個性際立つ「レンジローバースポーツ」の3代目はレンジローバーにはない俊敏なドライブを楽しめる

■他のブランドではマネできないデザイン

▲ボディに突起を極力つけないフラッシュサーフェス化がおおきな特徴

レンジローバースポーツは、あのレンジローバーとは別もの。車名のとおり、走りをより積極的に楽しませてくれるモデルです。初代は2005年に発表され、現在は3代目。

ボディに突起をなるべくつけない「リダクショニズム」というコンセプトは。レンジローバーと共通ですが、ボディスタイルにおいてはしっかりキャラクターがたってます。

薄めのキャビンや、クーペ的とレンジローバー自身が表現する、後ろにいくにしたがってすぼまっていくようなプロファイル(ボディの輪郭)などが目を惹きます。

内装のデザインも、レンジローバーと同様。異素材をうまく組み合わせながら、それでいてシンプルな美しさが表現されています。

ほかのブランドではマネできないデザイン。デザインを統括するサー・ジェリー・マッガバーンが胸を張るのも、むべなるかなです。

▲感触がよく見た目が美しいインテリアも大きな魅力

▲本革を極力使用しない方針で採用された「ウルトラファブリック」張りのシートは30%軽量化され座り心地も良好

▲液晶であることを活かして薄く造型したメーターパネルもシンプルなインテリアにひと役買っている

▲空調やオーディオのコントローラーは物理的なもので操作性にすぐれる

▲カーボンファイバーの集積材で作ったというドアパネルは美しい

■加速はスムーズで、レンジローバーにはない敏捷さ

今回試乗したのは、3リッター直列6気筒ディーゼルエンジンモデル。電気モーターで発進時や加速時にトルクを上乗せするマイルドハイブリッドシステムの組合せです。

加速性は、あらゆる状況でスムーズ。全長4946mm、全高1820mmの車体を、なんのかったるさもなく、走らせることが可能です。

同じエンジン搭載のレンジローバーとちょっと違うなと感じるのは、こちらスポーツのほうが、より積極的に運転を楽しませてくれる設定であること。

▲タイヤハウス内にも集音マイクをつけるなどしてノイズキャンセリングシステムと連動させている

▲運動性能と快適性を両立させた「スイッチャブルボリューム」エアサスペンション搭載

エアサスペンションであるのは共通ですが、設定は専用。やや硬めに感じられます。

その分というか、ステアリングホイールを切ったときの車体の動きはより敏捷な印象。さきに触れたとおり、余裕あるサイズの車体ですが、すいっと気持ちよく向きを変えます。

カーブを曲がるとき、車体のロールはやや大きめ。SUVですから。ただしそれでも、車体が過大に傾くようなことはなく、慣れれば独自の感覚としてけっこう楽しめます。

もっとスポーティなドライブをというひとに向けて「ストーマ-ハンドリングパック」という、電子制御スタイビライザーなどを含めたオプションパッケージも用意されるとのこと。

▲48ボルトの電子制御アクティブロールコントロールシステムが4輪のトルク配分とともに車体のロールを制御

本国での生産がなかなか思うように進まず、世界中のマーケットで取り合いになっているレンジローバースポーツ。いまは思うようなオプションパッケージが入手しにくいそうです。

日本には、加えて3リッター直列6気筒ガソリンモデルの導入も計画されているといいますが、こちらもなかなか思うように輸入されないと、ランドローバージャパンは嘆いています。

でももし今回のディーゼルモデルが手に入れられるなら、十分楽しめるはず。ラインナップは1068万円の「S」にはじまり、もっともぜいたくな「オートバイオグラフィ」の1457万円まで。

【Specifications】
Land Rover Range Rover Sport D300 Autobiography
全長×全幅×全高:4960x2005x1820mm
ホイールベース:2995mm
車重:2450kg
エンジン:2993cc 直列6気筒ディーゼル(マイルドハイブリッド)
駆動:AWD
出力:221kW@4000rpm
トルク:650Nm@1500~2500rpm
変速機:8段オートマチック
燃費:11.3km@l
価格:1457万円

>> ランドローバー レンジローバースポーツ

 

<文/小川フミオ>

オガワ・フミオ|自動車雑誌、グルメ誌、ライフスタイル誌の編集長を歴任。現在フリーランスのジャーナリストとして、自動車を中心にさまざまな分野の事柄について、幅広いメディアで執筆中

 

 

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