軍幕デビューするなら何軍の幕がいい?【基本編】

■そもそも、軍幕ってどんな種類があるの?

軍幕(幕)は本当にたくさんの種類があります。私が所有しているだけでも、アメリカ軍、ロシア軍、ベルギー軍、東ドイツ軍、スウェーデン軍、ポーランド軍、と6種類もあります。

もちろん、これ以外の国の幕も存在します。すべての国の幕を把握しているわけではありませんが、軍幕の大まかな種類を、形状ごとに説明したいと思います。

ちなみに私が把握している軍幕の形状は、所有している幕で網羅できていると思うので、今回は私物の幕をベースに紹介していきます。

1. 正方形型

▲ロシア軍の4枚張り

正方形型で、私が所有しているのは東ドイツ軍とロシア軍です。

正方形の幕をフルクローズで張る場合は、最低3枚。または4枚必要です。
だだし、2枚でも工夫すれば、幕としての機能(夜露をしのぐ、ある程度の暖を確保できる)は十分に果たせます。

上の写真は東ドイツ軍3枚で1枚を跳ね上げているので、跳ね上げている部分を閉じれば、フルクローズになります。

このように張れば、前後は空いてますが、大雨でない限り寝られます。これは東ドイツ軍を2枚使用。

写真はロシア軍2枚使用。正方形型は、ティピー型に張ることも可能で、前は空いてますが、これも大雨でなければ寝られます。また、スペースは十分に確保でき、ローコットを入れて寝ることも可能です。

正方形幕の特徴は、色々な使い方ができ、幕の中でも拡張性が最も高いこと。

1枚でタープとして使う。2枚でノーフレーム型に張る。3枚でティピー型に張る。4枚でパップ型に張る。6枚、8枚と使用すれば巨大なテントが完成する。といった形で、本当に拡張性が高いです。

このように6枚で張ると、大型幕が出来上がります!

2. パップテント型

▲ベルギー軍の幕

所有しているパップテント型の幕は、アメリカ軍と、ベルギー軍です。

パップテント型をフルクローズで張る場合は、2枚必要になります。このタイプは拡張性はなく、2枚で完結するタイプの幕です。

パップ型の特徴は、雨に強いということ。

▲アメリカ軍のパップテント。跳ね上げた幕の下で十分に雨を凌げます

幕を1枚跳ね上げれば、雨のときも快適にキャンプすることが可能。ただし、軍幕の場合、新品を手に入れることが困難なので、“状態が良ければ”という条件が付きます。

私が所有しているベルギー軍のものは穴が空いているので、雨では使えませんが、アメリカ軍の幕はデスストックだったため、穴が空いておらず、生地も厚いので、雨に強く快適に使えます。

アメリカ軍パップテントをクローズするとこんな感じになります。

3. ティピー型

▲ポーランド軍の将校用テント

私が所有している幕は、ポーランド軍の将校が使っていたタイプ。通常、将校ではない兵士用はグリーンなのですが、将校用はネイビーとなっています。

三角形の底辺が丸みを帯びた、円錐形のような形の幕を2枚張るとテントになります。ポール1本でたてられ、ロープを使わなくていいので設営が楽です。

特徴は2枚でフルクローズに張ることができ、設営が簡単なこと、状況が悪くなければ、雨に強く、風にも強いです。ちなみに、風速15mでも朝まで濡れずに、飛ばされずに過ごせました。

ただし、雨の時は幕内に籠もらないといけないので、熱源を、焚き火以外のものにする必要が出てきます。熱源を使用する際は、換気には十分に気をつけてください。

この幕は2枚で完結していて、拡張性はありません。

4. 三角形型

▲スウェーデン軍の幕

この幕は三角形の幕4枚でフルクローズになり、3枚でも十分に快適に過ごすことが可能で、非常に居住空間が広いのが特徴です。ポール1本でロープを使わずにたてられるのもポイントです。

私は3枚しか持っていませんが、中にコットを入れてベットルームに、さらに全室をキッチンとして使える広さです。

さて、私が知る限りの、大まかな軍幕の形状の特徴の説明になります。

次回はいよいよ、「軍幕デビューするなら、どの幕がいいのか?」を解説していきたいと思います。

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(文・写真/RYU

RYU/横浜元町ミリタリーキャンパー

RYU/「不自由は自由だ!」をモットーに、不便さの中でいかに快適に過ごせるかを考え、キャンプをしております。 経験、スタイルを問わず、少しでも参考になる情報を発信して行きたいと思います。Instsgramアカウント:@ryu chikazawa、YouTubeアカウント:Ryu outdoor ch #不自由は自由だ #アウトドアをこじ開けよう「初代 @sotoshiru アンバサダー」「@tobuy_official インフルエンサー」

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