日本独自のAIエージェントが、あの“羊”から「キューブ」になったワケ

■スマホ・タブレットでAIと一緒に出かけられる

まず「my daiz(マイデイズ)」の概要から。このアプリはスマートフォン向けエージェントサービスで、ドコモ以外のキャリアでも利用は可能。スマートフォンならではのパーソナライズ情報を活用して利用者の行動を推定し、一人ひとりに合わせたタイムリーな提案により、ドコモやパートナー企業との接点を強化してくれるとのこと。つまり、天気予報や買物情報、電車の乗り換え案内などをスマホでお知らせするというわけです。

今回、話を聞かせてくれたのは、コンシューマビジネス推進部第一エージェントサービス担当・担当課長、近藤 佳代子さん。ドコモAIエージェントのブランディングをマネジメントされています。

▲近藤 佳代子さん

「AIスピーカーなども音声エージェントサービスとしては話題を集めていますが、『my daiz』が一番違うところは、持ち運びながらご利用いただけることと、ひとりひとりに合わせて提案していけるというところです」

「デフォルトではNOW、出かける、買う、楽しむのタブが4つあります。これまで『しゃべってコンシェル』でもやってきたんですが、“生活密着”こそ我々が非常にこだわっているところです。生活の中で今後、いろいろなカテゴリーが増えていけばと思っていますが、まずはその4つの主要なテーマに対して、コンテンツやパートナー企業様の参画というところに取り組み、できるだけお客様の毎日に寄り添っていけるサービスにしていくことに注力しています」

なるほど、持ち歩けるAIエージェントという方向性のサービスのようです。プロフィール情報を入力したり、サービスを利用したりすればするほど賢くなっていく模様。雨が降っていればアラームを少し早く鳴らす、主要なニュースの読み上げ、dヒッツなどエンタメコンテンツとの連動など、一日の中のさまざまなシーンで活躍してくれます。

 

■プッシュと対話の両方からアプローチできる

では、これまでの「しゃべってコンシェル」と大きく違うところは、どこになるのでしょうか。

「従来の『しゃべってコンシェル』は、インターフェイスがユーザーとの対話だけでした。でも、『iコンシェル』の方で取り組んできた“プッシュ通知”や“情報配信”をミックスさせたのが、今回の大きな変化になっています。ユーザー様の外出のタイミングで『まもなく出発ですよ』というプッシュがスマホに届き、ルート案内を情報として表示することもできます。また、別のルートで行きたい場合は、対話で行き方の検索を行うことも可能です。プッシュと対話をハイブリットして提案するというのが、新たなお客様体験につながると思っています」

確かに、対話とプッシュ通知の両方が使えるのは大きな魅力です。なんせ自宅でひとり「アレクサ!音楽かけて」とか「へ、へい!Siri」とか言っていると、おそろしく寂しい気持ちに襲われます。

「そうですね、ユーザー様自身が能動的に話すと言うのが、音声エージェントサービスの主流だと思われますが、『何をしゃべっていいのかわからない』というコメントをいただくことがあって…」

AIアシスタントあるあるですね。とりあえず呼びかけてみるけど、特に用はなかったという…。

「私自身もとっさにデモをするときに、『今日の天気は?』しか思いつかないとか、そういうことが起きてしまいます。実際にはエージェント側から話しかけてきて、それに応えながら対話で新しいサービスにつながっていくことができるということを作りたい。そうすれば、今まで培ってきたものや、今回新たに加えたものへ最大限つなげていけると思いました」

 

【次ページ】キャラクター誕生のコンセプトとは

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