ブツブツ喋ればきれいなメモが完成。「AIボイスレコーダー」2モデルを実機で比較。オススメの使い方も

■アプリの使用感に大きな差はなし

「Plaud NotePin S」や「SwitchBot AIマインドクリップ」は、ペアリング時に使用するスマートフォン側の専用アプリを起動すると、自動で録音データを同期する仕組みになっています。どちらもWi-Fi Drirectのような、デバイス同士で高速通信する機能もサポートしているので、1時間を超えるような録音データを移す際にもさほど時間はかかりません。

また、録音データの扱い方については、細かい差はあるとはいえ、基本的な部分は共通しています。

アプリでの操作を理解するうえで押さえておきたいポイントは、(1)複数音源を統合して処理できることや、(2)単なる文字起こしの確認だけでなく、要約やTo Doリストでの表示が可能なことです。言語モデルや出力用のテンプレートはアプリ内から選択できます。

iOS版「Plaud」アプリの画面イメージ

▲iOS版「Plaud」アプリの画面イメージ。複数の音源をまとめて処理するための「結合」機能(左)は活用時に必須となるだろう。また、インフォグラフィカルに情報を処理できるのも大きなメリットだ(右)。右画面の下側にある「Ask Plaud」からチャットにプロンプトを入力できる

特筆すべきは、Plaudのアプリ内の生成AIチャット機能「Ask Plaud」を使うことで、インフォグラフィックも生成できること。用途によっては、視覚的に情報をまとめるうえで、強力なツールとなるでしょう。

iOS版の「AI MindClip」アプリの画面イメージ

▲iOS版の「AI MindClip」アプリの画面イメージ。こちらも「結合」機能(左)と、生成AIチャット機能(右)を備えていて、基本構造はそっくりだ。ただし、インフォグラフィックの生成機能はない

 

■気に入った使い方

口頭で記録を取るのは、最初の数回は難しく感じるはずです。言うなれば、慣れないキーボードでタイピングするような感覚ですね。ただ、慣れてくれば友達に喋るような口調でブツブツ喋っているだけでメモが完成するようになります。

実際に「Plaud NotePin S」と「SwitchBot AIマインドクリップ」をいろいろと使ってみて、特に相性が良いと感じた用途は、(1)情報やアイデアの整理と、(2)語学学習でした。

インフォグラフィックでまとめたイメージ

▲Plaudに本原稿のこのパラグラフを読み上げて、インフォグラフィックでまとめてもらった

まず、調べ物をするときには、スマホ片手にブラウジングしながら必要な情報を口で読み上げていくことで、ある程度のメモが完成します。

例えば、在宅勤務の筆者の場合には、プレスリリースの一覧を見ながら、気になった製品について読み上げ確認をしていくことで、原稿の企画案のベースが整えられるというわけです。

同様に、勉強をするときに、テキストを眺めながら重要なポイントを口頭で読み上げれば、復習用のノートが完成。そこからAIに設問を用意してもらうのもよいかもしれません。

もっとカジュアルに使うならば、冷蔵庫を開けながら「牛乳がもうないね、あー、あとわさびのチューブもそろそろ買わなきゃ…」みたいに話すことで、買い物リストが完成します。

Web版アプリの画面イメージ

▲Plaud、SwitchBotともに、PCブラウザ版のアプリが用意されている。スマホアプリで同期だけしておき、情報をまとめるのはPCから行うのもありだ(画像はブラウザ版Plaudの画面イメージ)

そして、語学勉強という点では、日常生活で気になった対象や言いたい内容などを口頭でメモしておく使い方が便利でした。

例えば、散歩をしたり家事をしたりしながら「これ英語で何て言えば良いんだろう?」と目に留まった対象を日本語で記録するわけです。「ススキがたくさん生えているな」「お、マツムシが鳴いている」「あー、寝る前に洗い物すませなきゃ」とか日本語で記録します。

あとは文字起こしした内容をChatGPTとかGeminiに投げれば、覚えるべき単語やフレーズをゲットできるという算段です。実際に目にしたもの・体験したものを題材にできるので、記憶にも残りやすくなります。

ちなみに、この記事の下原稿は、夕食を作りながらぶつぶつと声を出して、SwitchBot AIマインドクリップに読み込ませて作りました。筆者のように取材のメモや原稿に使う機会がある方ならば、かなり重宝すると思いますよ。

もちろん、機密情報が関係する場面では取り扱いに気をつけなければいけませんので、ビジネスシーンで使う場合には、会社で定められているレギュレーションや機密情報の取り扱いについて十分に注意してください。

*  *  *

Plaud NotePin SとSwitchBot AIマインドクリップをそれぞれをじっくり使ってみて思ったのは、この手のデバイスは、アプリの使い勝手や文字起こしの精度うんぬんというよりも、「装着方法」「録音開始・停止ボタンの操作性」「充電端子」など、ハードウエア面の差において、好みが分かれやすいだろうということでした。

例えば利用するのがビジネスシーン中心になるならば、スーツに合わせやすいデザインのSwitchBot AIマインドクリップが魅力的に感じるでしょう。USB Type-Cで充電できることも、うっかり充電が切れそうなときに臨機応変に対応できます。オン・オフのスイッチはやや扱いづらいですが、会議やインタビューといったオン・オフ操作の頻度が少ない活用シーンが、組織の規則上許されるのであれば、ぴったりな選択肢となると思います。

一方で、ビジネスシーンだけでなく、日常用途にも活用の場を広げるならば、筆者としてはPlaud NotePin Sの方がおすすめ。スーツシーンで使えるのはもちろん、ネックレスやリストバンド型にすれば、部屋着でも使いやすいです。うっかりそのまま洗濯してしまうという事態も避けやすいはずです。

「Plaud NotePin S」と「SwitchBot AI マインドクリップ」

▲こうした使い方をスマホでやろうとすると、片手が塞がり、画面を見ていないといけなくなる。AIボイスレコーダーがあれば、完全に“手”が空き、歩いたり、家事をしたりしながら、ある意味“脳だけ”で作業を進められる感覚になる

ちなみに、筆者はAIレコーダー2台持ちの体制が気にいってしまいました。ひとつ(SwitchBot AIマインドクリップ)は仕事の情報整理とアイデア出し、下原稿のための雑記帳的に活用しています。もうひとつ(Plaud NotePin S)は英語学習のためのメモ帳として使っている状況です。

ヘビーユーズしつつ、小分けに録音していると、だんだんメモの整理が大変になってくるので、開くアプリによって用途が分かれているとユーザー側の処理がラクなんですよね(もちろん、日付け単位などですべてのファイルを統合させて、AI側に一括で整理させるという手もありますが…)。

皆さんだったら、どんな感じで使いますか?

>> Plaud

>> SwitchBot

<取材・文/井上晃>

 

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