【もうすぐ出ますよ!注目の日本車⑤】“可変圧縮比エンジン”がセダンを元気する!?日産「アルティマ」

■強力かつ燃費10%アップを期待できる“VCターボ”

近年、SUVが席巻している世界市場において、昨2017年くらいから急速に復権の動きが見え始めているのがセダンカテゴリー。同カテゴリーに、日産自動車が投入するのが、新しいアルティマです。同社が推進する“ニッサン インテリジェント モビリティ”を体現するモデルとして位置づけられているだけに、多くの先進技術が採用されている点に注目です。

まず、搭載される先進機能のひとつが、日産自動車が誇る、高速道路の単一車線での自動運転技術“プロパイロット”。渋滞時と長時間の巡航走行というふたつのシーンで、アクセル、ブレーキ、ステアリングを自動制御してくれる機構です。また、後退時に後方の物体を検知し、必要に応じてブレーキを作動させる“リアオートマチックブレーキ”も搭載。前方だけでなく、後方に対しての安全対策も施すことで、日産自動車が提唱する“360°セーフティシールド”がまた一歩進化しました。

アルティマとしては初の4輪駆動システムが導入されたのも、新型の大きなトピック。道路や走行条件に合わせ、前後輪に配分されるトルクを100:0から50:50まで自動制御する最先端のトルクスプリット制御システムを採用しています。“インテリジェント4×4”と呼ばれるこのシステムは、LSDやヒルスタートアシストと連携して制御を行うので、ドライビング時の安心感をさらに高めてくれそうです。

用意されるパワートレインも先進的なもので、2.5リッターの4気筒と、2リッターの4気筒ターボという、2種類の新型ガソリンエンジンを搭載しています。前者の2.5リッター4気筒エンジンは、部品の80%以上を新設計し、吸排逆転エキゾーストマニフォールド一体型ヘッドや樹脂ポートインサート、可変タンブルコントロールバルブ、可変容量オイルポンプ、e-VTCなどの先端技術を採用。最高出力は180馬力で最大トルクは24.9kg-mを発生します。

一方の2リッターターボエンジンは、量産エンジンとしては世界初となる、可変圧縮比を実現した“VC(Variable Compression)ターボ”を採用しています。

これは、ピストンの上死点の位置をシームレスに変化させるシステムで、圧縮比を性能重視の8:1から、効率(燃費)重視の14:1まで自在に変えることが可能。運転状況に応じ、自動で最適な圧縮比を選択してくれるのですが、その様子はインパネにも表示されるので、ドライバーもエンジンの状態をリアルに把握することができます。

このシステムにより、2リッターターボエンジンは最高出力248馬力、最大トルク37.7kg-mとなかなか強力。それでいて、高速走行時の燃費は10%以上の向上が期待できるとのことなので、高速道路を走る機会が多いドライバーは気になるところではないでしょうか。

ちなみに、両方のエンジンに組み合わせられるトランスミッションは、ロックアップ領域を拡大した独自の“エクストロニックCVT”で、グレードによってはパドルシフトも装着されます。

ボディは、従来モデルに比べて全高が低く、全幅は拡大されたワイド&ローのシルエットに変身。エクステリアは、昨2017年の北米国際自動車ショーで公開され、多くの賞を受けたコンセプトカー「Vmotion 2.0」からインスピレーションを得たというデザインで、特徴的な“Vモーショングリル”をダーククローム仕上げとするなど、日産の顔と呼ぶにふさわしい仕上がりとなっています。

インテリアは、水平を基調とした“グライディングウィング”デザインのインストルメントパネルを採用し、ハイコントラストなカラーやトリムにより、ドアを開けた瞬間にラグジュアリー感を与える仕上がり。

インフォテイメントシステムには“Apple CarPlay”と“Android Auto”に対応した“NissanConnect”を全グレードに標準採用しています。8インチのマルチタッチカラーディスプレイを備え、音声認識機能のほか“Apple Watch”や“Android Wear”と連動する機能も搭載。遠隔操作でのエンジン始動・停止、ロック・ロック解除などにも対応し、Amazonの“Alexa Skill”にも対応しています。

北米仕様のグレード展開は、S、SR、SV、SL、プレミアムの5種類。全グレードにインテリジェント4×4を選択可能な2.5リッターエンジンを設定し、SRとプレミアムでは2リッターのVCターボエンジン(前輪駆動のみ)も選ぶことができます。ホイールサイズは16インチと17インチに加え、19インチも初採用されています。

北米では、2018年秋よりデリバリーが開始され、その後、世界の各マーケットに順次投入される見込みです。日本国内への投入時期は明らかにされていませんが、セダンセグメントを活性化する1台として期待が高まります。

(文/増谷茂樹 写真/日産自動車)


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