ミニバンブームに風穴を開ける(はずだった)前席3人掛けの乗用車3選

乗用車のシートレイアウトは、軽自動車や3列シートのミニバンなどを除けば、フロント2名、リア3名という配列がほとんど。ところがフロントもリアも3名という「3×2レイアウト」を採用したクルマもあったんです。

「え、ヒジ掛けは? シフトレバーは? どんな配置になってんの?」と気になる方もいらっしゃるでしょうが、それはおいおい説明させていただくとして、そんな世にも珍しい3×2レイアウトを採用した3モデルをご紹介します。

 

1. ミニバンの“新しいカタチ”を提案!ホンダ「エディックス」

まずは一番新しいモデルからいきましょう。といっても2004年なのでだいぶ前になりますが、2004年に登場したホンダのエディックスです。

▲エクステリアはなかなか獰猛なフォルムで、ヘッドライトを中心とした顔つきはシャープな印象

比較的新しいということもあり、「あったねー、エディックス」とご存じの方も多いと思いますが、意外とフロントシートが3座だったことまでは知られていないんですよね。ホンダはこの3座×2列の組み合わせを、子育て世代に支持されているミニバンの“新しいカタチ”として世に送り出したのです。

▲シートはぞれぞれ独立しているため、ベンチタイプに比べ座り心地は良好

さかのぼること1990年台半ば~2000年代半ばは、トヨタのノア/ヴォクシー、日産 セレナ、ホンダ ステップワゴンに代表される5ナンバーサイズの箱型ミニバンが大人気。「子供が生まれたらミニバン」が合言葉のような状況でした。

しかしその一方で、「四角い“商用バン感”がイヤ」とか「生活感出まくりでイヤ」「まわりと一緒はイヤ」といったアンチ派がいたのもまた事実。そんな人たちをターゲットに、スライドドアじゃないし3列シートでもないけれど、ファミリーカーとしてオススメですよ、と提案したのがエディックスだったというわけです。

▲センターシートに子ども、両サイドに親というレイアウトが定番。各シートが単独でスライドできるため肩が当たることもなく、子どもの世話もしやい!

筆者は過去に1週間ほどこのクルマを日常的に使用したことがありますが、この手のレイアウトは「ドライバーがさみしくない」ことも大きなメリットだと思います。

しかしこのエディックス、残念ながら2009年に生産中止となってしまったので販売的には成功とは言えません。しかしアンチミニバン派からはそれなりに支持され、他車と比較競合することなくエディックスの指名買いという人も少なくなかったそうで、もう一代続いていたらまた状況は変わっていたのかもしれません。

 

【次ページ】3×2レイアウトは、日産やイタリアのフィアットにも!

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