【基礎知識】ドローンの買い方飛ばし方!社会貢献から未来まで

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ここでは、本誌に登場いただいた「ドローン」の専門家に、あらためてその魅力について聞いてみました。購入する上での判断基準、使い方、今後の可能性も含めて興味深い内容が盛りだくさん。これからの生活に欠かせないとまで言われるドローンの「A to Z」、始めたいと思います。

お話を伺ったのは、この2人。

P1000499a黒田潤一さん
日本ドローンレース協会・代表理事【PROFILE】大学在学中に小学生を対象としたスポーツ教室"Sports Coordination Lab."を設立。延べ300名以上の指導を経験。2014年10月、ドローンの可能性に導かれ、“ドローンレース”のプロジェクトを開始する。 2015年1月25日に第1回”Japan Drone Championship”を開催。数十社からの取材、問い合わせを受ける。 2015年2月に“日本ドローンレース協会“設立。数々のドローンレースの開催企画進行中。

 

P1000410a阿部亮介さん株式会社CLUE ファウンダー兼CEO【PROFILE】東京大学大学院工学系研究科終了後、株式会社ディー・エヌ・エーに入社。 エンジニアとしてソーシャルゲームの運用開発経験を経た後、シンガポールに渡り、 LCO-Creation,Incに入社。マネージャーおよびアプリ開発エンジニアを経て、2014年に株式会社CLUEを設立。 ファッションレンタルサービス「Lovin’Box」を事業売却後、ドローン事業に参入する。

 

購入や操作におけるポイント

――ドローンの購入を迷っている方は多いと思いますが、「ユーザー目線で実際使ってみるとどうなのか?」というところからお聞かせください。いつから使い始めたのか、またどんな機種を選ばれましたか?
黒田「僕が最初に触ったのは1年半ぐらい前でしょうか。そのころ、子どもたちに「タッチラグビー」というタックルなしのラグビーを教えていました。上からのポジションやフォーメーションが重要になってくるスポーツで、それを見やすくしようとして、パロットの『AR.Drone 2.0』という機種を購入しました」

 

――AR.Drone 2.0を選んだ理由は?
黒田
「最初に(パソコンで)検索して、当時はDJIのファントム(現行モデルはファントム3)か、このAR.Drone 2.0しか出てこなかったというか……。ファントムはちょっと高かったので、安い方のAR.Drone 2.0を購入したという感じですね」

AR2.0

AR.Drone 2.0

ファントム

ファントム3

――阿部さんの事務所を伺ったときもAR.Drone 2.0などありましたが、初めて触られたのはいつごろですか?
阿部Hubsanという機体があるのですが、よく練習機としてお勧めされている物です。ドローンって、実際に触ってみると操縦が難しいので、いきなりファントムとかを使うと墜落させてしまうことが多い。ですから“もし壊しても大丈夫なもの”という観点で、1万円前後で買える小型のドローンHubsanを買いました。その次が、パロットAR.Drone 2.0でしたね」

――Hubsanとパロットなどの違いは?
阿部
「自分でコントローラーを使って上下などの操作をする必要がなく、基本的にスマホやタブレット上で動かすことができます。その点、初心者でも使いやすいのかなと思います。あとは、地面から1mの場所で滞空するような“ホバリング機能”がパロットの「Bebop」という機種にあるので、それを使うと、いきなり上空に上がってしまうとか、墜落してしまうということがなくて安心できます」

――使いこなせるまで、パロットに関してはそんなに時間はかからない

阿部「そうですね。Bebapの方が比較的簡単だったかな」

――AR.Drone 2.0の方は、慣れが必要ですか?
阿部
「だと思いますね」

――黒田さんもAR.Drone 2.0を使うまでに時間がかかりましたか?
黒田
「そうですね。僕も昔はラジコンを操縦していましたけど、タブレットで操る感覚がラジコンと違って、最初はとまどいました。でも、1日も練習すれば直感的に操縦できるようになったので、そこまで苦にはなりませんでしたね。ホバリング自体は「ファントム」にもついています。“ビジョンポジショニング”といって、機体の真下を画像で撮って、0.1秒前の画像と比べて自分の位置がどうズレているかを中で制御してホバリングするんです。だからホバリングはすごく簡単でした」

 

――操縦する上で一番難しいと感じた部分は?
黒田
「色分けされていれば大丈夫なんですけど……。左右対称というか、どこから見ても同じ形をしているので、どちらが前とどちらが後ろが分かりにくい。直感的に操作しずらいところですね」

阿部「僕は黒田さんほど慣れていないので素人目線ですが、最初はドローンを操作しているといきなり上がったり下がったりすることがよく起きました。あとWi-fiが途切れてしまうことがあって……。途中で操縦不能になったときに、『どう対処するんだっけ?』というのは最初ドギドキします(笑)。そういうときに、冷静に対応する必要があるのかなと」

――Wi-fiが切れるのは、突然ですか?
阿部「結構、距離に依存しません?」

黒田「そうですね。規格上はW-ifiなので50mくらいまでは通じると(説明書に)書いてありますけど、僕も広い公園で飛ばしていて、25mくらい飛ばしたところで、『コマンド通信ができません』みたいなエラーが出るんですよ。そうしたらもう、エマージェンシーのボタンを押しても何をしても全く無反応で。浮いている状態で下から近づいても、ペアリングができないんですよ。

だから、充電が切れるのを待って落ちてくるのを待つしかないという感じで。以前この現象にあったときは、風が吹いて樹の枝に引っかかって回収できました(笑)。「AR.Drone2.0」の時はそういう不安もありましたけど、「Bebop」になってからは、そういう現象はほぼなくなりました。すごく安心感が増しましたね。結局、ヒューマンエラーというか、遠く離れてしまった自分が悪いんですけど。操縦しているときに『ちょっと反応が鈍くなったな』とか、気をつければ大丈夫です」

 

――練習は主に公園などの屋外が多いですか?
黒田
「そうですね。でも、最初に買った時は夜に届いたんですけど、うれしくて家の中で飛ばしました。全然屋内でもぶつけることなく飛ばすことができたので、部屋の中でも楽しめましたね。『浮いた!』と喜んだのを覚えています」

阿部「僕もHubsanは基本的に室内で飛ばしていました。Bebopも室内で飛ばせるので、ある程度室内で練習したという感じです。慣れてから河原に行くとか、ある程度開けたところで飛ばしていました」

ドローンの機種はどう選ぶの?

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『GoodsPress』8月号52ページ

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『GoodsPress』8月号53ページ

――本誌でもカタログパートを設けていますが(写真上)、入門用の室内でも飛ばせるドローンはどういったものがお勧めでしょうか?

黒田『パロット』が出しているものは超音波で高度を測ったり、ビジョンポジショニング機能で自分の位置を安定させる機能が付いていて、誰でも安定して飛ばせます。また、『ナノスパイダー』『ピクシー』はホバリング自体を自分の指で操作しないといけないので、慣れが必要です。だけど難しい分だけ楽しい、みたいなマシン。ちゃんとコントロールできるようになると、達成感があって面白い。逆に、『ミニドローン ローリングスパイダー』のように、最初から安定して飛ぶという機種もあります」

 

童友社 ナノスパイダー

童友社 ナノスパイダー

阿部「羽根が露出しているタイプと、枠で覆われているタイプがあるのですが、露出しているタイプは注意が必要です。海外のミュージシャンが、コンサート中に飛んでいるドローンを手で掴んで怪我をする事故もありました。羽根の周りにフレームがついているタイプなら、人や物に当たっても傷つかないので、操縦に慣れていない方はそこを基準に選ぶといいと思います」

黒田「室内で飛ばす際、ふすまなどにぶつかってもフレームがあれば破れないですから。しかも、落下してもクッションになるので羽根も曲がったりしません」

――羽根の枚数は操縦に影響するのでしょうか?
阿部「はい。羽根の数が多ければ、風が吹いたときに姿勢が安定しやすくなります。また、4枚しか羽根がない場合、ひとつモーターが壊れると墜落してしまいます。でも6枚や8枚あれば、ひとつ壊れたとしても何とかフラフラしながら地上までたどり着けるので、墜落のリスクが軽減できます」

――使用時間に対する耐久性はどれくらいが目安でしょうか?
阿部
「一般論ですけど、ホビー用ドローンのモーターは大体50~100時間くらいと言われています。それ以上飛ばす場合には、交換を考えた方がいいです。飛行中に壊れることが一番危険ですから」

――すぐに50時間に達しそうですが……
阿部
「1回で飛ばすのは15分くらいですから、そう考えるとすぐに壊れるという感覚ではないでしょう。200回くらい飛ばしたら50時間ですね」

黒田「あとバッテリーのハンダ付けしている部分が取れる、ということがあります。基本的には買ったお店に持って行ったり、メーカーで修理してもらえるはずです」

ドローンのレースはまるで“スター・ウォーズ”

――黒田さんはドローンを使用したレースを運営されています。どのような魅力があるのでしょうか?
黒田「やはりラジコン世代の方がドローンに移行されて、すごく操縦がうまい方がいらっしゃるんですね。それを見た時、本当に自動で飛んでいるんじゃないかと思うくらい緻密な動きをしていました。操縦の指元も見ましたけど、とても複雑な動きをしていて熟練された方の技術はすごいと思わされました」

――見ている観客も楽しい?
黒田
「はい。初心者用レースはAR.Drone2.0を使いますが、あまりスピードも出ないし、操縦も慣れていないのであまり盛り上がらない(笑)。でも、上級者が飛ばし始めると歓声が上がり始めます。本当に『スター・ウォーズ』の“ポッドレース”の世界なので、浮いているものがあれだけスムーズに操縦されると皆さん驚いてもらえます」

――海外のレースの動画が、いくつもYouTubeにアップされていますね

※You Tubeにアップされている動画の例


阿部
「国内だと目視で飛ばしますが、海外だと『オキュラスリフト』のようなゴーグルを付けてドローンのカメラから送られてくる映像を見ながら飛ばすんです。だから、自分があたかもパイロットになったかのような気分が味わえます。その動画をユーチューブにアップして盛り上がったりしているので、日本で行われているドローンレースとは温度感も技術的にも違うということはあります」

黒田「国内でも、Bebop DRONEならソニーのヘッドマウントディスプレイを使えば可能ですが、僕は三半規管が弱いのか、酔ってしまいましたね(笑)」

世界各国で社会に貢献するドローン

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『GoodsPress』8月号36ページ

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『GoodsPress』8月号37ページ

――世界的に見たドローンの状況はどうでしょうか?
阿部「農業・建設・測量とか災害系の活用がメインになってきていますね。他にも特化型の企業が多いですね。スノーボーダーなどを対象とした雪山での空撮専門や、エクストリームスポーツ系は映像による需要が多いので、ある程度マーケットも大きいと思います」

――測量分野での発展が目覚ましいと聞きましたが
阿部
「重機メーカーのコマツが“スマートコンストラクチャー”といって、ドローンを使って基礎工事を全部自動化しようとしています。今までは山の斜面をならすとか、土砂の量を測ってトラックで運搬するなどがありました。でも、今後はドローンで地形を空撮して3Dマッピングを作り、土の量などを把握しています。

あとは、定期的に建設現場を空撮し、プロジェクトの進捗状況を管理する方法もあります。さらに、RFIDというセンサーを資材に取り付けてドローンを一周させると、センサーからリモートで位置状況が送られてくるのです。今まで人が目視したり点検していたのが、ドローンに代替されるようになってきています」

――自動化によってコストがかなり削減されるのですか?
阿部
千代田建設さんは、確か資材管理のコストが1/3から1/4くらいまで削減できたようです。人件費も1/3程度になったそうですが、何より時間が短縮できたのが大きいと」

黒田「今まで1日かけて測量していたのが、数時間でできるようになったみたいです。あと、人がやるよりも正確ですよね」

 

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『GoodsPress』8月号72ページ

NWPO073

『GoodsPress』8月号73ページ

――本誌で「PRODRONE」を紹介しています。バイクに積まれていて、後部のハッチが開くと飛び出すものもありました。
阿部「日本で普及しているのは回転翼と言われるタイプですが、海外ではむしろ固定翼という飛行機みたいなタイプが主流。その理由が、海外は日本より広大な土地を測量したり空撮飛行するため、固定翼の方が高速・長距離移動できるんです。しかも、一度浮上すれば揚力が発生するので、バッテリーのもちも良くて、2時間飛ぶことも可能です」

PRODRONE PD-C01

PRODRONE PD-C01

 

――『GoodsPress』で取材した千葉大学の野波健蔵教授が、今後「人工知能」を搭載するドローンも活躍するとおっしゃっていました。お二人が描くドローンの未来はどういったものでしょうか?
黒田
「ドローンレースのシーンを入れたPV撮影をしていたとき、ドローンの下にレーザーを発生させる機械をくっつけてスモークの中で回したんです。すると、円形のきれいなレーザーが見られるんですけど、その演出が面白かったので、ライトやレーザーが搭載された機体が出てくるとうれしいですね」

阿部「僕は結構遠くの将来を見ていて、ドローンのおかげで今まで2次元空間でロボットが行っていた生産活動が、3次元空間に広がったと解釈しているんです。例えば建設作業や電柱の点検作業など、細かい作業もドローンが担えるようになると考えていて、そのときに必要になるのが『ロボットアーム』になると思います。10年、20年後に安定飛行・自動回避・インフラの整備などが整っていると仮定すれば、ドローンに“何をさせるか”が重要となってきます。だからロボットアームの装着、また軽量化を行うことで、あらゆる作業の代替を行うようになるのではないでしょうか。かなり遠い未来ですけど、確実にそこまで発展すると思いますよ」

以上、ドローンの基本から未来まで一気に語っていただきました。これからの発展が楽しみな分野だけに、今から情報を集めておけば遊びだけでなくビジネスチャンスも期待できそう。まだまだ物足りないという読者の方は、発売中の『GoodsPress』 8月号をご覧ください。

(取材・文/三宅隆)

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