ULキャンパー御用達!世界が認めるエバニュー「チタンクッカー」が定番となった理由

「ブランドスタート以来、弊社は“山屋のための道具”をベースに開発を続けています」と話すのは、開発の多くに携わるエバニューの仲さん。自身も登山をライフワークとし、週末ごとに山に出かけているそう。

「基本はザックにパッキングして、ザックを背負っていきますから、軽いに越したことはありませんよね。他の素材のクッカーに比べて、『チタンクッカー』は圧倒的に軽量です。エバニューのクッカーが、ULハイカーやULキャンパーの皆さんにも評価頂けている大きな理由のひとつだと考えています」

▲スタッキングももちろん可能。軽いからこそ複数のクッカーの持ち運びも容易

このキャンプブームで、ULキャンプがスタイルとして定着してきた中、このチタン製クッカーの特性が合致。多くのULキャンパーたちに注目されるようになりました。

登山シーンにおいては2005年に、アメリカを代表するアウトドア誌『バックパッカーズマガジン』のエディターズチョイスに「チタンクッカー」が選出されたことで一躍に人気クッカーに。

▲人気の「Ti 400FD Cup」(2420円)は低山ハイクでのコーヒーブレイクにもちょうどいい

また、2000年代にアメリカで“ULハイキング”カルチャーが誕生し、エバニューの「チタンクッカー」といえばULハイカーギア!というイメージがついたのもこの頃。

ULカルチャーが爆発的に広まっていったのが2010年ごろですから、日本のアウトドアブランドが世界のアウトドア文化を広める一助になったというのは、なんというか誇らしく感じます。

 

■江戸時代から連綿と受け継がれる技術が生み出す高い品質

数あるチタン製クッカーの中でもエバニュー製品を選ぶユーザーたちが口を揃えて言うのは、その品質の高さ。

国内製造の純チタンを使用し、開発時から変わらず新潟県燕市で生産。その仕上がりの良さ、クオリティの高さは、利便性はもちろんのこと、所有欲もしっかり満たしてくれます。ジャパンメイド、ジャパンクオリティ、アツいですよね。

▲チタン特有の質感もまた、“ギア”感があって良い

ただ、この高品質なクッカーを世に送り出すまで、試行錯誤の連続だったといいます。

「我々が目指したのは高価な一点ものではなく、“高品質”かつ“安定生産”が可能なチタン製クッカーでした。そのためには“プレス”での生産が絶対条件。ですが、チタンは非常に硬度の高く伸びにくい素材で、従来のプレス技法ではクラック(割れ)が発生しやすく、安定生産からは程遠い素材でした」

一般的に、金属加工の方法としては、“へらしぼり”と“プレス”の2種類があります。

“へらしぼり”は、高速回転させた金属板にヘラを当てて成形する方法で、職人の技術によりひとつひとつ手作業で行っていきます。これはまさに職人芸とも言える技法なのですが、それゆえに安定した生産や品質のキープが難しいという特徴があります。

▲このクッカー底、曲面の美しさ。これを“プレス”で実現したのがすごい

一方で“プレス”は一枚の金属板に金型を押し当て、名前の通りプレスをすることで成形する加工技術。へらしぼりに比べて、加工速度が早く、品質も安定しやすい特徴から、大量生産を可能にする技法です。

「“へらしぼり”を使えば、クッカーを作ることは技術的には可能でしたが、1点5万円の高価なワンオフ品になってしまいます。それでは広くたくさんの方に使って頂けません。そこで、創業時からお付き合いのある職人たちに声をかけて、チタンクッカーのためのプレス技術の開発をスタートしたんです」

あまりにも失敗が続き「採算が合わないが良いのか」と職人から話があったことも。それでも諦めたくないと開発を続けたのだそうです。職人たちがその熱意に応えるように、これまでに蓄積された金属加工のノウハウと技術をすべて出し切り、ようやく完成にこぎつけました。

▲2024年で創業100周年のエバニュー。日本の登山シーンを初期から支え続ける

「職人のみなさんはとにかく頑固者ばかりで、技術も仕上がりも妥協はできない。弊社としてもユーザーの命を預かるアイテムですから、譲れない。ですので、開発に至るまで職人さんたちと何度もぶつかりあったと聞いています」

 

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