【X5プラグインハイブリッド試乗】その走りはBMWの新時代を切り拓く

X5 xDrive40eは、(特にヨーロッパにおいて)年々厳しくなるCO2排出量制限(燃費規制)に対応すべく、BMWが送り出したモデルです。2リッターの直4ターボに、8速ATと一体化した電気モーターをプラス。モーターに電力を供給するバッテリーは、リチウムイオンタイプ(9kWh)を選択しています。

ラゲッジスペースの床下に収納されたバッテリーに充電することで、近距離ならばガソリンを使わず、つまり、ゼロエミッションのピュアEVとして走行可能です。条件が良ければ、速度は120km/hまでカバーし、航続距離は約31kmに達するとのこと。

もちろん、ガソリンエンジンを組み合わせて走ることができるので…といいますか、エンジン+モーターで駆動する“ハイブリッドモード”がこのクルマのデフォルトですので、バッテリー残量に脅かされることなく、ドライブを楽しむことができます。

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BMWがプラグインハイブリッドの開発・セールスに本腰を入れ始めた証として、先日、主力モデルたる「3シリーズ」にも、プラグインハイブリッドモデルの「330e」(554万円〜)が追加されました。

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こちらはX5 xDrive40eと同様の構造を持つシステムを搭載したモデルで、3シリーズの従来のハイブリッド仕様「アクティブハイブリッド3」に替わるモデルとなっています。

ではもう少し詳しく、BMWのプラグインハイブリッド機構“eDriveシステム”を見てみましょう。

X5 xDrive40eに積まれるパワーソースは、1997cc直列4気筒“ツインパワーターボ”エンジン(245馬力/35.7kg-m)。先に報告した“新世代モジュラーエンジン”になる前のパワーユニットですね。

とはいえ、シリンダー内に直接、燃料を噴射する“ダイレクトインジェクション”、吸排気両バルブの開閉タイミングを可変させる“ダブルVANOS”、吸気バルブの開き具合を制御して空気の流入量を直接コントロールする“バルブトロニック”などなど、バイエルン発動機=BMWならではのテクノロジーを満載しています。

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一方、最高出力75馬力、最大トルク25.5kg-mを発生するモーターは、8速ATと4気筒エンジンの間に置かれます。プラグインハイブリッドの前身ともいえるBMWのハイブリッド機構“アクティブハイブリッド”でもお馴染みだったコンポーネンツです。

気になるパフォーマンスですが、ガソリンエンジンとモーターを合わせたX5 xDrive40eのシステム出力は、313馬力と45.9kg-mを誇りますから、3リッター直6ターボ(306馬力/40.8kg-m)を搭載する“ピュア”なガソリン車「X5 xDrive35i」を、スペックの上では完全に凌いでいます。

 ■コネクターを挿すたびに新時代の到来を実感!?

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