【保存版】ナイフの達人に教わるグリーンウッドワークの基礎技術

■形と厚みを整える

ここからは、目指す形になるようにナイフで削るのみ。使用するのは、モーラナイフのウッドカービング120です。

削り方を教わらない状態では、写真のように親指を添えて削ろうとするのではないでしょうか。これはサム・プッシュ・グリップと言って、日本人にもなじみのある削り方です。細かなところはこの削り方でいいのですが、大きく削ろうとしても思うように進みません。

そこで、そのほかのスウェーデン流の持ち方、削り方を教えてもらいました。

 

▼エルボーグリップ

木材を持った手を膝で固定し、ナイフを持った手を上から下にスライドさせます。ナイフの刃先は自分側に向けた状態をキープします。このエルボーグリップは、安全に、大きく削ることができます。

 

▼パワーグリップ

膝で固定する点と、刃先を自分の方に向ける点はエルボーグリップと同じですが、このパワーグリップは、肘を伸ばして肩から腕全体を下に向かって動かして削ります。先ほどの削り方よりも力強く削れます。

 

▼シザーズグリップ

ハンドルの端っこなど、細かなところだけれども硬い場所を削るときは、背中の筋肉を利用します。ナイフを短く持ち、体を前傾させた状態で木に添えます。腕は体に付けたまま、両肘を後ろに引きます。肩甲骨を近づけるイメージで。シザーズグリップと言いますが、鶏のものまねをする時のような動きになります。

 

▼プルグリップ

ナイフを自分のほうに動かすのはちょっと怖いのですが、逆目のときなどどうしても……というときはプルグリップで対応します。木の先端を持ち、胸に木を押しつけます。ナイフは刃先を体の外側に向け、肘を後ろに引きます。細かなコントロールが必要なときは、親指と人差し指で木を持ち、中指・薬指でナイフの背を押します。

 

▼ヨゲ考案の削り方

バターナイフ作りでは使いませんでしたが、弱い力でも削れるようにと、ヨゲのお父さんが考案した削り方も披露してくれました。ナイフの刃を外側にして持ち、腕を突き出すようにします。カンナのように薄く削るのに向いているそうです。

 

■できあがり

スウェーデン流の削り方を駆使して作るバターナイフ。

夢中になって削ってしまい、いつがやめどきなのか迷ってしまうのが玉にキズですが、ナイフの扱い方を身につけるにはちょうどいい感じです。

※素手で作業をしていますが、ナイフやナタを持つ利き手は素手、木を持つ手は薄手のレザーグローブをはめておくとより安心です

 

>> モーラナイフジャパン

 


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(取材・文/大森弘恵)

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