見えて、車幅を確認しやすいから。また、5.5mという最小回転半径も、特に市街地でのドライブを助けてくれます。Eクラスセダンの5.1mには及びませんが、「けっこうハンドルが切れるんだ」と、狭い道ではありがたく思うことでしょう。

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4マチックことGLEの4輪駆動システムは、前:後=50:50の駆動力配分を基本とし、常に4輪へ駆動力を分配しています。ことさらオフロードに行く機会がなくとも、突然の雨や雪の際に心強い駆動方式です。

4輪のいずれかが滑った場合には、ESP(乱れた挙動を正すシステム)の機能を活用し、空転した車輪にブレーキをかけることで、駆動力が逃げるのを防ぎます。簡易的な差動方式といえますが、重いパーツが増えることがないので、オンロードをメインとするGLEには適しているでしょうね。

タフなルックスを持ちながら、ドライブがラクでラグジュアリーなGLE。スパルタンな“ゲレンデ”に飽きたら、こちらをいかがでしょうか?

<SPECIFICATIONS>
☆350d 4マチック スポーツ
ボディサイズ:L4815×W1950×H1795mm
車重:2320kg
駆動方式:4WD
エンジン:2986cc V型6気筒 DOHC ディーゼルターボ
トランスミッション:9AT
エンジン最高出力:258馬力/3400回転
エンジン最大トルク:63.2kg-m/1600〜2400回転
価格:964万円

(文&写真/ダン・アオキ)

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