トップの形に注目!大人の夏帽子“パナマハット”選びのポイントとは

■そもそもパナマハットとは? 特徴をおさらい

▲CA4LA プレス 冨永 留衣志さん

「南米エクアドル産のヤシ科の植物、トキヤ草(パナマ草)の葉を煮沸し、乾燥させて細く裂いた紐状の繊維を編んで作られたハットを指します」その起源は、現在のエクアドル地域の人々が赤道付近の強い太陽光から頭部を守るために被ったトキヤ草の帽子にあるとされ、名称の由来は“パナマ運河の建設に携わった人々が被っていた”など諸説あり。

トップのフロント部分がへこんだクラウンと幅広のブリムにて構成され、外周にはリボンをグルリと一周させたいわゆる“中折れハット”型が基本。「独特な光沢感と編みのキメ細やかさが、ストロー(麦)やラフィア(ヤシ)、リネン(亜麻)といった他の植物よりも優れていることから、大人の装いに相応しい高級帽子として人気を誇っています」

どんな着こなしと相性が良いのだろうか。「年齢や顔型による“似合う・似合わない”はないので、好きなスタイルに取り入れてもらえればOK。僕のようにTシャツにパナマハットもアリですし、トップスがラフすぎると感じたら、ボトムスにスラックスを合わせて引き締めるのもオススメ。シンプルな格好のアクセントにすると効果抜群です」

■マストでチェックすべきはトップの形! その理由は?

基本的なデザインがスタンダードであるがゆえ、素人目にはどれも同じに見えてしまうパナマハットだが、実は様々なバリエーションが存在することが分かる。今回は代表的な2種類を用意した。「選ぶ際のポイントは簡単です。自分に似合うタイプが分からないという人は、まずクラウン(ボディ)のトップ部分の形状に注目してみてください!」

■トップが細めなモノを“ヨーロッパ型”、広めなモノを“アメリカ型”と押さえておこう

パナマハットは2種類に大別できると冨永さんは話す。「左が、トップ部分が頭頂部に向かって細くなっていく“ヨーロッパ型”で、タイトなクラウンが特徴。もうひとつが、トップが広めに設計された右の“アメリカ型”。こちらは後ろのブリムがはね上がったハイバック仕様で、ティアドロップ(涙)型に凹んだ頭頂部がよくフィットします」

▲左:ヨーロッパ型、右:アメリカ型

この形状の違いで印象は大きく変わり、両方を被り比べることによってその違いも明確に。「左の“ヨーロッパ型”ではフォーマルかつダンディな印象に、右の“アメリカ型”では軽妙でカジュアルな印象になります」シンプルに移行していく夏の着こなしにおいて、この小さな違いが大きなポイントとなるので、覚えておいて損はない。

■被る際にトップを触るのはNG!ブリム(ツバ)を持つのがセオリー

普段の扱い方において意識したいのが“持ち方”だ。「映画やドラマなんかでトップの凹みをつまんで着脱する光景を見ますが、あれは型崩れに繋がるのでNGです。脱着の際は両手で左右からブリムを持ち上げて、最初にフロントを合わせたのちにリアを下げて被ります。男性の場合、前髪はハットの中に入れて被るのがベターです」

■着こなしに季節感を添える。CA4LAおすすめのパナマハット

たくさんの選択肢の中から選ぶのは大変だが、先述の“ヨーロッパ型”“アメリカ型”という指針さえ見つかれば、あとは細部のディテールで自分好みの一品を探すのみ。ただ、パナマハットは決して安い買い物ではないので失敗はしたくない。というワケでCA4LAが推す2つのモデルをピックアップ。勝負服ならぬ勝負帽子に必ずやなるはずだ。

1.ダンディな印象を与えるハイバックの別注モデル

「KSZ-NAHB-PA412」
2万4090円

アメリカで生まれ、ここ日本でも愛され続けているノックス社にCA4LAが別注したティアドロップ型ハイバックハット。艶感とキメ細かな編み上がりが美しい最高級パナマ素材を使用。「ティアドロップ型のクラウンは頭の収まりが良く、程良い深さで被り心地も抜群」同社の他アイテムと同じく、サイズ調節用テープが内蔵されているのも高評価。

「ハイバックはブリムのフロント部分が少し下がることでダンディな印象を与え、シンプルな夏コーデも簡単に格上げしてくれます。また、直接肌と触れる内側のスベリ部分には、吸汗速乾&抗菌消臭を併せ持つ機能性素材を採用。これからさらに汗をかくことが増えていく時期であっても、ストレスなく快適な被り心地をキープしてくれます」

2.深すぎずクラシカルなクラウンとワイドブリムが好相性

「BF-WIDE-PA327」
2万4090円

こちらも同じく、アメリカ生まれのノックス社にCA4LAが別注したモデル。「深すぎない被りのクラウンはクラシカルな印象で、幅広に設計されたワイドブリムを組み合わせることで、より上品な佇まいに仕上がっています」内側に吸水速乾性&抗菌消臭機能を併せ持つアジャスタースベリを搭載。いつでもクリーンな被り心地を楽しめる。

「素材には艶感とキメ細かな編み上がりが美しい最高級のパナマを使用。ややワイドなブリムが涼しげなムードを醸し出すと同時に、無骨で男らしい雰囲気も演出してくれます。着用の際は、ブリムのフロントラインが眉毛にかぶらないように真っ直ぐ正面で。先述のようにシンプルな格好に合わせてもらえると、その魅力がより伝わると思います」

*  *  *

“大人の夏帽子の代名詞”と憧れこそすれども、「どう選び、どう被ればいいのか正解が分からない」という理由から、なかなか手が出せず仕舞いという人も多いパナマハット。だが、本稿に最後までお付き合いいただけた読者諸氏であれば、その答えも自ずと導き出せたに違いない。この夏の装いを格上げするためにも、チャレンジの価値あり。

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>> 2023夏 最新帽子特集

<文/TOMMY 写真/田中利幸>

TOMMY|メンズファッション誌を中心に、ファッションやアイドル、ホビーなどの記事を執筆するライター/編集者。プライベートでは漫画、アニメ、特撮、オカルト、ストリート&駄カルチャー全般を愛する。Twitter

 

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