約30年ぶりに登場した並列4気筒フルカウル「CBR400Rフォア」はレーサーレプリカ世代にも刺さる乗り味でした

ホンダの400ccクラスでは久々の4気筒エンジンを搭載したフルカウルモデルとして登場した「CBR400Rフォア Eクラッチ」。

「CBR」シリーズとしては、1994年モデルとしてマイナーチェンジし登場したのを最後に姿を消したレーサーレプリカ「CBR400RR」以来の4気筒マシンとなります。

▲1994年式「CBR400RR」

新型「CBR400Rフォア Eクラッチ」は、かつてのレーサーレプリカとは一線を画した近未来的なルックスに仕上がっていますが、実際に乗ってみると現代のスーパースポーツとは一味違った乗り味が感じられました。レーサーレプリカに熱くなっていた世代のライダーにもおすすめできるフィーリングです。

 

■時代を先取るマシンとしてマルチに使えた

新型の「CBR400Rフォア Eクラッチ」は直線的に金属を切り出したようなソリッド感のあるデザインを採用しています。従来のフルカウルモデルにはなかったような近未来感のあるルックスですが、思い起こしてみると1986年に登場した初代の「CBR400R」も近未来的な雰囲気に仕上がっていました。

▲1986年式「CBR400R」

レーサーレプリカの勃興期と言える時期に登場したマシンですが、フレームまでカバーするカウルをまとったエアロデザインを採用。レースマシンのデザインを模したというよりは、未来を感じさせるシルエットでした。水冷4気筒のエンジンはカムギアトレーンを採用した高性能なものでしたが、ハンドル位置も低過ぎず街乗りやツーリングなどマルチに使えるマシンだったといえます。

▲1988年式「CBR400RR」

その後は1988年発売の「CBR400RR」に道を譲ることになりますが、この後継モデルは一転してレーサーレプリカの王道的なデザインに。最高出力を1万3000rpmで発揮する高回転型エンジンを搭載していましたが、シート高は750mmと低めで見た目の割にツーリングもこなせるマシンでした。

このクラスで「CBR」の名が復活するのは2013年のこと。

▲2013年式「CBR400R」

シリーズのフラッグシップである「CBR1000RR」のイメージを受け継いだフルカウルマシンでしたが、エンジンは2気筒でハンドルはセパレートタイプながらアップライトなライディングポジションとなっていました。この「CBR400R」はマイナーチェンジを加えながら現在までラインナップされていて、現行の2026年モデルからは「Eクラッチ」を標準装備しています。

▲2026年式「CBR400R Eクラッチ」

 

■新設計のエンジンにEクラッチを搭載

長らく400ccクラスの「CBR」には4気筒モデルがない状態が続いていましたが、「CBR400Rフォア Eクラッチ」の登場でついにその状態にも終止符が打たれました。

待望の4気筒エンジンは30年以上の時を経て新設計されたもの。最高出力は58PS/11500rpm、最大トルクは38Nm/9750rpmを発生します。当時の自主規制値上限だった59PSを発揮していた初代「CBR400RR」にはかなわないものの、最終型は自主規制値が変更され53PSになっていたので、それに比べればパワフル。何よりも、今の時代に完全新設計の4気筒エンジンが登場したことは喜ばしいニュースです。

このエンジンは「Eクラッチ」機構が一体設計とされているのも特徴。

「Eクラッチ」とは、クラッチレバーを操作しなくても発進・停止・変速ができるもので、最近のホンダ車で採用が進んでいます。これまでは既存のエンジンに後付けされていましたが、このエンジンでは一体とすることで省スペース化を実現。

また、ユニットの取り付け位置が従来の右側から左側となったことで、マフラーのある右側との重量バランスを整えることにも一役買っています。

同時に発売された「CB400スーパーフォア Eクラッチ」と基本的には同じエンジンですが、給排気系には違いがあり、こちらには走行風をエアクリーナーに導くツインラムエアダクトが採用されています。

マフラーも専用設計で、よりカチ上げられた形状となっていてバンク角を確保するとともに、レーシーなイメージとなっています。

足回りはフロントにKYB製の倒立フォークと、リアのプロリンク式モノショックの組み合わせ。フロントブレーキにはラジアルマウント式のキャリパーをダブルで装着しています。かつての「CBR400RR」は最終型まで正立式のフロントフォークでしたから、足回りはかなり現代的に進化している印象です。

 

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