夏のテント泊で悩ましい虫を防げる「SCボックスシーツ」がかなり使える【アウトドア銘品図鑑】

■小さく畳んで、でっかく使える

キャンプや旅で使いたい「SCボックスシーツ」だからこそ、かさばったり重かったりするとやはり手を出しづらく感じます。手軽に持ち運べるサイズなんでしょうか。

収納時はφ10×15cm程度で、サーマレスト「ネオエアーXライト」(φ10×23cm)よりもコンパクト。

ですが、広げると215×80cm! マミー型のエアーマットでは全体にはみ出てしまうので、古いモンベルのクローズドセルマット(61×180cm)に載せてみましたが、それでもはみ出ています。かなりゆったりしたつくり。

ちなみに重量は330g。ファスナーがないためか、一般的な寝袋用のシーツ、ライナーに比べても軽量です。

ちなみに、ショートサイズは195×80cm(適応身長170cm)、300g。小柄な人はこちらを選んでもいいですね。

封筒型寝袋は幅75〜85cmのものが多く、ほぼぴったりサイズ。シングルサイズの寝袋ならどれにでも使えますね。

頭の部分が袋状になっていて、ここに枕を入れられます。寝ているうちに枕がどこかにいってしまうことはないし、枕がなくてもここにジャケットを詰めるだけで枕代わりになります。

夏のキャンプなら「SCボックスシーツ」1枚かぶるだけで十分。マットから落ちないように、シーツの中にマットを入れてみましたが、マットは吸汗性がないので蒸れてしまって大変でした。

 

■しなやかで肌あたりもいい

実際に「SCボックスシーツ」に潜り込んでみました。夜の気温が20℃程度だったので、寝袋を使わず、これ1枚でちょうどいい感じです。

生地は光を当てると透けて見えるほど。細かなメッシュ構造で通気性がよく、蒸れにくくなっています。

ただし、このように薄手なので残念ながらアブやハチのような大型の虫の針は通してしまいます。防虫効果は、通常の虫除けスプレーの効果がある小型の虫に限られるそうです。

また、布製品はどんなに素材がよくても縫製が雑では目も当てられませんが、ひっくり返してみたところ裁断面や縫い目のほつれはもちろんなし。しなやかな縫い糸のためごわつきも感じません。肌にあたるシーツですからこうでなくちゃ!

気になる防虫効果ですが、時おり蚊が飛んでいる“あの音”が聞こえるものの、攻撃を受けません。ただ、少しでも首や顔が出るとそこにめがけてやってくるので油断は禁物。

タープ泊で重宝する「SCボックスシーツ」ですが、頭までシーツにもぐりこむのが苦手な人は、虫除けのヘッドネットと併用するほうがいいでしょう。

*  *  *

スプレータイプの防虫スプレーを狭いテント内で使うのは抵抗があるし、肌が弱い人は虫除けスプレーの成分にも気を遣わなくてはなりません。

その点、この「SCボックスシーツ」はたとえ舐めてしまっても人体への影響はなく、20回洗濯しても防虫効果は80%以上を維持します。それに、さすがにその効果を試すことはできませんでしたが、マダニや南京虫にも忌避効果があるとのこと。頼もしい!

虫が多い場所ほど自然豊かな極上フィールドですが、一歩、ヒトが立ち入ると途端に嫌な虫が「ごちそう、ごちそう♡」と近づいてきます。そんなときに、この「SCボックスシーツ」はいい仕事をしてくれますよ。

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取材・文/大森弘恵

大森弘恵|フリーランスのライター、編集者。記事のテーマはアウトドア、旅行、ときどき料理。Twitter

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