“G.F.F.M.C”で実感するシャア専用ザクの圧倒的な存在感【ガンダムMSデザイン40年史】

■ボディの赤はトライ&エラーを重ねて誕生

超合金の質感と精密な造形などが特徴の彩色済完成品シリーズ「GUNDAM FIX FIGURATION METAL COMPOSITE」。開発者の前田さんは、バンダイが今まで培ってきた超合金に代表されるダイキャスト技術を生かしたブランドだと話す。

「メカニカルデザイナー、カトキハジメさんのプロデュースにより、モールドのバランス、スパイクの丸み、面構成、さらには立体感のある陰影に至るまで、徹底的にこだわって立体化しています」

カトキ氏は歴代ガンダム作品や『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』でメカニカルデザインを担当。製品化は必然の流れでもあった。

「実はザクの完成品モデルは数あれど、18cmサイズはほとんどないんです。カトキさんといつかは…と常々話していたのでTVアニメシリーズ化はとてもうれしい話でした」

劇中ではCGの演出が印象的だが、モデリングデータは同商品の開発には使われていないとか。

「カトキさんの脳内イメージをいかに再現するかが命題でした。可動に関してもカトキさんがすでに設定として考えられていたものに加え、以前リリースしたアクションフィギュアの『ROBOT魂 ver.A.N.I.M.E.』版のザクも、参考にしています」

全塗装を施した表面仕上げも、大きな魅力になっている。

「ボディの赤は、何度もトライ&エラーを重ねながら、カトキさんが思い描く色にしました。胸部中央や膝にはラバー塗装を施し、ショルダーアーマーをダイキャストパーツ製にするなど “触感” にもこだわっています」

細部も含めて見どころの多い同商品の開発背景には、劇中のシャア専用ザクに対する、前田さんの強い思い入れがあった。

「すごいCG技術とあの動きの速さに感動しました。すべてのシーンをポーズに生かしたいと思ったほどです。プラモや完成品で何度も商品化され、研究されてきたシャア専用ザクですが『THE ORIGIN』版はまさに “究極の深堀り” といえる存在でしょうね」

▼メモリアル作品01:『機動戦士ガンダム THE ORIGIN 前夜 赤い彗星』

NHK総合テレビにて放送されたTVシリーズ。総監督の安彦良和氏が手掛けた大ヒットコミックスを映像化したOVA 『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』の再編集版。“赤い彗星” ことシャア・アズナブルと、妹セイラ・マスの運命を決定づけた悲劇の始まりと過去、そして一年戦争開戦までの歴史がひも解かれる!

 

■広い可動域で劇中のアクションを再現

BANDAI SPIRITS
「GUNDAM FIX FIGURATION METAL COMPOSITE MS-06S シャア専用ザクII 」(2万1600円)

『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』版シャア専用ザクⅡを徹底再現した、塗装済み完成品モデル。メカニックデザイナーのカトキハジメ氏プロデュースにより、細部までこだわった仕様となっている。 全高約180mm。

▲宇宙空間に並ぶ地球連邦軍の戦艦を、次々に撃破するシャア専用ザク。「G.F.F.M.C.」(=GUNDAM FIX FIGURATION METAL COMPOSITE)のシャア専用ザクIIは、その雄姿そのもの

▲ヒート・ホークやMS用マシンガンといった基本装備はもちろん、『機動戦士ガンダム THE ORIGIN Ⅵ 誕生 赤い彗星』で巡洋艦を1撃で沈めたシーンが印象的だったMS用バズーカがマガジンとセットとなって付属。劇中をイメージしながら付け替えられる

▲股間節や膝の可動域が広く、しゃがんだポージングも可能だ。TV版『機動戦士ガンダム』の第1話で印象的だった、しゃがみつつハッチを開ける量産型ザクのポージングも取れる。前田さんは『THE ORIGIN』同様、ファーストガンダムへのリスペクトも強い!

▲武器を両手持ちで前方に構えるポージングが劇中どおりに決まるのは、肩関節の引き出し可動によるもの。腰は左右・前後に動くようになっており、振り向きざまのひねりのある動きをはじめ、劇中で見る人を惹きつける、さまざまなポージングが可能だ

© 創通・サンライズ

 

>> 特集:ガンダムMSデザイン40年史

本記事の内容はGoodsPress6月号98-99ページに掲載されています

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(取材・文/桑木貴章<メガロマニア> 写真/下城英悟 インタニア 園田昭彦)

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