伝統工芸品もこれなら手軽!センスを感じる“新”京都土産5選

2. 京扇子

大西常商店
「アロマディフューザー」

扇子といえば扇いで涼を取るのはもちろん、茶道では挨拶に欠かせない道具でもあり、日本の文化にしっかり根付いています。とはいえ、現代の生活においては使う機会は少ないかもしれません。きっと、京都のお土産に扇子っていうのもオツだけど普段使うかな…、と躊躇する方も少なくないのでは。そんな方は京扇子のノウハウを生かしたルームフレグランスはいかがでしょうか。

▲店は京町家。奥に長く続く

「大西常商店は昭和初期の創業以来、京扇子を作っていますが、それ以前も紙小物を作っていました。日本製の扇子の9割は京都で作られていますが、やはり夏のモノなんです。扇子の技術を生かして1年を通して手に取っていただけるモノはないかな、というのがルームフレグランス誕生のきっかけです」と語るのは4代目の大西里枝さん。

▲多くの職人の手により作られるのは京扇子もルームフレグランスも同じ。最終工程の部分を作業する大西里枝さん

なぜルームフレグランスなのかというと、扇子と香りには深い関わりがあるのです。京扇子を手にしたことがある方はご存知かもしれませんが、扇ぐとほのかに和を感じる香りがします。これは、扇子を作る際、骨の部分に香料を1秒ほど漬けるそうです。大西さんによると、竹は香料を吸収して、それを長く保たせる効果があるそうです。そこで、扇子作りのノウハウを生かしたルームフレグランスを思いついたのだといいます。

「扇子はいくつもの工程を経て作られますが、完成するまでに87工程、扇骨だけでも23もの工程があって、職人さんも20人以上の方が携わっています。とはいえ、扇子用の骨ではフレグランス用には適していないので、技法を生かしつつ、職人さんに専用に作って頂いています。骨も扇子では35本使いますが、フレグランス用は8本か10本です。また、厚さも香りを吸収しやすいよう薄く仕上げるなど、細かい調整をしているんです。香りも専用に開発しました」

その香りはというと、「檜」「八重桜」「白檀」と、いずれも和を感じる3種類を用意。いずれも、穏やかで心やすらぐというイメージで、現代の暮らし、住居にも違和感なく馴染みます。

また、扇骨には細かな細工が施されており、インテリアグッズとしても楽しめます。日常生活で京都の伝統を感じたいという方はもちろん、大切な方へのお土産にもぴったりではないでしょうか。価格は8000円です。

>> 大西常商店

 

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前半ではまず2つ、「焼物」と「扇子」、京都の伝統と技法を生かしつつ、ひと工夫を加えたアイテムをご紹介しましたが、後半ではちょっとユニークな“新京都土産”をご覧いただきましょう。

【次ページ】京友禅も眼鏡拭きなら手軽に手に取れる!

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