[Gear Maniax #105] 個性くっきり!コンパクトライト6機種を屋外照射比較してみた!

まずはコントロールショット。手前にある足元の目印から、奥の赤い目印、パーソナルマーカーのNEXTORCH「GT-AAA PRO」まではおよそ60m。かなり思い切って距離を取ってみました。

パーソナルマーカーの光も、写真だと1ピクセルの点になってしまいますが、この距離でもしっかり視認できるのはさすがです(「GT-AAA PRO」はLOWモード)。

 

■NITECORE(ナイトコア)「EC23 CREE XHP35」1800ルーメン

まずはNITECORE「EC23」。1インチのヘッドにXHP35 HDを搭載、1800ルーメンというスペックのライトです。NITECOREは、無理のないスペック、共通化されたわかりやすい操作方法で複数のサイズをラインナップしており、こうしたテストの際には基準機として選びやすいメーカーです。

「EC23」も、普遍的なスペックながら操作性、照射ともに安定しており、派手さはないものの優等生のイメージがあります。

参加機種の中では、H2T「KX神無月仕様」と並んでヘッド直径が最も小さく、そのため遠射性能は高くありません。NITECOREはリフレクターが深いのが特徴で、その分だけ周辺光は狭く、比較的大型のLEDであるXHP35 HDとの組み合わせは、均一に感じられる照射となります。1800ルーメンのパワーによる視認性はさすが。60m先でもしっかりと照らせます。(アカリセンター価格:5961円)

■ACEBEAM(エースビーム)「T36」2000ルーメン 21700電池使用

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続いて大型の電池を使用するACEBEAM「T36」。ヘッド直径は30mmですが、リフレクター直径はNITECORE「EC23」とそれほど変わらない印象です。しかし搭載しているLEDが遠距離タイプのXHP35 HIなので、中心光が強めです。リフレクタタイプのライトによくみられる足元の三日月型の周辺光と、比較的高い中心照度が特徴。「EC23」と比較するとメリハリのきいた照射になりました。

中心光の明るさ、範囲ともに良好で、今回最も明るくかつ広く60m先を照らすことができたライトになりました。(アカリセンター価格:1万4677円)

 

■STREAMLIGHT(ストリームライト)「POLYTAC-X ポリタックX 樹脂ボディ」

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STREAMLIGHTからは、NEWアイテムの「POLYTAC-X」。32mmのヘッド直径ながら樹脂ボディで軽く、持ち歩きに苦労しません。やや大きなヘッド外径を生かし、集光性高めの配光。

カタログスペックで600ルーメンは若干厳しいかなと思いましたが、思いのほか明るい照射でした。こうした適度な集光性のライトは、ひらけた場所では明るく感じますね。お値段的にもライバル機種の半額程度で、18650電池も使用できてなおかつ軽いため、選択肢として十分戦えると感じます。ストリームライト特有の保証対応の良さ、部品供給の強さも魅力的。(アカリセンター価格:9072円)

■SUREFIRE(シュアファイア)「E2DLU-A E2D DEFENDER ULTRA」/SUREFIRE(シュアファイア)「E2DLU-A E2D DEFENDER TACTICAL 1000lmシングルモード」

>> [Gear Maniax #102] SUREFIREの名作タクティカルライトを屋外照射テストしてみた

SUREFIREの最新鋭機、「E2DLU」の1000ルーメンモデル。LOWモードがある「E2DLU-A」と、HIGHオンリーの「E2DLU-T」があります。1000ルーメンモードの明るさや配光は共通です。写真ではやや光軸が下にずれているかな? 現場の感覚では、ACEBEAM「T36」に匹敵する遠射性を感じました。色温度がやや低いせいか、こうした緑に囲まれた場所では最も自然な視界を得られます。通常の白色光ではかなり白けた印象になってしまいます。

足元からシームレスに広がる光は、まさに帯状の光。自分の進む方向が均一に照らされている様子は、他の光学方式ではみられないものです。(アカリセンター価格:3万440円)

では「E2DLU」と「T36」、比較のため正面からの視界を確認してみましょう。

カタログスペックで勝る「T36」の方が全体的に明るいのは当然かと思います。しかし、「E2DLU」は画像下部(つまり足元)の視界の広さで勝り、中心部奥の明るさでも負けていません。こうした必要とする情報量の多さではSUREFIREのTIRは非常に良い照射を実現しています。最終的には好みによるものの、SUREFIREのTIRは一見の価値があります。

 

■H2T「KX2カスタム(HAカラー)2018神無月仕様 OSLON BF 6000K 3-9V 1500mA」

1インチヘッドながら、高い集光性を誇るのはH2T「KX2カスタム 2018神無月仕様」。明るさでは他機種よりも低いものの、集光性は抜群。こちらもACEBEAM「T36」にほぼ匹敵する中心照度を誇ります。その一方で消費電力は1/4。長時間、遠距離照射を求められる場合には有利です。

SUREFIRE純正の外観から、これだけ集光性の高い光が放射できるというのは実に魅力です。

 

■ACEBEAM(エースビーム)「W10 LEPフラッシュライト LEP 21700」

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最後は発光原理が異なるACEBEAM「W10」。このサイズとしては脅威的な1000mオーバーの照射を誇ります。写真でもわかる通り、60m先でも非常に明るく照射可能。それと引き換えに、周辺光が全くないため、周辺の確認などには向きません。ピーキーな配光ですが、そこがまたマニアを惹きつけるのではという気もします。

こちらの商品は一般的な販売ができない商品になります。大変申し訳ございませんが“見るだけ”というやつですね。ご承知おきいただければ幸いです。

*  *  *

それぞれ、非常に個性的な照射になりました。こうした広範囲の場所での照射では、どうしても遠射系ライトが魅力的に見えてしまいますね。60mという距離はフェアではなかったかもしれません。しかし2000ルーメンクラスになれば、小口径ライトといえども十分な遠距離性能があることもわかりました。

暗い森が照射対象では中心光がわからなくなるため、もうちょっと反射率の高い、バーミヤンの石像のような照射対象があればよかったのですが…。しかし、遠距離撮影をするだけなら絶好の場所。次回はライトのサイズをアップしてお届けしたいと思います。

>> 連載[Gear Maniax]

 


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(文・写真/アカリセンター

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