セイコーダイバーズ誕生55年の歴史をたどる傑作モデルたち

■「ダイバーズウオッチ」の定義とは?

誰しも「ダイバーズウオッチ」という名前から想起されるのは高い防水性能だろう。しかし、セイコーウオッチの加藤氏いわく「ダイバーズとは、正確に言うと“いろいろな環境においてタフな機能を兼ね備えた時計 ”のことを指すんです」とのこと。防水性能以外にも「視認性・耐磁性能・耐衝撃性」といった項目でも厳格な試験をクリアしなければならない。そこで各性能を測る上でのポイントを聞いてみた。

 

セイコーウオッチ
マーケティング一部 加藤秀明氏
2007 年にセイコーウオッチ入社。営業部門を経て同社のプレス担当を長らく務め、2018年より現職。プロスペックスの商品企画・開発を担当し、時計修理技師の免許も持つ。

 

【防水性】

防水試験の一例を紹介しよう。「潜水時計を水中に完全に水没させ、1分以内に目標深度水圧の1.25倍まで加圧し数時間保持」「その後、段階的に減圧して、初期の加工なしの状態に戻す」「試験の後に結露試験を行い、ガラス内部の表面に結露がなければ合格」。これ以外にもまだまだ厳密な試験項目を通過する必要がある。

 

【耐磁性】

腕時計は磁気を帯びると動作不良の原因となる。そもそも船上で磁気を発する機器が多かったため、ダイバーズウオッチに耐磁性能が必要となった。現代ではスマートフォンなど電子機器が増え、こうした日常生活でも磁気帯びする可能性が高い。その点、高い耐磁性を持っているダイバーズなら安心というわけだ。

 

【耐衝撃性】

海だけでなく山やさまざまなフィールドでの装着を想定し、ダイバーズには高い耐衝撃性が求められる。縋衝撃試験(ヘッドのみ)や自由落下試験を行っているとのことで、まさに全天候型の耐久性を誇り、冒険家や探検家からも支持される理由はここにある。

 

【視認性】

光の届かない海底といった場所で時間を正確に「見える」こともダイバーズウオッチの条件。「500ルクスの照度で時刻の判別が可能、暗所では25cmの距離からの肉眼による目視でも時刻が読み取れる、回転ベゼルによって時刻の経過がわかるなどの条件がありますね。もちろん、これもすべての項目ではありません」(加藤氏)

 

>> 【特集】セイコー プロスペックスの実力とプライド

※2020年3月6日発売「GoodsPress」4月号掲載記事をもとに構成しています

 


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(取材・文/三宅隆<&GP> 写真/PIXTA)

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