【試乗】四拍子揃ったベンツのシューティングブレークにヒットの予感

CLAシューティングブレークを前にすると、「よくもまあ、4ドアクーペのイメージを崩さずにここまで!」と、そのエクステリアの秀逸さに感心します。前席付近を中心に、キャビンの前後をキューッと絞ったスタイルが、ワゴンになってもよく保たれているんですね。

「デザイン優先だと実用性が…」と心配するアナタ、大丈夫です! 後席乗員のヘッドクリアランスは、クーペ比+42mmと拡大され、余裕の空間に。そしてラゲッジスペースは、いわゆるDセグメントのライバルワゴンと比較しても遜色ない495リッター(VDA方式)。リアシートは分割可倒式で、最大1354リッターまで拡大可能です。

なんとなくダマされた…いや、キツネにつままれたような気がします。もう一度、CLAシューティングブレークの外観をじっくり見てみましょう。

まず、クーペ譲りの横V字型のキャラクターラインに目が行きますが、このクルマのヒミツはウインドウグラフィック、つまりサイドウインドウのカタチにあります。上端が強く弓形になったラインを取る。尻下がりのショルダーラインと合わせ、視覚的にリア方向の絞られ感を強調します。

少し冷静になって(!?)ルーフラインを目で追ってみると、天井が、思ったほど下降していないことが分かります。ともすると、鈍重なルックスになるワゴンボディの後半部分を、荷室側面にまで深〜くウインドウグラフィックを食い込ませることで、グッとスタイリッシュに見せている。コレはちょっとした魔法ですね! デザインと実用性の両立はそのまま自動車メーカーの底力に直結しますから、メルセデス・ベンツ、恐るべしです。

さて、エンジンは、CLA180シューティングブレークに積まれる1.6リッターターボ(122馬力)と、CLA250シューティングブレーク用の2リッターターボ(211馬力)の2種類。トランスミッションは、いずれもツインクラッチ式の7段AT。FFモデルもほか、後者には4WDも用意されます。

1.6リッターでも過給機の力を借り、2リッターエンジン級のパワーを得ていますから、普段使いならCLA180シューティングレークで十分。「動力」より「装備」の余裕を選んで、ベーシックよりひとつ上のグレード、CLA180シューティングブレーク スポーツ(428万円)辺りが売れ筋になりましょうか。

一方、CLAシューティングブレークに「ビビビッときた」(死語)ファッションリーダーの皆さまは、CLAシューティングブレークの日本上陸記念「オレンジアート エディション」に注目です。2リッターターボ搭載のCLA250シューティングブレークをベースに、内外にオレンジ色を配した200台の限定モデル。各部にAMGのパーツを配して、スポーティに仕上げられています。お値段は567万円也。

さらに懐に余裕がある方には、同じ排気量ならがら360馬力までチューンしたスーパー四駆モデル「CLA 45 4MATIC シューティングブレーク オレンジアート エディション 」も用意。こちらは862万円です。

そこかしこのホットな場所で、CLAシューティングブレークを見掛ける日も近いでしょう。そうそう、CLAシューティングブレークは、ワゴンボディでありながらクーペより“乗り心地重視”の足回りを与えられています。小旅行用のバッグを積み込んで、泊まりのドライブデート。そんな使い方にも最適です。

<SPECIFICATIONS>
☆250 オレンジアート エディション
ボディサイズ:L4640×W1780×H1435mm
車重:1520kg
駆動方式:FF
エンジン:1991cc 直列4気筒ターボ
トランスミッション:7AT
最高出力:211馬力/5500回転
最大トルク:35.7kg-m/1200〜4000回転
価格:567万円

(文&写真/ダン・アオキ)

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