1980~90年代、果敢にグリルレスに挑んだクルマたち

■ホンダシビック(1983年)

初代と2代目には特徴的な大きなグリルがありましたが、1983年に登場したワンダーシビックこと3代目シビックはグリルレスで登場。よく見ると、フロントバンパー上には薄い穴が開いていて、グリルがあるようにも感じます。ただ、この部分に装飾的な要素はないので、グリルレスと言っていいでしょう。ワンダーシビックは自動車として初めてグッドデザイン大賞を受賞。若者から年配の方まで、多くの方に選ばれました。シビックは4代目のグランドシビック、5代目のスポーツシビックもグリルレスです。

 

■ホンダプレリュード(1987年)

1987年にデビューした3代目プレリュードは、当時ブームとなったデートカーを象徴するモデルでした。エンジンを18度傾けてエンジンルーム内に設置。これにより抵抗の少ないストレートな吸排気系設計が可能となっただけでなく、ボンネットを限りなく薄くしたデザインが実現。グリルレスながらシャープな雰囲気を醸し出し、大ヒットしました。

 

■日産スカイライン(1989年)

R31までの直線基調なデザインから一転、このR32スカイラインは流線形デザインで登場。フロントフェイスはR30後期型の鉄仮面を彷彿させるグリルレスなデザインに(ただ、鉄仮面にはバンパー上に薄いエアインテークがありました)。扱いやすい5ナンバーサイズだったこともあり、セダン、クーペともに支持されていたと言えるでしょう。そしてR32と言えば今や伝説的な存在であるGT-R。GT-Rには2本のフィンがついた迫力あるグリルが付けられています。GT-Rとの差別化のためにグリルレスデザインを採用したのかもしれないですね。

 

■日産インフィニティQ45(1989年)

北米で展開する高級車ブランドとして日産が立ち上げたインフィニティ。そのフラッグシップモデルであるQ45は、日本でもインフィニティQ45として発売されました。ライバルはトヨタセルシオ(レクサスLS)です。グリルを排除したフロントフェイスの中央に鎮座するエンブレムは七宝焼き。インテリアにはオプションで漆塗りのインパネが設定され、なんとディーラーオプションで18金で作られたキーが用意されるなど、バブルを象徴する贅を尽くしたクルマでした。しかし販売面では大きなグリルで上品さの中に迫力を演出するセルシオに大きく水をあけられます。そしてなんと1993年のマイナーチェンジでは、七宝焼きエンブレムが廃止されグリルが取り付けられることに…。

 

■マツダロードスター(1989年)

初代NAロードスターの登場は“事件”でした。ほぼ絶滅していた2シーターライトウェイトオープンというスタイルで登場し、世界中で大ヒット。以降、ロードスターの後を追うように多くのメーカーがこのカテゴリーに新型車を投入します。そんなロードスターのデザインには、日本の伝統が盛り込まれているのは有名な話。フロントマスクは能面がモチーフです。リトラクタブルライトを格納した時は、シンプルなデザインの中にさまざまな表情があり、今なお多くの人に愛されています。

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