漫画『ホクサイと飯さえあれば』に学ぶ魔法瓶での「甘酒」づくり

コミックス「ホクサイと飯さえあれば」では、大学へ進学して一人暮らしを始めた主人公の山田文子(通称:ブン)が、入学式の朝、炊いたおかゆと米麹を魔法瓶に詰めてキャンパスへ向かいます。大学を卒業して早、いく年月…。薄れる記憶を手繰り寄せ、大学の入学式当日、まだ少し肌寒い春の朝を思い出しながら作ることにします。

まずは、1巻の82~83ページで材料の確認から。

・米 半合
・麹 100g

…以上! 作り方は、

1.炊飯器でおかゆを炊く
2.おかゆを65~70度まで熱を冷ます
3.米麹がだまにならないようにほぐしておかゆへ入れる
4.魔法瓶に詰めて8時間寝かす
5.お湯をほんの少し足して、出来上がり

とあります。魔法瓶は、サーモスの「真空断熱フードコンテナー JBI-382(レッドチリ)」を使います。

これだけで飲む点滴が出来るの? ほかには何も要らないの? と一抹の不安を感じながら、おかゆを作るためお米を研ぎます。

▲注)不安な気持ちを落ち着かせる(?)ため、おかゆは2倍の量で作っています

――約1時間が経過。ピーっという電子音を聞いたら、炊飯器の蓋を開けておかゆの出来上がりをチェック。

つやつや光って美味しそうなおかゆの完成です!(このまま食べたい……)という誘惑に負けそうになりながら、65~70度までおかゆを冷まします。

▲米粒をふんわり包んでいるのが麹菌

炊きたてのおかゆは90度前後のアツアツ。そこへ米麹を入れてしまうと、これから活躍してくれる麹菌の酵素がうまく働かず、甘酒が作れなくなります。酒屋さんのサイトなどでは甘酒は60度に保温して作ると説明しているところもありますが、コミックスでは魔法瓶に入れっぱなしにすることを考えてか、少し高めの65~70度に設定しているようです。

しゃもじでかき混ぜながら冷まし、おかゆの温度が70度を切ったところで、スタンバイしていた米麹をおかゆに混ぜ込みます。

▲おかゆの量を2倍にしたので、米麹も200gにして入れました

パラパラにほぐした麹を少しずつ分けて入れながら、おかゆと麹をざっくりかき混ぜます。立ち上る湯気からは、早くもほんのりと甘酒の香りが……! これは期待出来そうです。

魔法瓶におかゆを入れました。白く光るおかゆの中に生成色の米麹がうっすらと見えるのが分かるでしょうか? 美味しい甘酒のためにこれから頑張ろうと、控えめにおかゆと混ざり合う米麹に愛おしさすら感じます。

蓋を閉めて待つこと8時間。

コミックスでは、ブンは入学式を終えて式場を出た途端、サークル新歓活動の嵐に巻き込まれます。チラシを1枚もらうと、その上に次から次へとほかのサークルのチラシが重なり、次から次へと待ち構えて取り囲むテニサーの人々。

テニサー、テニサー、テニサー。テニサーって何さー?……ついに出た寒いギャグで我に返ると、時刻は12時を過ぎていました。7時に蓋を閉めてから5時間、甘酒マラソンは折り返しに。あと3時間――。オラ、ワクワクしてきたぞ。

■8時間後、蓋を開けて姿を現したのは

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