【ホンダワークス“無限”試乗】「フィット」&「ヴェゼル」を多彩なパーツでブラッシュアップ

今回の試乗会でも感心したのですが、最近のチューンドカーは実にデキがいい!…と上から目線でナンですが、各ワークスチューナーのクルマとも、内外装やドライブフィールには、かつての「改造車!」といった趣はすっかり影をひそめ、全体にバランスよくまとめられています。アシまわりも、乗り心地を重視したしなやかなチューンが多く「むしろカタログモデルのサスペンションをコレにした方が…」と思わせるモデルも少なくありません。

それはそれでまっとうな進化なのですが、一方で「せっかくチューンドカーに乗るのだから」という気持ちも否定できません。無限が大幅に手を入れた「フィット RS ホンダセンシング(無限バンパースタイル)」のステアリングホイールを握って走り始めた時、「コレだよ、コレコレ…」となんだかうれしくなりました。

オレンジのステッチが入ったシフトノブを繰ってギヤを上げていくと、エンジンの回転に合わせて排気音も相応に高まって、ドライバーのやる気をかき立てます。足まわりは明らかに締まったセッティングが施され、路面によっては、時に乗員が上下に揺すられることも! でも、そんなところも“ちょっと懐かしい”チューンドカーの味わいです。

あいにく一般道での試乗ステージはなかったのですが、クローズドコースでスポーティに鋭く仕上げられたコンパクトハッチを駆るのは、胸躍る経験ですね! ちょっとスパイシーなクルマをお探しの方は、無限のフィットRSを検討してみてはいかがでしょう?

…と、スイマセン、筆が先走りました。無限が提供するチューンドフィットは、大きく分けて3種類。ことにエアロパーツ類は手が込んでいて「RS」、「ハイブリッドS ホンダセンシング」、「13G・S ホンダセンシング」といったスポーティグレードには、フロントバンパーを丸ごと交換し、顔つきをガラリと変える「無限バンパースタイル」と、純正バンパー下部にフロントアンダースポイラーを被せてアグレッシブな表情にする「無限アンダースタイル」の2タイプを。ノーマルグレードには、同じく「無限アンダースタイル」の名称ながら、元の姿を尊重しつつスポーティさを増したエアロセットが用意されました。

試乗車のRSをチェックしてみましょう。まず目につくのは、グッと下アゴを突き出したカタチになったフロントエアロバンパー。純正装着のフォグランプは、無限LEDフォグランプに変更可能。その下に並ぶ、高精度LEDを使ったエアロイルミネーションが華やかです。

ボディサイドには、窓の上辺に、換気性能に優れたヴェンチレーテッドヴァイザーが付けられ、ボディ下部にはサイドスポイラーが装着されます。エアロダイナミクスの面で重要なボディ後端には、ルーフエンドにカーボンアッパーウィングが、リアバンパーの下にはリアバンパースポイラーが被せられます。F1マシンのストップランプを連想させるLEDリアフォグランプも、いいアクセントになっていますね。

順序が前後しますが、フロント部での注目パーツは、樹脂(GFRP)製のエアロボンネット。これはフィットの全モデルに装着可能なパーツで、2.2kgの軽量化が果たせる上に、エンジンルームの温度上昇を抑える(約10℃)機能も持ちます。もちろん、見た目のチューンド度合いもググッとアップ!

室内では、乗車のたびに必ず接するスターターボタンはじめ、水温、油温、油圧をチェックする3連補助メーター、アルミニウム素材にドライカーボンを積層させたカーボンセレクトノブなど、各部に無限を感じさせるアイテムが用いられます。シートは、セミバケットタイプのMS-Zと、フルバケットシートのMS-Rからセレクトできます。

動力性能の面では、足まわりを中心に、無限の手が入れられます。具体的には、よりスポーティな味付けにしたスポーツサスペンション(前後スプリング+ダンパー/約15mmローダウンされます)、無限専用意匠のアルミニウムホイール MD8(16インチまたは17インチ)、また、専用ブレーキパッドやブレーキローターなどで、ストッピングパワーも強化。排気チューンとして“抜けのいい”スポーツサイレンサーも見逃せません。

見た目だけでなく、走りもブラッシュアップしたいオーナーから、渋め&地味めに差別化を図りたい人まで、ホンダ直系の無限は、フィットのチューンに幅広く対応しています。

【次ページ】エアロパーツでスポーティ度アップの無限ヴェゼル

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