ボードゲーム芸人に聞いた!おすすめボードゲーム&その魅力とは?

いけだてつや プロダクション人力舎所属のピン芸人。趣味は自転車、おもちゃ集め。“ボードゲーム芸人”であるだけでなく、“高校野球大好き芸人”としても知られており、地方高校の練習試合まで観戦に行くほどの超高校野球観戦フリーク。燻製にも精通している

ボードゲームとの付き合いはかれこれ20年近くになるといういけださん。約250個のボードゲームを所有しているのだそう。ハマったきっかけは、『モダンアート』というゲームだったという。今回紹介してくれたのは、全て私物。

いけだ:当時、同期芸人のラバーガールの飛永が高円寺に住んでいて、よく一緒に遊んでいたんですね。それで高円寺の駅前にあるボードゲーム専門店(すごろくや)に「ちょっと気になるから行ってみようか」って二人でふらりと入ったんです。そのとき、店員さんに勧められたのがコレだったんです。

▲『モダンアート』は、ボードゲーム界の巨匠として知られる、ボードゲームデザイナー、ライナー・クニツィアの手による作品。クニツィアはジレンマを作るのが非常に上手だといわれているのだそう

――すごく地味なパッケージですね。初心者向けという感じが全くしませんが…。

いけだ:そうなんですよ。正直このパッケージを見たとき、僕も飛永も目を合わせて「ないな」って。つまらなさそうじゃないですか(笑)。でも、「やれば絶対ハマりますよ」と強く勧められて、じゃあ買ってみるか、と。で、プレイしてみたらめちゃくちゃ面白くて。店員さんの思惑通りでした。
プレイヤーは画商になって、競りで絵画を落札するというゲームなのですが、それを交渉することもできるんです。そんなゲームは今までやったことがなかったので斬新でしたね。

――いけださんの考える、ボードゲームの魅力を教えてください。

いけだ:人と会わないとプレイできないところ、ですよね。リアルなコミュニケーションの中で楽しむものなのがいい。ボードゲームって昔のファミコンゲームにちょっと似ていて、「不親切で難しい」んですよ。海外のゲームが多いので、取説が直訳丸出しの日本語で、よく分からなかったり。それをみんなでああでもない、こうでもない、と言い合いながら読み解くのが楽しいし、分かったときの達成感も大きいんですよ。

■シンプルだけど奥深い、おすすめボードゲーム4選

――では、初心者におすすめのボードゲームってどんなものでしょうか?

いけだ:プレイ時間が短く、プレイ人数が少ないものだと始めやすいですね。
プレイに何十時間もかかるものや中には1年(!)かかるものもありますから。人数も「2人から」など、少人数でかつ幅があるものがいいと思います。まずは恋人などと2人でやってみて、慣れてきたら人を集めてプレイしてみてください。

そんな観点で、いけださんが選んでくれたおすすめボードゲームのまずひとつめは、『クレイジータイム』。

いけだ:時刻の書かれたカードを出していき、カードがなくなったら勝ち。でも、実はこのゲームのキモは、ラウンドを重ねるごとに「新たなルールが追加される」こと。例えば「○時のカードが出たら〇時30分と宣言する」など…。各ラウンドで1人だけこの追加ルールを教えてもらえないというシステムのため、その人は他のプレイヤーの行動を見て、どんなルールが追加されたのかを推測しないといけないんです。これは盛り上がりますよ。

子どもと一緒にプレイするのにおすすめなのが、『コンプレット』『ハイパーロボット』。

いけだ:『コンプレット』は数字の書かれた木駒をルールに従って並べていくゲーム。『ハイパーロボット』は、目的地までロボット(コマ)を何手で連れていけるかを競います。どちらもシンプルだけど奥が深くて、大人も子どもも楽しめます。

▲「『コンプレット』は、木の手触りがまたいいんですよね」

▲『ハイパーロボット』は、詰め将棋のような思考型パズルゲーム。1人プレイも可能

『コンプレット』『ハイパーロボット』と同様、ルールはシンプルなものの、駆け引きがポイントになるのが『そっとおやすみ』。

いけだ:同じ絵柄を揃えるという、これ以上ないくらい簡単なルール。揃った人は手札を伏せ、それに気づいた人も同じように手札を伏せます。最後まで気づかなかった人が負けです。

いかにみんなの意識をそらすなどして気づかれないようにカードを伏せられるかが、このゲームのカギになります。

▲「僕なんかは、さり気なく腕で壁を作ってカードが見えないようにしたり。腕が太いので有利なんです(笑)」

次のページへ

この記事のタイトルとURLをコピーする

関連するキーワード