知っておきたい!革靴の部位名称と選び方

■一足の革靴は数多くのパーツから出来上がっている

まず靴は大きく分けて、足を包み込む「アッパー」と、体重を支え、地面と接する「ソール」のふたつの部分で構成されているということを覚えておきたい。そしてそれぞれが細かいパーツで構成され、足を保護し、歩くために働くようになっていると理解しておくといい。

実はそのパーツの組み合わせ方、製法の違いによってデザインも変化し、厳密には用途や履いて行ける場所、組み合わせる服装が違ってくる。最近は服と靴の組み合わせの決まりもだいぶ緩くはなっているが、基礎知識だけは押さえておいたほうがいい。

■ヒール
靴底の踵部に取り付けられた台状のパーツ。高さをつけて体重移動をスムーズにし、歩行を補助する役割をしている。高いほどエレガントに見え、カジュアルになるほど低くなる。

■タン
靴紐を付ける羽根の下の部分。砂や埃が靴内に入るのを防ぐと同時に、紐を締めることで靴を足の甲にフィットさせて、ホールドする役割をしている。別名、ベロとも言われる。

■トップライン
靴の履き口、甲の部分から踵までのライン。履いた時にくるぶしの骨が当たると靴擦れの原因になるので、試し履きの時には、フィット感を慎重に確認するようにしたい。

■アイレット
靴紐(シューレース)を通す穴のこと。「鳩目」、「レースホール」という呼び方をすることもある。 3穴(スリー・アイレット)や5穴、6穴と、開いている数で呼ばれる。

■アッパー
靴底(ソール)を除いた靴の上部全体のこと。足を保護すると同時に、靴と足をマッチングさせる。素材や形状によってフィット感が変わるので、靴を選ぶ時は最も重要になる。

■アウトソール
靴底の外側で、地面と接する部分。基本的にはレザーだが、天然ゴムやポリウレタンなどの素材が使われることもある。内部の足と接する部分をインソール、中間部をミッドソールと呼ぶ。

■コバ
靴底の周囲の張り出した部分。アッパーとソールを接合させるためにできるので、製法によって張り出し方が違ってくる。出っ張っているほど武骨な印象が強くなる。

 

<代表的なトゥデザインとTPOでの履き分け>

■ストレートチップ

燕尾服姿の時に履くオペラパンプスに次いで、一般的な紳士靴の中では最もフォーマルなデザイン。内羽式のブラックシューズは万能だ。

■プレーントゥ

ビジネスシューズの定番デザイン。しかし、十分に冠婚葬祭のフォーマルな服装から、ややカジュアルなジャケットスタイルにも対応する。

■ウイングチップ

一見トラディショナルな感じだが、実は英国貴族のハンティングブーツが発祥のデザイン。カジュアル色は強くなるが、ビジネススーツまではOK。

■Uチップ

元来が狩猟やゴルフなどの遊びの時に履く靴に用いられたデザイン。今では表面の縫い目が低いビジネス用もあるが、フォーマル時には避けたい。

 

本記事の内容はGoodsPress7月号128ページに掲載されています

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(取材・文/松尾直俊 写真/江藤義典 スタイリング/宇田川雄一)

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