絶版から15年!孤高のスポーツカー「RX-7」を振り返る

■サバンナ(1971年)~ハコスカGT-Rを撃沈した伝説のロータリーモデル

RX-7を振り返るとき、サバンナを外すことはできません。マツダが量産に成功したロータリーエンジンを搭載したコスモスポーツ。文字通り宇宙船のような流麗なクーペでトヨタ2000GTと並び大きな注目を集めましたが、価格も高く、一般人はとても手が出せるものではありませんでした。資料によるとコスモスポーツの販売台数は1176台。これではロータリーエンジンの莫大な開発費用を回収することができません。そこでマツダはロータリーエンジンをファミリアやルーチェ、カペラなど、他の車種にも搭載していきます。サバンナもそのひとつです。

サバンナはセダンとクーペがラインナップされ、後にスポーツワゴンも追加されました。搭載されたロータリーエンジンは10A型。コスモスポーツに搭載され、その後量産性を高めてファミリアロータリークーペに搭載されたものです。サバンナクーペのエンジンは最高出力105ps/7000rpm、最大トルクは13.7kg-m/3500でした。

サバンナはデビュー後1カ月で5406台を受注。そのとき下取りされたクルマの半数以上がマツダ以外だったと言います。

1973年のマイナーチェンジで低公害仕様である12A型エンジンを搭載したモデルをラインナップに加えます。

そしてサバンナを語る上で忘れてはならないのがレースシーンでの活躍です。1971年のデビューと同時にツーリングカーレースに参戦。12月12日に富士スピードウェイで行われた500マイル耐久レース「第6回富士ツーリストトロフィーレース」では加茂進/増田建基がドライブする15号車が5時間6分8秒88(周回数133周)で優勝。スカイラインGT-Rの50連勝を阻止したのです。翌年以降もレースシーンで活躍し、1976年には単一車種でレース通算100勝を挙げました。

 

■初代サバンナRX-7(1978年)~リトラクタブルライトを採用した和製スーパーカー

サバンナの後継モデルとなる初代サバンナRX-7(SA22C)。サバンナはセダンやワゴンもラインナップされていましたが、SA22Cは流麗なクーペモデルとして登場しました。コンパクトなロータリーエンジンだからこそ実現できた低いボンネット。フロントライトはリトラクタブルなので、低さがより際立ちます。リアのガラスハッチも官能的。このスタイリングに若者はもちろん、年配者や子供たちも熱狂しました。

もちろんこのスタイリングは見せかけのものではありません。SA22Cはエンジンを前輪車軸の後ろ側に載せるフロントミッドシップを採用。これにより、空力に優れたボディ形状(Cd値0.36)を実現したのです。ちなみに前後重量配分は50.7:49.3となっていました。

搭載エンジンは直列2ローターの12A型ロータリー。最高出力は130ps/7000rpm、最大トルクは16.5kg-m/4000rpm。マツダが公表したSA22Cの加速性能は、0→400mが15.8秒、0→100km/hが8.6秒。当時は排ガス規制が厳しくなり、各メーカーが懸命に規制クリアに取り組んでいた時代。規制クリアのために馬力を落とすモデルも多かったといいます。SA22Cの加速力は、昭和53年排ガス規制をクリアしたエンジンとしては驚異的なものでした。

1982年のマイナーチェンジでは、NA以外にターボエンジンもラインナップに加わります。このエンジンの最高出力は165ps。数値的には2Lクラスのエンジンとそれほど差がありませんが、軽量・コンパクトなSA22Cターボモデルのパワーウェイトレシオは6.18kg/ps(NAは7.58kg/ps)に達しました。

【次ページ】2代目サバンナRX-7(1985年)通称“FC”

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