■気になる音質をチェック!
では実際に「MOMENTUM True Wireless」を装着して、使い込んでいきましょう。
本体を一見すると操作ボタンはないのですが、左右イヤホンの金属プレートがタッチパネルを兼ねています。最初のペアリングは左右イヤホンの同時押しでスタート。ペアリング後は左イヤホンで再生/一時停止/スキップ、右イヤホンで通話関連の操作とスマホのボイスアシスタント起動、そして2回タップで外音取り込み機能“Transparent Hearing”に切り替わります。音量操作は左右長押しで音量ー、音量+に対応します。
“Transparent Hearing”は実は、製品パッケージやホームページではあまり触れられていませんが、装着したまま外の音が聴こえるいわゆる“外音取り込み”機能です。デフォルトの動作は右イヤホンを2回タップすると音楽を停止。イヤホンを付けてただ音楽を停止した時以上に、外の音を明瞭に聞き取れました。
“Transparent Hearing”の動作は音楽を流したままでも、スマホのアプリ「Smart Control」から変更できます。ただし、ONにしても音楽に対してやや人の声や物音が持ち上がる程度なので、過信は禁物。実用性ではデフォルトの音楽停止の方が良さそうです。
やはり期待するのはサウンド。
iPhoneで宇多田ヒカルの『あなた』から聴いて行くと、女性ボーカルの歌声の厚みあるリッチな響きと情報量、そして低音からの質感たっぷりのリズムの刻み。さらに丁寧な高域までの再現を確保。オーケストラの演奏の見通しも良いし、楽曲のどこを聴いても音楽の質感にまで入り込めます。完全ワイヤレスイヤホンとしては相当ハイレベルな高音質です。
Bruno Marsの『24K Magic』を聴いても音の分離感、回り込むような空間再現、音のリズムだけでなく情報まで描写する再現性まで素晴らしい。そしてapt-X対応のAndroidスマホではさらにに音の純度の高いサウンドになります。
これが完全ワイヤレスのサウンドなのか!? もはや有線イヤホンと並べて語るべきなのではと思ってしまうほど、絶妙なバランスの良さの“超”高音質です。
ゼンハイザーとしては、完全ワイヤレスイヤホン第1弾ながら超高音質で登場した「MOMENTUM True Wireless」ですが、現在の実売価格は3万8880円と完全ワイヤレスイヤホンの中でも高価格帯。
でも、実機でサウンドをチェックした僕としては、その値段分の価値はあると断言します!! 今までゼンハイザーの有線イヤホンを使い倒してきた人、そして完全ワイヤレスイヤホンの中での買い替え組に是非試して欲しい機種ですね。
>> ゼンハイザー「MOMENTUM True Wireless」
>> [連載]イヤホンレビュー
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(取材・文/折原一也)