【クルマ初モノ図鑑⑤】ボディー&シャシーPart1~スライドドア、サンルーフ他

■ダットサンキャブライト(1964年) -日本で初めてスライドドアを採用

ミニバン、軽自動車、小型車でも今やスライドドアは当たり前。狭い場所でも乗り降りしやすい、駐車場で隣のクルマにドアをぶつける心配がないなどの理由で子育て世代にとってはクルマ選びのマストアイテムといっても過言ではないほど。

そんなスライドドアを日本で初めて採用したのがキャブライト。キャブライトはダットサンブランドから発売されていた小型トラックですが、1964年に登場した3代目のバンモデルにスライドドアが初採用されました。

ボディ剛性の問題などもあり、当時のスライドドアは助手席ドアの後ろのみでしたが、それでも利便性はかなりのものだったはず。その後登場するマツダボンゴ('66年)、トヨタハイエース('67年)などのキャブオーバータイプの1BOX車が相次いでスライドドアを採用。スライドドアは広く普及しました。

 

■ホンダN360(1968年) -サンルーフを国産メーカーで初採用

1967年3月に登場したN360はエポックメイキングな軽自動車でした。駆動方式をFFにし、タイヤを可能な限りボディ4隅に配置したことで、3mを切る全長ながら後部座席にも大人が2人余裕で座れる室内空間を確保。そして最高出力31psという当時の軽自動車としてはかなりハイパワーな空冷2気筒エンジンを搭載しました(ちなみに同時期にデビューしたスズキフロンテは25ps、ダイハツフェローは29ps)。さらに'68年にはATモデルもラインナップに加えています。

そして'68年6月には日本初のサンルーフを設定したN360<サンルーフ>を発売しました。このサンルーフ、いわゆるソフトトップで手動式なのですが、開口寸法が710mm×705mmとかなり広く、前席はもちろん後席の頭上まで開放されるものでした。しかも全開/全閉のみではなく任意の位置で固定することができたそうです。当時のプレスリリースを見ると「通風のよさはもちろん、大きなトランク類や長尺のレジャー用具などの出し入 れも簡単」と、荷物の出し入れも便利であると書かれています。おそらく日本初ということで、さまざまな用途を想定していたのでしょうね。

 


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(文/高橋 満<ブリッジマン>)

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