【比べてみた】キャンプやフェスに「とにかく軽い」アウトドアチェア5選

まずは大きさをチェック

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写真下左から
(1)ラフマ「マイクロポップアップ」
(2)ヘリノックス「チェアワン」
(3)エーライト「メイフライチェア2.0」
(4)エーライト「マンティスチェア2.0」
(5)サーマレスト「トレオチェア」
・500mlペットボトル
構造上どうしても大きくなってしまうラフマの「マイクロポップアップ」以外は、どれもかなりコンパクトです。これなら小さめのデイパックにも余裕で入るぐらい小さい。こんな小さなモノが、本当にリラックスできるチェアに変身してくれるのでしょうか?

(1)ラフマ「マイクロポップアップ」
8208円
ワールド
サイズ:W540×H590×D460mm
収納サイズ:Φ9×H730mm
重量:1300g
座面高:240mm
耐荷重:-
カラー:3色

1930年フランスで創業した老舗アウトドアブランドのラフマ。ザックからスタートしたブランドですが、アウトドアファニチャーの歴史も古く、1954年には折りたたみチェアを開発しています。

そんな老舗が作るコンパクトチェアは、実は大きめの「マキシポップアップ」が基になっています。ポップアップという名前からも分かるように、たたんで収納するタイプではありません。

他のコンパクトチェアと比べると収納サイズは大きめですが、組み立てる手間もいらず、リラックス方向に振ったモノになっているので、オートキャンプには最適です。

複雑なようでいて、実は本当にシンプルな構造。すぼまった状態から広げるだけで、椅子に早変わりです。四隅からそれぞれ2本ずつポールが出て支えるので、安定感も抜群です。

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サイズはコンパクトなので、前側の余裕はあまりないのですが、十分リラックスできます(モデルの身長は172cm)。

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座面は全面メッシュ! 夏場にはうれしい快適さです。生地も厚いモノが使われているので、故障する心配もない点もうれしいですね。


(2)ヘリノックス「チェアワン」
1万260円
ヘリノックス
サイズ:W520×H660×D500mm
収納サイズ:W350×H120×D100mm
重量:890g(スタッフバッグ込みで960g)
座面高:340mm
耐荷重:145kg
カラー:5色

アウトドア業界にコンパクトチェア旋風を巻き起こしたヘリノックスのフラッグシップチェア。1988年に創業し、高強度なアルミポールを世界中のアウトドアブランドに供給していたDAC社が、その技術を生かし立ち上げたアウトドアファニチャーブランドがヘリノックス。

優れた強度と柔軟性と併せ持つアルミは、軽さと強度が重要なアウトドアチェアに最適です。見た目に反してかなり頑丈なので、大柄な人でも問題なく座れちゃいますよ。

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スタッフバッグ(収納袋)を開けると、中にはシート部分とフレームとなるポールが折り畳まれて入っています。ポールには、テントのそれと同様に中にゴムが通っていて、バラバラになることはありません。スタッフバッグ自体はファスナーで大きく開くので、実は片付けるときにすごくラクなんです。これもポイントが高いかも。

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組み立てはあっという間に終了。製造の精度が高いので、気持ちいいぐらいにスポスポとはまってくれます。

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最後にシート生地の四隅に付いたポケットにポールを差し込んでいけば完成。テンションを掛ける際に少し力が必要ですが、慣れれば子どもでもできるぐらい簡単です。シート背面上部と側面の一部はメッシュになっていて通気性もあり、夏でもムレムレにならない点も助かります。

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座るとお尻がスッポリ収まりいい具合。腿が当たる部分にはフレームがないので、脚をまっすぐ伸ばすこともできます。背もたれはけっこう広く、適度な傾き具合なので、首もしんどくなく、ぶっちゃけ寝られます。

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スタッフバッグは面ファスナーでポールを巻けるような仕組みになっていて、小物入れにも使えます。


(3)エーライト「メイフライチェア2.0」
1万5660円
ゴールドウイン
サイズ:W520×H514×D381mm
収納サイズ:W108×H292×D108mm
重量:720g
座面高:51mm
耐荷重:113.4kg
カラー:5色

4本脚で安定感のある「マンティスチェア」と、二点で支えることでロッキングチェアのような使い方ができる「モナークチェア」という、エーライトを代表するふたつのチェアの良いとこ取りをしたのが「メイフライチェア」です。座面高が51mmと、かなりのロータイプになりますが、これがリラックスするのに良い影響を与えてくれます。

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ポールは前脚部分とそれ以外のふたつに分かれています。組み立てのときは、その部分だけちょっと戸惑ってしまいました。

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前脚、後ろ脚ともに、横長のバータイプになっています(厳密には後ろ脚はジョイント部分の「点」で支えます)。体重の掛かる四隅から地面までは1本なので、安定感と安心感があります。

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座るとギリギリ地面にお尻が着かないぐらい。本当に低い。しかも、あぐらもかけます。座椅子感はあるのに、地面に着いていないから、快適。立ち上がるのは少し大変ですが、気持ち良さはとにかく抜群です。

 

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ちょっと後ろに体重を掛けると、前脚部分が浮いてロッキングチェアのような動きをしてくれます。ずっと同じ姿勢ではなく、たまにユラユラできるのはありがたい。ちなみに、前脚部分は外しても使えます。純粋なロッキングチェアとして使いたいなら、前脚なしバージョンをどうぞ。


(4)エーライト「マンティスチェア2.0」
1万7820円
ゴールドウイン
サイズ:W546×H737×D559mm
収納サイズ:W140×H260×D260mm
重量:810g
座面高:203mm
耐荷重:113.4kg
カラー:5色

2008年にサンフランシスコで誕生したエーライト。出掛ける機会の少ない都会の人々が、“どこでも気軽にアウトドアを楽しめるように”をコンセプトに、デザイン性に優れた色鮮やかなプロダクトを数々生み出してきました。中でもコンパクトチェアは得意分野で、さまざまなバリエーションがあり、「マンティスチェア2.0」は4本脚を持つ最も人気があるタイプ。

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実はこの「マンティスチェア2.0」、かなり背面部分がタテにも横にも大きく、その分フレームも長くなるんですが、ポールは細かく分割されていて、収納時にはかなりコンパクト。とにかく長さが短くなるところがうれしい。

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最も負荷が掛かるポールを差し込む四隅は、念入りに補強されています。いくら耐荷重以内とはいえ、使い続けていくとどうしても弱くなってしまうところなので、耐久性という意味でも重要です。ポールのジョイント部分から下が短く、座面が低いのもポイント。

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見た目以上に包まれた感じがする座り心地。脚が短い分、より地面の近くまでお尻が下がるので、ちょっとハンモックにも近いような感覚も。また脚の短さは安定感にもつながっています。

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背面の広さがこのチェアの最大の特長です。高さもあり、余裕たっぷり。


(5)サーマレスト「トレオチェア」
1万4580円
モチヅキ
サイズ:W510×H690mm
収納サイズ:Φ11×D260mm
重量:998g
座面高:330mm
耐荷重:約110kg
カラー:5色

アウトドア用マットレスのトップブランドとして有名なサーマレストですが、実は今までもコットや座椅子などアウトドアファニチャーはいくつか作っていました。そんなサーマレストが満を持して送り出したのが、この「トレオチェア」です。特長はなんといっても、ABS樹脂(プラスティック)製の脚にもなるケース。

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ケースは、このようにパカッと3つに分かれて開きます。中には座面とポールをスッポリ入れられます。こういうギミック、アウトドアらしくて大好物です。

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広げた脚部分にフレームを挿し込みます。ストレートのポール4本を、分割されたケースの穴に挿す形です。前側2本は短めで、挿す位置に注意していれば、考えるまでもなくあっという間にできます。

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これが完成形。結構な高さになります。収納サイズが最小な分、どうしてもチェア全体としての長さが短めになってしまいますが、ケースを脚に利用するという発想は、アウトドアギアらしくていいですね。

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座面が高く、椅子に近い感じの座り心地です。背は立ち気味。前側が中央に脚ひとつなので、前に傾けられず、何かモノを取ろうとするときに戸惑いますが、それ以外はリラックスできます。ちなみに後ろへはラクラク傾けられます。

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最大の利点は、やはり携帯性。長さがないので、グレゴリーのボディバッグ「テールメイト」にもスッポリ入っちゃいます。広大なフェス会場で、ステージ移動するときに活躍してくれそう。


最後に、真横から見た写真を比べてみました。パッと見、同じように見えても、意外と違いはあるものです。地面からの高さや、背もたれの角度など、それぞれの特長がよく分かります。

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ただ、これはすべてのチェアに言えることなのですが、どれも見た目以上に安定感はあるんですよ。数時間なら余裕で座っていられます。なんなら寝られます。

アウトドアでは、背もたれがあるという環境は意外に少ないもの。キャンプ場の好きな場所でリラックスするとき、フェス会場で休憩するとき、近所の公園でゆっくり読書するとき、人気イベントの開場待ち行列に並んでいるとき……。コンパクトなチェアを持っているだけで、かなりラクなのは間違いないです。

そうそう、選ぶときはできるだけ実際に座ってみてからにしてください。体格や、リラックスできる姿勢が取れるかは、人によってかなり違ってきます。一度体験して、自分好みのチェアを探してみましょう。

(取材・撮影・文/エンドウヒデカズ)

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