吉田由美の眼☆貴重な「M3」も体験!BMWクラブジャパンの“ビーエム愛”はパノラマ級

■貴重な3台の歴代「M3」を一気乗り!

メインイベントは夜のパーティとのことですが、その前に、私たちメディア向けに特別企画が用意されていました。なんと、3台の新旧「M3」に一気乗りできるという、とても贅沢な試乗会です。

まずは、前後バンパーの赤いラインが印象的な、初代“E30”型のM3クーペ。中でも今回用意されていたのは、世界で600台ほどしか生産されなかった最終モデル「スポーツエヴォリューション」(1990年)で、エンジンの排気量が2.5リッターに拡大されたモデルです。

トランスミッションは、左手前が1速となるレーシングパターン仕様。ハンドルは重く、段差を乗り越える時などは「ガツン!」と衝撃が入ってきますが、そのほかは思いのほか滑らか。それにしても、旧車はどのクルマに乗っても、どことなく同じようなにおいがするのはなぜ?

今回ドライブした3台のうち、私に一番しっくり馴染んだのが、歴代M3で唯一、V8エンジンを搭載する4世代目の“E92”型。この次のモデルから、クーペ仕様は「M4」へとネーミングが改められたので、今のところM3クーペとしては最後のモデルとなります。

試乗車は、2013年に世界限定54台がリリースされた特別仕様「DTMチャンピオンエディション」。そのデザインは、現行のBMWに通じるもので、ツヤ消しブラックのボディカラーが素敵な1台でした。

そして最後にドライブしたのは、現行型の“F82型”です。中でも試乗車は、450馬力までパワーアップした直6ターボエンジンを積む高性能グレード「コンペティション」で、カーナビなどを表示するコックピット中央のモニターが、タッチパネル仕様となった最新モデル。

“シャア専用”を思わせる、オレンジに近いレッドのボディカラーが目を惹く1台でした。さすが最新モデルだけあって、貴重な初代E30型に比べるとやはり安心して操れました。加速やコーナリングのフィーリングはとても強烈でしたが、その中に、ハイパフォーマンスセダンらしい落ち着いた印象を感じさせてくれました。

特別試乗会の後は、レーシングドライバー、モータージャーナリスト、そして、僧侶という3足のわらじを履く、松田秀士さんのトークショーに参加。

松田さんといえば、世界の3大レースのひとつ、アメリカの「インディ500マイルレース」に、ドライバーとして参戦したことでも知られています。インディ500の舞台は、アメリカ・インディアナポリスにあるオーバルコースで、レース中はカラダに4.5~5Gの重力が常時掛かるのだとか。

松田さんが初めて参戦した1994年は、インディ500に60台のエントリーがあり、レースに出走できるのは、そのうちの予選上位33台のみという狭き門。そんな中、松田さんは14番グリッドを獲得し、見事、本戦への出走を勝ち取りました。その後も松田さんのインディ挑戦は続きますが、2000年には練習走行中、第3ターンでクラッシュ。ぶつかった時の速度は320㎞/hで、その瞬間、カラダに掛かった重力は160Gにも及んだそうです。

インディ500でそんな生きるか死ぬかの経験をしながらも、松田さんはクルマが大好き。「クルマは移動の自由を与えてくれる上、好きな時にいつでもどこへでも行ける。だから死ぬ瞬間までクルマを運転していたい」とのこと。そのため松田さんは、全国各地で「スローエイジングでお浄土までぶっ飛ばせ!」というテーマで講演を開催。また、50歳以上のドライバーを対象としたドライビングレッスンも行っています。

今回の講演では、その一貫として、参加者たちに目のアンチエイジングに有効なトレーニングを伝授。運転に特化したトレーニングなどを行うことで「死ぬまでBMWを楽しみましょう!」とアピールされていました。

その後は、お待ちかねのパーティへ。会場では、BMW関連のお宝が多数出品されたチャリティオークションが開催され、その売上金は、会場となった八ヶ岳ロイヤルホテルのある山梨県北杜市が行う、子どもたちの支援事業のために寄付されました。

パーティの後は、ホテル屋上にある天体ドームや展望デッキで星空を鑑賞。ピンと張りつめた冷たい空気の中、天の川や都会では見られない小さな星(そして流れ星も!)まで、肉眼で満天の星空を楽しむことができました。2016年はあいにくの空模様だったとのことなので、今回はラッキーだったかも!

夜が明けて翌日曜日。駐車場には新旧のBMWが並んでいましたが、私の目を惹いたのは「02シリーズ」のグループ。同シリーズは、1966年から1977年にかけて製造・販売されていた、丸いライトがアイコンの小型2ドアセダンで、日本では「マルニ」の愛称で親しまれました。2リッターエンジンを積む「2002」にちなんで、クルマのナンバープレートを“2002”にしている方が多かったのが印象的でした。

参加者たちのBMWへの情熱がひしひしと伝わってきたBMW DAY 2017“Join us 18th”。BMWクラブジャパン会員たちの“BMW愛”は、八ヶ岳の雄大な景色にも負けない、まさにパノラマ級の熱さでした!

(文/吉田由美 写真/&GP編集部、BMWクラブジャパン)


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