やっぱりハードル高い?CA4LAさん、“ハンチング”の扱い方を教えて!

■まずはハンチングの出自を知ることからはじめよう

▲CA4LA プレス 冨永 留衣志さん

「ハンチングのルーツは狩猟用です」と冨永さん。乗馬や狩猟といった激しい運動の際に、頭の形にフィットしてズレにくい帽子としてイギリスにて誕生した。「長きに渡ってメンズファッションの定番として取り入れられてきただけあって、トラディショナルからストリートまで違和感なく馴染んでくれます。この対応力の高さこそが魅力です」

▲WASHABLE NANTING 15(8580円)

ボディに使われる素材にはウールなどクラシカルなものが多い。その一方で、軽やかな質感が楽しめるナイロンやコットンと化繊の混紡素材も人気だ。

いわゆるハンチング然としたものをお求めならば、チェックやハンドトゥースなどの柄ものがイチオシ。「クラシカルな佇まいが渋みを醸し出し、年相応の貫禄をも演出してくれるに違いありません」

■自分の顔や頭の形に似合う“はぎ”の枚数を知っておくのもひとつの手!

▲左からWASHABLE NANTING 15(8580円)、8P LEATHER HUN C(2万7060円)、AST HUNTI(9020円)

ハンチングを選ぶ際に注目してもらいたいのが、天井部分を構成する“はぎ(パネル)”の枚数。「もっともベーシックなのは天井部分が1枚はぎで作られているタイプです。今回は左から3枚、8枚、6枚のタイプを用意しました。このはぎの数が増えることによって、どんどん丸みを帯びてボリューミーなシルエットへと変わっていきます」

このシルエットの変化に合わせて、顔や頭の型ごとの似合うタイプも変わるというが本当だろうか。「その通りです! といっても基本は簡単。はぎの枚数が増えるにつれて、縦長から丸へ変わっていくと覚えればOK。要は、顔とハンチングのボリュームバランスを揃えてあげれば良いのです」この辺の感覚はキャップやニットキャップも同様だ。

■深すぎず浅すぎず。眉毛をベースにすれば調節しやすい!

「ハンチングの基本は正面被りです。帽子と顔のアウトラインを揃えることでスッキリして見えます。ポイントは眉毛。フロントのブリム部分のアンダーラインを眉毛に合わせてあげます。この時に眉毛が隠れてしまうと顔の印象が暗くキツくなってしまうので要注意!」

こちらはサイドから見た図。サイドの後部両側にダーツを入れることによって、頭のカーブに沿った見事なフィットを実現。「ブリムの長さはどれも基本的に差異ありませんが、リアからフロントまでに少し上めの角度をつけることで、顔全体が明るく見えて印象も良くなります。深すぎず浅すぎないこの絶妙なバランスを覚えておきましょう」

■形によっては“後ろ向き被り”を推奨しているモノも!

被り方のバリエとして、90年代にストリートで流行った“後ろ向き被り”が今また新鮮。「ハンチングの被りが浅くて安定しない…とお悩みの方に推奨。リアが深めに設計されたモデルなら、後ろ向きで被った際にもシルエットはキレイ。これなら普段キャップが多い方でも被りやすいと思います。今夏ならTシャツ×ショーツにもハマるかと」

■初ハンチングに推奨。CA4LAが選ぶ3つのおすすめ

さて、ここまでを読んでいかだろうか。率直な感想として「意外にハンチングって難しくないかも」と思ったのでは? そうなったら、あとはCA4LAが初ハンチングに推奨するモデルをご覧いただくだけ。今回選んだのはレザー素材、ドビー織、ウオッシャブル加工と三者三様。素材の表情とパネル数から、自分好みの1作を見つけてもらいたい。

1.経年変化も楽しめる、8枚はぎのレザーキャスハンチング

「8P LEATHER HUN C」
2万7060円

ハンチングとキャスケット、その両方の特徴を備えたのがキャスハンチング。ふっくらと頭を包む8枚はぎシルエットによって、被りやすさと肌馴染みの良さを両獲り。素材にはしっかりした厚みのある上質な牛革を採用。「茶芯と呼ばれる染色技術で染められたレザーは、使い込むほどに下地の色が現れ、表情の変化をお楽しみいただけます」

「ハンチングだと横幅がタイトすぎて、逆にキャスケットだとボリュームがありすぎて困っているという人に人気のタイプがこちら。横方向にボリュームが生まれるため、通常のハンチングではしっくりこないという丸顔の人にも合わせやすいと思います。レザー素材は使い込むほどに味が出てくるので、長く愛用できるのもうれしいポイントです」

2.細やかな織り模様により、豊かな表情を生み出す6枚はぎ

「AST HUNTI」
9020円

パッと見、スタンダードなデザインに見えるが、実はさりげないこだわりが光る一品。ボディのリア部分を4枚はぎに仕上げ、フロントは中心で左右に分割した2枚はぎの計6枚はぎ。これによって頭のラインに沿った被りやすいフォルムを実現。「サイド後部にあしらわれたアジャスターは、サイズ調整とデザインアクセントの両方を兼ねています」

「ボディに使用されているのは、ポリエステルとレーヨンで混紡されたドビー織の生地。細やかな織り模様によって生み出される豊かな表情と、涼しげなタッチの生地感が描き出すバランス感もまた絶妙です。これだったら連日のように、真夏日が続いている今年の夏に被っても、暑苦しさを感じさせることなくオシャレが楽しめるはずです」

3.自宅でデイリーに手洗い可能、シンプル&スマートな3枚はぎ

WASHABLE NANTING 15
8580円

シンプルでスマートな佇まいの本作は、記事中で冨永さんが着用しているもののカラバリ版。「3枚はぎによって作られたパターンは一見浅く見えますが、リアにダーツを入れることでしっかりした被り心地に」

写真のブラックの表地は綿54%×ポリエステル46%。グレーやベージュの表地は綿50%×ポリエステル50%。色によって素材も変わる。

「ポリエステル100%の裏地はメッシュになっているので、ただ被っているだけでも汗をかいてしまう夏場の着用でも涼しげ。さらにそれだけでなくウオッシャブル加工も施されているので、家庭での手洗いが可能。『ハンチングをどう洗えばいいのか分からない』とお悩みの方も、汗や汚れを気にすることなくデイリーにお使いいただけます」

*  *  *

ここまで読んでいただいた読者諸氏にとって、ハンチングに対するネガティブなイメージは完全に払拭されたのではないだろうか。キャップと同じノリで被ってOKとなれば、普段の着こなしからフォーマルまでと可能性も大きく広がる。この夏、これまで飛び越えられなかったハードルをクリアする絶好の好機到来だ!

>> CA4LA

>> 2023夏 最新帽子特集

<文/TOMMY 写真/田中利幸>

TOMMY|メンズファッション誌を中心に、ファッションやアイドル、ホビーなどの記事を執筆するライター/編集者。プライベートでは漫画、アニメ、特撮、オカルト、ストリート&駄カルチャー全般を愛する。Twitter

 

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