1万3750円でマイルドノイキャン&高音質!AVIOT「TE-D01m」は超高コスパモデルだ!

■ノイキャンの効果はマイルド

AVIOT初の完全ワイヤレスイヤホン「TE-D01m」。最新世代のSoC(System on a chip)を業界に先駆けて採用する製品開発を特徴としてきたブランドらしく、クアルコム社の最新SoC“QCC3040”を搭載。さらにBluetooth規格も最新のVer.5.2。そして最新コーデック“aptX Adaptive”や左右同時接続の新技術“Qualcomm TrueWireless Mirroring”を採用するなど、2020年の最新技術フルスペックで勝負する注目モデルです。

ハイスペックなイヤホンなのでイヤホン本体も大型かと思いきや、片耳あたりの重量はイヤーピース込みで6.8gと小型。背の低いデザインで、装着しても目立ちません。形状も日本人の耳に合わせて作られていて、浅いイヤーピースで耳の密閉感と遮音性を確保しています。ちなみに防水はIPX4なので雨濡れ程度はOKの防滴仕様です。

イヤーピースについては、今回はサンプルなのでサイズを変えてテストできませんでしたが、製品版ではS/M/Lと3サイズが付属します。

イヤホン本体の操作はタッチセンサー式になっていて、感度の作り込みもバッチリ。右イヤホン長押しでノイキャンON/OFF。左イヤホン長押しがアンビエントマイク(外音取り込み)ON/OFF、再生・停止操作はもちろん、トリプルタップで音量操作とひと通りの操作が可能。操作ガイダンス音声がすべて日本語という所もAVIOTらしいところです。

バッテリーはイヤホン本体で最大10時間再生、バッテリーケースを入れて合計50時間再生。再生時間の長さだけでなく、パンツのポケットにも入る充電ケースの小ささがいいですね。

そして注目は“マイルドANC”というユニークな呼び名のノイキャン。気になる効果のほどですが…、名前の通り効果はマイルド。実際にON/OFFを切り替えつつ効き目を確認すると、エアコン動作音のような高周波の耳につく尖るノイズは上手く低減しています。隣の部屋のテレビ音声も中域の尖りが弱まり、遠くから聞こえる感じに。

電車内のテストでも走行時の騒音をボリュームダウンしますが…重低音の騒音はあくまで一定の効果はあるという程度。イヤーピースをしっかり密閉するサイズに交換すれば騒音低減効果はより高まりそうです。

音途切れについては、“Qualcomm TrueWireless Mirroring”に正式対応する端末を用意できなかったので、iPhoneとの接続でテスト。都内を電車で移動したりターミナル駅で乗り換えたりしてみたのですが、音飛びはありませんでした。

さらに内蔵マイクは、米Knowles社の高品位マイクを4基搭載しています。ビデオ会議ソフトで通話してみると、声は低めの帯域から情報量を伴って聞こえるタイプ。騒音がある状態でも通話しても声以外はハッキリとは拾わず、通話ノイズキャンセルも効果アリ。アンビエントマイク(外音取り込み)の聴こえ方も強調感なく自然なので、イヤホンを装着したまま会話したり、テレビを見るくらいは問題ありません。

では音質をチェックしていきましょう。

iPhoneと組み合わせて僕の音質リファレンス曲である宇多田ヒカルの『あなた』を聴いてみると、一聴して気付く圧倒的な音情報の豊富さ。歌声のニュアンスまで繊細かつ滑らかで、楽器の音色も優しく尖らない美音系の高音質。低音は付帯音を押さえつつ、やや強めに出すバランス。BrunoMarsの『24K Magic』も持ち前の美音のお陰でボーカルは軽快。エフェクトや音の空間レイアウトまで今まで気付かなかった音が見えてきます。低音も音の狙いを捉えた軽快な鳴りで、リズムで上手く演出してくれます。

Android系は“aptX Adaptive”対応機種を用意できなかったのですが、GALAXYのaptX接続に切り替えると、音数の豊富さはそのままに、中高域から低音まで全体の解像感をアップ。aptXのサウンドも相変わらずキツさはなく、ストレートに情報量志向の高音質です。

*  *  *

ノイキャン性能こそ“ソコソコ”のAVIOT「TE-D01m」ですが、音楽を聴くイヤホンとしては高音質。音の素性の良さを活かすサウンドチューニングの巧みさが最高水準です。通話マイクは音質もノイズ低減も優秀だし、バッテリーもイヤホン単体で10時間再生。充電ケースも小型で合計50時間再生。これで1万3750円ならノイキャンなしでも勧めたい優等生。“マイルドANC”も一定レベルの効果はあると考えると、AVIOT「TE-D01m」は2020年の完全ワイヤレスイヤホン、コスパ最強モデルかも!

>> AVIOT「TE-D01m」

<取材・文/折原一也

折原一也|1979年生まれ。PC系出版社の編集職を経て、オーディオ・ビジュアルライター/AV評論家として専門誌、Web、雑誌などで取材・執筆。国内、海外イベント取材によるトレンド解説はもちろん、実機取材による高画質・高音質の評価も行う。2009年によりオーディオビジュアルアワード「VGP」審査員/ライフスタイル分科会副座長

 

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