吉田由美の眼☆イタリアからモンスターSUV、ランボルギーニ「ウルス」がやってきた!

■最高速度は市販SUV最速の305km/h!

ウルスのパワートレインは、4リッターV8ツインターボに8速ATの組み合わせ。ランボルギーニ初のターボエンジンは650馬力を発生し、その駆動力は4WDシステムを介して4輪へと配分されます。

パフォーマンスはまさにスーパーのひと言! 静止状態から100km/h到達までに要する時間はわずか3.6秒、最高速度は市販SUV最速の305km/hをマークします。車両重量2.2トンという重量級のウルスがこれほど速いとは、どれだけモンスターなのでしょう!?  また、この巨体の突進を止めるために、ブレーキは標準でカーボンセラミックタイプが採用されます。

4WDシステムは、ドライブモードやドライバーの運転のスタイル、そして、路面のグリップに応じて瞬時に最適な駆動力を配分する“アクティブ・トルク・ベクタリング”などにより、安定した走りを実現します。各種ドライブモードは、路面状態やドライバーの好みに応じ、センターコンソールにある“Tamburoドライブモード・セレクター”で変更可能。スタンダードの「STRADA」、「SPORT」、よりパフォーマンスを高めた「CORSA」、雪上向けの「NEVE」といった具合に、それぞれがイタリア語で表現されている点はイタリアンブランドならではですね。

ウルスのエクステリアには、ランボルギーニの往年の名車からインスパイアを受けたエレメントが散りばめられています。例えばサイドビューは、ランボルギーニデザインの黄金比率である、車体全体の2/3がボディパネル、残る1/3がウインドウという割合。フェンダーに採り入れた六角形のホイールアーチは、天才デザイナーのマルチェロ・ガンディーニが「カウンタック」などに採用したそれをモチーフにしています。さらに、リアウインドウは「ウラカン」、ルーフラインはカウンタックや「ムルシエラゴ」、リアディフューザーはレーシングカーなど、随所から“ランボルギーニイズム”を感じ取ることができます。

エクステリアデザインにもトキメキましたが、個人的にはインテリアに胸キュン(笑)。六角形のモチーフが至るところにあしらわれ、スイッチ類がいくつも並んでいる様子は、(乗ったことはないけれど)まさに戦闘機のコクピットのよう! 乗り物好きの心を鷲づかみすること間違いなしです。

ところで、ウルスの発表会において、クルマと同様、熱い視線が注がれたのは、本国イタリアのアウトモビリ・ランボルギーニで、新しくCEO(最高経営責任者)に就任したステファノ・ドメリカリさん。かつてフェラーリF1チームの代表を務めたドメニカリさんは、フェラーリ離脱後にアウディを経て、フェラーリのライバル・ランボルギーニへ移籍した異色の経歴の持ち主です。

そんなドメリカリさんに、ランボルギーニのことやウルスのことを伺いました。

ーーランボルギーニが日本マーケットで好調なのはなぜだとお考えですか?

ドメニカリさん:日本人は芸術、スタイル、テクノロジー、パフォーマンスなど、好きなものに対してとてもアグレッシブです。そんなところが、ランボルギーニの個性と合っているのだと思います。

ーー新しく登場したばかりのウルスですが、今後、もっとコンパクトな“ベビー・ウルス”登場予定はありますか?

ドメニカリさん:それはありません。SUV人気の追い風を受け、ウルスが世界的に成功したとしても、私たちはそれに過剰反応はしません。ランボルギーニならではの独自性、希少性を保ちながら、ニッチなマーケットの中でセールスを安定させたいと考えています。ただし、タイミングを見て、ウルスのハイブリッドモデル導入は計画しています。

ーードメニカリさんがウルスの中で気に入っていらっしゃる部分はどこですか?

ドメニカリさん:ユニークなデザイン、特にルーフラインですね。個性的なルックスで、街中でも注目されます。そして、アグレッシブでありながら、エレガントな部分も好きですね。あと、パフォーマンスも気に入っています。舗装路、氷雪路、悪路とすべてのシーンでエンジョイでき、エモーショナルな走りを堪能させてくれるクルマです。また、リアシートの頭上スペースが十分確保されていて室内空間が広く、乗りやすくて日常的に使えるのに、氷雪上などでも安定しているというギャップも魅力です。ウルスは乗って楽しい、まさにエモーショナルそのものなのです!

CEOのドメニカリさんもお気に入りのウルスは、写真で見ると結構アグレッシブですが、実物は写真よりもずっとフォトジェニック。日本の街を走っていたら、きっと振り返ってしまうこと間違いなしです!

(文/吉田由美 写真/吉田由美、アウトモービリ・ランボルギーニSpA)


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