非常用持ち出し袋に入れるのは、思いのほか美味しい宇宙食に認証された保存食

■選びの基準は非常時に持ち出すこと

今回、ECサイトで購入したのは尾西食品の「アルファ米12種全部セット」(3385円)、同「長期保存対応 携帯おにぎり 鮭・五目おこわ・わかめ 3個×3種アソート」(1720円)、サタケ「マジックライス9種とマジックパスタ3個の4日分 12種セット」(3300円)の3種類。

選んだ基準は、主食であること、軽いこと、水で作れること、バリエーションが豊富なことの4点です。

非常時を考えるとオカズよりも、食事として成立する主食。長期化すると栄養バランスのことも考えなければいけませんが、まずは3日をしのぐという点に注力しました。

次に重さ。リュックに入れて持ち運ぶことを考えると、少しでも軽い方が背負った時の負担も減るし、食料品で同じ重さになるなら多めに持てるというメリットがあります。

3つめが水で作れること。リュックには熱源を入れていますが、できればいざという時のために使用は控えたいもの。なので、水を入れれば出来上がるものを選びました。

最後がバリエーションが豊富なこと。味がひとつだけだとすぐに飽きてしまいます。毎食飽きずに食べられるよう、いろいろなバリエーションがあるものをセレクト。

ついでにいうと、非常用の缶詰やパン、ようかんは以前試食したことがあるので、保存食で食べたことのないジャンルというのもあります。

■5年の常温保存が可能な保存食

アルファ米といえば、草分けである尾西食品。日本国内では初の宇宙食として、2007年にアルファ米の4種類「白飯」「赤飯」「山菜おこわ」「おにぎり鮭」が認証されたほど。そもそもアルファ米とは、一度炊いたご飯をアルファ(糊)化させたあと、乾燥させたご飯。これに熱湯や水を入れることで復元し、食べられるようになるものです。

▲尾西食品「アルファ米12種全部セット」

今回購入したのは定番の「アルファ米12種全部セット」。本来は、白飯、五目ごはん、わかめごはん、田舎ごはん、松茸ごはん、赤飯、山菜おこわ、白がゆ、梅がゆ、ドライカレー、チキンライス、えびピラフの12種類が入っているようですが、えびピラフの代わりに松茸ごはんが2個入っていました。重量はトータルで1.3 kg。

▲尾西食品「長期保存対応 携帯おにぎり 鮭・五目おこわ・わかめ 3個×3種アソート」

尾西食品からは、もうひとつ「おにぎりシリーズ」を購入。鮭、五目おこわ、ワカメの3種類×3アソートで、重量は387g。手を汚さず食べられるので、衛生的です。

▲サタケ「マジックライス9種とマジックパスタ3個の4日分 12種セット」

そして1社だけでは味比べができないのでサタケ「マジックライス 保存食シリーズ」も用意。サタケマジックライス9種(白米、五目ご飯、わかめご飯、根菜ご飯、梅じゃこご飯、青菜ご飯、パエリア風ご飯、ドライカレー)と、パスタ3種(ペペロンチーノ、カルボナーラ、きのこのパスタ)の4日分12種セットで、重量は1.4 kg。尾西食品のそれに比べ、洋風が多く、パスタがラインナップされているのも特徴です。

いずれも5年の常温保存が可能で、27品目(一部商品は28品目)のアレルギー物質(特定原材料等)を使用していません。

■水でもお湯でもOK! 時間はかかるが作り方は簡単

まずは基本の尾西食品「白米」を、水で作ってみました。

封を切り、中からスプーンと乾燥剤を取り出し、水160mlを入れます。内側に水を入れる線が描かれているので、計量カップがなくても大丈夫! 水を入れたら、よくかき混ぜて待ちます。よくかき混ぜてとありますが、どういう状態になればいいのか分からないので、とりあえず30回かき混ぜてみました。

熱湯なら15分で作れますが、最初なのでお湯ではなく、水で実践。非常時には熱源が確保できるか分からないので、待ち時間が60分もかかるとはいえ、水で作れるのはありがたいですね。しかもスプーンがついているのは嬉しい配慮。手元にカトラリーがなくても食べられるので安心です。

▲写真は自前のスプーン。付属のカトラリーはプラスチック製

実食タイム! 箸ですくうとポロポロするくらいパサパサで芯が残ってるけど、ちゃんとご飯。多少はにおいがするものの気になるほどではないし、水で作るのはどうなの? と思ったけど、よく考えたらおにぎりも冷えたご飯だから違和感はありません。さすがに「美味しい!」とまではいきませんが、想像以上で普通に食べられました。

ただ、白米だけで食べるとなるとさすがに寂しく、ご飯のお供やカレー、味噌汁などがあれば箸が進みます。

続いて、サタケマジックライスの「白米」。作り方は尾西食品のものとほぼ一緒ですが、注水量を変えれば、ごはんとしても、おかゆとしても作れるのが特徴です。

こちらはお湯でご飯を作ってみました。赤色の注水線までお湯を注いでかき混ぜたのですが、浸水スピードが早いのか、かき混ぜた後にはお湯が注水線よりも下になります。足した方がいいのか? とも思いましたが、注水の線なので、追加せずにそのまま15分。こちらもよく混ぜますと書かれていますが、「よく」の定義(回数なのか、状態なのか)がよく分からないので、同様に30回混ぜました。

レトルトの白米のようにもっちり感はなく、パサついていますが普通に食べられます。おかゆにしたらもっと粘度が高まり、パサパサ感が減るのかもしれません。

ただ白米は単体では食べにくく、もう一品が必要となるなので、非常用持ち出し袋に入れるのはやめました。

■味つきご飯はパサつき感を軽減してくれる

次に味つきの、尾西食品「松茸ごはん」とサタケ「ドライカレー」を試食。

松茸ごはんは、具に松茸と人参、ごぼう、油揚げが入ってしっかりと食感が残り、美味しく食べられます。しっとりとしているわけではありませんが、味がついているからか、ご飯自体のパサつき感が白米よりも軽減されてるように感じました。保存食として5年持って、この軽さと手軽さでこの味なら申し分ないと思います。

一方のドライカレーは、調味粉末が別についており、スパイスを入れてから湯を入れます。湯量が少なかったのか若干しょっぱかったものの、スパイスの香りを感じられました。具には玉ねぎ、いんげん、コーン、人参、パセリが、スパイスはターメリック、ガーリック、クミン、コリアンダーが入っています。

味が濃く、できあがり容量が260g(茶碗軽く2杯分)なので、1人で食べると飽きるかもしれません。

【次ページ】自分仕様の非常用持ち出し袋を作った

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