【プロダクトヒストリー】整髪料 ~ヘアスタイルの流行とともに進化~

▼1950年代<ヘアクリーム>

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水と油と乳化剤を混ぜた液体。近年はヘアケアに使われていますが、当時の製品は近年のものより硬く、整髪料として使われていました。これまでの油だけだった整髪料よりも軽くべたつかず、やわらかく自然な艶に仕上がるのが特徴です。

当初は女性をターゲットにしていましたが、次第に男性にも広まりました。元内閣総理大臣の橋本龍太郎のオールバックはポマードと思われがちですが、実はヘアクリームでセットしていたそうです。

 

▼1960年代<ヘアリキッド>

加山雄三に代表されるスポーティな七三分けのアイビールックや、銀座のみゆき通りに集まる「みゆき族」が流行し、ポマードよりも自然な艶で、ふっくらと仕上げられる液体油をアルコール水に溶かしたヘアリキッドが流行します。特にバイタリス(ライオン)が人気でした。

また、それまで単品だった男性化粧品がスキンケアも含めたブランド展開するようになります。MG5(資生堂)や、ハリウッドスターのチャールズ・ブロンソンを起用したマンダムのCMが話題になりました。

 

▼1980年代<ジェル、スプレー、フォーム>

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シブがき隊などアイドルが取り入れていたパーマや、X JAPANといったバンドに見られた長髪を立ち上げたスタイルなど、髪型は多様化します。それらの髪型を長時間維持するため、樹脂でコーティングする整髪料が誕生しました。

形状によりジェル、スプレー、フォームの3種類があり、ジェルは柳屋の「ジェルドライ」、スプレーはサンスターの「VO5フォーメン」、ムースは資生堂の「メンズムース」やマンダムの「ギャツビー」が代表的でした。

 

▼1990年代<ワックス>

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毛束をねじって根元から立ち上げる、美容院で流行り始めていた髪型を素人でも作りやすいワックスが市販化されました。固形の蝋(ワックス)を主体としており、髪型をキープしながらも樹脂のように固まらないので整髪後に崩れても整えられます。

2000年代になると、英国人サッカー選手のデビッド・ベッカムのソフトモヒカン(ベッカムヘア)など、立体的なスタイルが若者の間で主流となりました。

 

▼2010年代<グリース>

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サイドとバックを刈り上げたツーブロックやオシャレな七三分けなど、タイトなバーバースタイルが流行し始めると、艶があり髪をタイトにまとめられるグリースが注目されるようになりました。

グリースはポマードに水を加えて扱いやすくした「水性ポマード」の進化形で、1970年代の頃から売られていましたが、最近のものはよりハードで使用感がワックスに近いものなど、バリエーションが豊富になっています。

(文中敬称略)

 

柳屋本店 >> http://www.yanagiya-cosme.co.jp

 


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(文・写真/山口清憲

やまぐちきよのり/エディター・ライター

やまぐちきよのり/エディター・ライター

1978年生まれ。大学工学部卒業後、自動車専門誌の編集部勤務を経て2010年に独立。主に乗りものやメカニズム系のジャンルを得意としている

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