着けたまま水泳ができる完全ワイヤレス!ソニー「WF-SP900」【イヤホンレビュー】

■外の音を聴きながら走れて安全性もバッチリ!

それでは、実際に「WF-SP900」で音楽を聴いてみましょう。

まずは、通常の完全ワイヤレスイヤホンとしてiPhoneとペアリングして音楽を聴いていきます。宇多田ヒカルの『あなた』から聴くと、声の部分をハッキリと立てて、ボーカル中心に中広域をクリアに聴かせます。音の質感と空間の広がりは上手く出しているんですが、高域までは伸ばさない割り切ったタイプといったところ。Bruno Marsの『24K Magic』を聞いても、低音のバランスは日本人の聴く音楽としてはバランス十分。ただ、ダンス系サウンドを聴くには、ちょっとパワー不足を感じるかもしれません。

でも「WF-SP900」では、ソニーのヘッドホン用アプリ「Headphone Connect」を利用できます。アプリからはプリセットやカスタムで音質調整も可能。低音不足を感じたら“Bass Boost”に設定するとちょうど良くなりました。

左側イヤホンのボタンを3回押してプレイヤーに切り替え、右側のボタンをタップするとPCから転送した音源も聴けます。フォルダー再生というシンプルな操作ですが、スポーツ時に音楽を聴くには実力十分。サウンド面はスマホから再生と同程度です。外音取り込みは当然プレイヤーでも使えるし、アプリからカスタムした外音取り込みや音質等の設定も左ボタン2回押しで呼び出せます。

「WF-SP900」のスゴさは、ただ音楽を聴いて終わらないところにあります。

ランナーの人が音楽に没入していて、車の走行音に気づかないと危険ですよね。そこで「WF-SP900」では、左ボタン1度タップで“外音取り込み”(アンビエントサウンド)を有効にして、周囲の音を聞き取れるようになります。屋外でオンにしてみると、車の走行音や周囲の音も聞こえるので安心感アップ。なお、アプリから“ボイス”の設定にすると人の声が特に聞きやすくなるので、ジムでエクササイズしながらトレーナーの声も聴けちゃいます。

もうひとつ特徴が。屋外で音楽を聴いていても全然音切れしないんです…。ホームページ等ではあまりアピールしていないですが、「WF-SP900」は左右のイヤホン接続にBluetoothではなくNFMI(近距離磁気誘導技術)を利用しているので本当に途切れません。ちなみに、Bluetoothは水中では電波は飛びませんが、NFMIは水中でも使えるので水泳用にも安心ですね。

ダメ押しに本当に水泳しても平気なほどに防水性能は大丈夫なのか!? とコップの水に沈めてみても、動作は全く問題ナシ。ただし、水中用イヤーピースは音の出口が塞がれているので、音質は全く良くないですけどね。

*  *  *

全機能を使ってみると、“スポーツ用”として考えられることをやりきった感があります。スポーツはあんまり…という人でも、音楽プレイヤーとして使えて、音切れが少なくて、外音取り込みがある。通勤・通学用途でも十分活用できます。これなら完全ワイヤレスに3万円出す価値アリです!

>> ソニー「WF-SP900」

 

>> [連載]イヤホンレビュー


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(取材・文・折原一也

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