【試乗】“初顔合わせ”の特別なボルボに乗る!

現行V40が日本に上陸したのは、2013年の2月。その派生モデルで、ハッチバックとSUVのクロスオーバーモデルであるクロスカントリーは、同年5月に日本での販売が始まりました。

余談ですが、1995年にデビューした「V40」は、現行モデルとは全く異なるコンセプト&スタイルを持つ、コンパクトかつオーソドックスなステーションワゴンであり、三菱自動車との共同開発車でした。かつてのV40と現行のV40、ネーミングこそ同じですが、コンセプトからして全く異なるクルマなのです。

現行のV40は、2015年モデルで走りに関わるパーツを大幅にブラッシュアップ。その最大のウリは、新世代のパワートレーン“Drive-E(ドライブ・イー)”です。これは、直噴式のダウンサイジングターボエンジンと高効率のトランスミッションを組み合わせたもので、大幅なパワー&トルクのアップと、燃費性能の向上を果たしています。

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特別限定車V40クロスカントリー T5 AWDのパワートレーンは、2リッターの4気筒直噴ターボエンジン“T5”と、新開発の8速ATの組み合わせ。さらにそこへ、4輪駆動=AWDシステムをプラスしたものです。ちなみに、Drive-EとAWDが組み合わせられたのは、このモデルが初めてです。

従来、V40クロスカントリー T5 AWD のエンジンには、直噴ではない、ポート噴射式の2リッター5気筒ターボが採用されていました。しかし’16年モデルからは、すべて新世代の4気筒直噴ターボエンジンに切り替わる見込みとのこと。つまり今回の特別限定車は、’16年モデルをひと足早く体験できる、先取り感満載のモデルといえます。

ノーマルのV40比で車高が30mmアップしているので、走りは少し鈍重かな? なんて考えは、走り始めてすぐに消え去りました。ちょっとしたスポーツカー顔負けの、実に軽快な走りっぷりだったのです。

従来の5気筒エンジンに比べ、パワーが約15%(=245馬力)、最大トルクは約17%(=35.7kg-m)アップしたという売り文句に、偽りはなし。しかも、従来の6速式に比べて2段増えた8速ATが、どんなシーンでも最適なギヤをセレクト。それらの相乗効果で、急な上り坂でもアクセルを軽く踏み込むだけでグイグイ加速し、コーナーが続く峠道でも常にパワフルさを実感できます。

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熟成が進んだサスペンションがしなやかに動くせいか、乗り心地は実に快適。おまけに、車内の静粛性が高いので、高速道路でのクルージングはとても楽です。4月上旬にもかかわらず真冬並みの寒さとなり、小雪交じる雨の中での試乗となりましたが、耳障りなスプラッシュノイズ(タイヤのはねる水しぶきが立てる音)もほとんど気になりませんでした。

今回、Drive-Eと初顔合わせとなったAWDシステムも、いい仕事をしています。雨の中でもまっすぐ安心して走りますし、箱根の山中で出くわした積雪路も、難なく走り抜けられました。こうした走りの安定感と安心感こそが、AWDモデル最大の美点といえそうです。

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そしてもうひとつ、今回の限定車で見逃せないのが、スペシャル仕立てのインテリア。北欧らしい色使いの、ツートーンカラーのレザーシートや、マットな仕上げのモダンウッドパネルなどにより、居心地のいい空間となっています。

この特別モデル、日本へ上陸するのは200台のみ。スタイリッシュで走りの良さが際立つ“これまでなかったボルボ”、いち早く体験したいならお早めに。

<SPECIFICATIONS>
☆V40 クロスカントリー T5 AWD
ボディサイズ:L4370×W1800×H1470mm
車重:1580kg
駆動方式:AWD
エンジン:2リッター直4+直噴ターボ
トランスミッション:8速AT
最高出力:245馬力/5500回転
最大トルク:35.7kg-m/1500〜4800回転
価格:439万円

(文&写真/&GP編集部)

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