“カメラ選び”に異変あり!キヤノンPowerShot G3 X

“エントリークラス”の一眼レフ市場に異変あり

現在、大型センサー搭載のレンズ一体型コンパクトカメラは、大きくわけて3つのカテゴリーに分けられる。①単焦点レンズ搭載機 ②明るい3倍程度のズームレンズ搭載機 ③高倍率ズームレンズ搭載機の3つだ。

つまり、「レンズ」がカメラ選びのキモだということがわかるだろう。レンズ交換をしない一体型のため「どのように使いたいのか」で選択肢が決まる。

PowerShot G3 Xは、③の高倍率ズームレンズ搭載機になるのだが、このクラスはかつての「エントリークラス」のレンズ交換式一眼レフとターゲットが重なるジャンルになりそうだ。CanonだとEOS KissシリーズやEOS Mシリーズ、他社ではミラーレス一眼もこれに含まれる。

今やエントリークラスの一眼レフが軒並みスペックが上がり、かつての中級機レベル以上のハイスペックになっている。そのため、本当の「初めての一眼レフ」を購入するという人は、大型センサーと高倍率ズームレンズ一体型カメラが、現実的な選択肢になるかもしれない。もちろん、カメラ好きやプロのサブカメラとしても考えられるが、PowerShot G3 Xは、エントリーモデルとしてもお勧めできるカメラだということだ。

PowerShot G3 Xはどんなカメラ?

実際にPowerShot G3 Xを触って感じた特徴を挙げてみたい。いわゆるカメラとしてのスペックの高さというより、レンズ交換式より本機を選ぶ理由としてあげる3点だ。

①交換不要の24-600mm相当のレンズ

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ボケ味の美しい9枚羽絞りと、高い防振性を実現する鏡銅機構

エントリークラスの一眼レフ購入者の使用形態を考えると、ほとんどのユーザーがレンズ交換をしないようだ。つまりレンズをつけっぱなしというわけだ。しかもエントリークラスの一眼レフだと、レンズも廉価版のものが付属する。それに比較し、交換レンズでもカバーできない24-600mmズームレンズを搭載し、さらに専用設計のため精度が高いと言える。

②思ったより寄れるマクロ撮影

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※写真はイメージ

100mm相当のズーム位置で試したのだが、イスに座ったまま机上のモノに思い切り寄って撮影できた(試験機のため実写は掲載しないが、機会を改めて紹介したい)。たとえばテーブルに座って料理を撮影するといった、日常的によくあるシーンに対応できる。ボケ味はそこそこ満足できるレベルではなかろうか。一眼レフを使えばより高機能のレンズを使えるが、使いこなせないと意味がない。PowerShot G3 Xならマルチに使えるため利便性がより高いと言える。

③防塵防滴性を確保した一体型ボディ

Illust_Dust_and_water_resistant.jpg

赤線部はラバー、接着による防塵防滴、緑線部は高精度あわせ構造により水滴、砂等が侵入しずらくなっている

毎日持ち歩くなら、少しでもユーティリティ度が高くあってほしい。小雨や旅行、夏シーズンなら河辺での撮影も増えるだろう。その意味でレンズ一体型で防塵防滴なのは嬉しい。例えばアウトドアでの撮影を考える。広角で大自然を撮影しつつ、望遠で遠くの鳥や動物、月まで撮影できる。焚き火やバーベキューの料理も寄って撮ることができるし、雨が降っても平気という万能ぶりだ。

また、初回限定5000台で、別売のビューファインダーが付属するEVF KITが11万8584円で販売される。液晶モニターのみでも撮影できるが、使いこなすうちにしっかりと覗けるファインダーが欲しくなる。通常価格に3000円の上乗せで購入できる計算になるため、こちらがお勧めだ。

 

最後に、カメラとして気になる機能にも触れておきたい。
すでにカメラを使っている人、一眼レフを使っている人が気になるスペックだと思うが、機会をあらためてレビューとしてお届けしたいポイントでもある。

静粛性に優れたズーム
ズームレンズは高倍率だけが特徴ではない。高精度かつ静かに動作する「マイクロUSM II」を採用。スピーディに動作し、その音は思った以上に静か。動画撮影時に余計な機械音が録音されるのを避けられる。また、強化された5軸手ブレ補正は、歩きながらの撮影に効果があるという。加えてマニュアル動画撮影に対応し、撮影中に絞りやiso感度の設定変更が可能。

ノイズが少なく、広いダイナミックレンジ
映像エンジン「DIGIC6」は一眼レフEOSシリーズにも搭載されるエンジン。これが思いのほか好印象。高感度にも強く、手持ちで夜間撮影での多用が予想される本機でも効果を発揮すると予想できる。

以上、ざっと挙げるだけでも「エントリー一眼」をしのぐ性能だ。レンズ交換する必要がない、そんな一体型がスタンダードになる予感がしてならない1台だ。

(文/&GP編集部)

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