GPSに5気圧防水!「Gear Fit2 Pro」であらゆる“運動”を記録しよう

■OSにはTizenを採用

Gear Fit2 Proは、腕に巻いて使用するスポーツバンド型のデバイスです。OSにはTizen(タイゼン)を採用しており、Android 4.4以上で1.5GB以上のRAMを搭載するスマホと連携できます。Gear Fit2 Pro自体は、RAMは512MB、ROMは4GBを搭載します。バッテリーは200mAhで、最大5日間使用可能です。

▲Gear Fit2 Pro。1.5インチのCurved Super AMOLEDディスプレイ(216×432ピクセル)を搭載する。「レッド」と「ブラック」の2色展開

サムスン電子、ウェアラブル&APS商品戦略グループのソ・ジウンさんによれば、OSにTizenを採用するメリットは2点あるとのこと。ひとつは「スマホと連携せずとも使用開始できること」、もうひとつは「競争力があるアプリを提供できること」だといいます。

▲ソ・ジウンさん

同社は、「Gear S3」「Gear Sport」のようなスマートウォッチも展開してますが、Gear Fit2 Proはよりカジュアルに使用できるデザインを採用。メイン機能は、フィットネスのトラッキングになります。

なお、セルラー機能を搭載する考えはなかったのか――という質問も出ましたが、ソ・ジウンさんは「セルラーモデルだと、バッテリー消費の問題や、月額料金が発生する問題がある。そのため、セルラー機能は不可欠ではないと考えた」といった旨を述べています。

 

■水泳の測定はグローバルのトレンドか

従来モデルもIP68相当の防水・防塵性能を備えていましたが、今回新たに5気圧防水に対応。水泳でも使用できるようになりました。また、バンド部分は一般的な腕時計のように、バックルで固定するデザインに変わっています。GPSを搭載したにもかかわらず30g程度軽くなっていることもポイントです。

▲センサー類としては、「GPS」「心拍センサー」「加速度センサー」「ジャイロセンサー」「気圧センサー」を搭載

ソ・ジウンさんによれば「IP68は皿洗いの際や雨でも使用できる指標で、5気圧防水はシャワーや水泳でも安心して使用できる指標」とのこと。

また、注目したいのは、スイムウェアブランドの「Speedo」との協業を通じて、水泳用のアルゴリズムを開発したこと。泳法や、泳いだ距離・時間、カロリー消費量を推定できます。

一方で、日本市場においては、安全管理を理由として、腕時計やウエアラブルデバイスを使用できるプールが限られていることも事実です。グローバルでは、水泳機能に注力するフィットネストラッカーが増えている一方で、今後どこまで日本に浸透するかは未知数と言えるでしょう。

現状、日本でウエアラブルデバイスを使用できるのは、個人で貸し切れるプールや、川・海などのオープンウォーターなどに限られます。今夏からようやく会員制のフィットネスジム「東急スポーツオアシス」が先行して、ウエアラブルデバイスの使用を解禁しましたが、他のジムが追随してくるかどうかはまだ分かりません。

ちなみに、ソ・ジウンさん曰く、「Gear Fit2 Proは海や川でも使用できる」とのことでした。

 

■フィットネストラッキングも充実

同機は、新たにGPSもサポート。ランニングの経路を記録できます。また、自動運動検出機能をサポートしたことで、よりダイナミックな運動も検出できるようになりました。

▲緩やかにラウンドした形状だ

従来モデルでは、ウォーキングやランニング、サイクリング、エリプティカルなどの種目を測定できました。新モデルでは、テニスなどよりダイナミックな運動も検出できるようになったとのこと。ランジ、ジャンピングジャックなどの回数検出もサポートします。

ジムのマシンと連携する機能について、今後検討しているかどうか――という趣旨の質問に対しては、「ジムのプラットフォームによるところが多いので、長期的に検討していく必要がある。ベンダーも多いので、どこと連携していくのも検討しなくてはならない」との回答を得ました。

 

■「Spotify」や「UNDER ARMOUR」と協業

ストリーミング音楽再生サービスの「Spotify」と協業したこともトピック。Gear Fit2 Proでは、オフラインモードでの再生をサポートしました。ネットワークがない状態でも好きなプレイリストを再生できます。

また、スポーツ用品ブランド「Under Armour(アンダーアーマー)」とも協業し、フィットネス向けアプリをプリインストールしています。同アプリで記録した情報はSamsungアプリに統合され、体系的に管理できるとのことです。

*  *  *

実機を触った印象では、ディスプレイが非常に鮮やかで、反応も非常に滑らかでした。デザインが洗練されているのも好印象です。今季のバンドタイプのフィットネスデバイスの中では、完成度は随一かもしれません。日本発売については未定ですが、今後も注目しておきたい商品でした。

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(取材・文/井上 晃

いのうえあきら/ライター

いのうえあきら/ライター

スマートフォン関連の記事を中心に、スマートウォッチ、ウエアラブルデバイス、ロボットなど、多岐にわたる記事を雑誌やWebメディアへ寄稿。雑誌・ムックの編集にも携わる。モットーは「実際に触った・見た人だけが分かる情報を伝える」こと。編集プロダクション「ゴーズ」所属。

 

 

 

 

 

 

 

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