漫画『ホクサイと飯さえあれば』に学ぶ魔法瓶での「甘酒」づくり

そして、時刻は午後3時。いよいよこのときがやってきました。はやる心を抑えて呼吸を整え、魔法瓶の蓋を回します。

開封の儀。(ジャジャーン!!)

甘酒の香りがほんのりと立ち上り、8時間前に比べて米麹の生成色がおかゆに溶け込んでとろみが増したようです。ちょっぴりスプーンですくって味見をすると、今まで出会ったことのないふんわり甘い口当たり。これは、まるで綿菓子! このままでも十分美味しく感じましたが、飲むには少し濃いのでコミックスにある通り少しだけお湯を足しました。

トポトポとお湯を注ぎ入れる音すら美味しそうに聞こえる……。さっきと味に違いが出るんでしょうか? もう、この時間もワクワク、ドキドキ。楽しくて仕方ない!

おかゆと米麹が出会って8時間、ようやく甘酒の完成です!

出来たての甘酒を1さじすくって口に運びながら、原形をとどめない米の口当たりと麹の優しい香りを一緒にかみしめます。ああ、美味しいものをいただく幸せ! 市販の米麹甘酒にはない手作りならではの無垢な甘さに感動すら覚えます。

■甘酒をアレンジしてみる

コミックスには登場しませんでしたが、順調に甘酒を作ることが出来たので少し余った分を使って、アレンジに挑戦。健康のために毎日飲むようになれば、1つの味では早々に飽きてしまうかもしれないので、日替わりのシェーク感覚で楽しめそうな「ブルーベリー」「ストロベリー」「ココア」のフレーバーをセレクトしました。

▲左上から、ブルーベリー、ストロベリー、ココア、プレーン、抹茶の5種類

ブルーベリーとストロベリーは果実をミキサーでペースト状にし、ココアと抹茶は製菓用の粉末を少量のお湯でのばしてから甘酒に混ぜました。どのフレーバーも甘酒になじんで美味しい仕上がりに。これで5日間、違う味で甘酒を楽しめる!

意外なことに、男性に好評だったのがストロベリー。筆者はほかのフレーバーに比べて少し酸味が気になったのですが、ストロベリーの酸味が甘酒のコクのある甘みを中和してくれて、飲みやすく感じるようです。

■夏の甘酒、オススメは炭酸水割り

さらに、小さじ1杯のレモン汁を加えて炭酸水で割ってみると、すっきり夏らしい甘酒の完成。コクのある甘さが苦手な人でも、炭酸水で割った甘酒なら気に入るかもしれません。夏の暑い日、仕事を終えて帰宅したときの一服にピッタリ合いそうです!

コミックスの中でブンは言っています。

「作った方がほんの少しだけ美味しい気がするんだ」
「作ってる時間が楽しいんだよ」

朝、おかゆと米麹を混ぜてから甘酒が出来上がるまでの8時間で、大学進学で単身上京した当時を思い出したり、完成した甘酒に合うフレーバーを頭の中でいろいろ組み合わせたり。決して短い時間ではありませんが、さまざまな思いが行き交ってワクワク楽しい時間を過ごせました。

最後に、体に良い甘酒づくりを続けるコツがないか考えてみました。おかゆは消化が良いので朝食に合います。中国や台湾などで、朝、現地の人が屋台でおかゆをすすっている姿を見たことがある人もいるのではないでしょうか。

1合分のおかゆを炊いて、半分を朝食でいただき、もう半分は米麹と合わせて魔法瓶に詰めれば、甘酒ライフを続けやすくなりそうです。午後からもうひと頑張りしたいときのエナジードリンクに、昼過ぎに小腹が空いたときのおやつに、買うよりもほんの少し美味しい甘酒の大活躍は間違いなし! ぜひ1度、お試しあれ。

 


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(取材・文/髙橋尚美)

■たかはしなおみ/ライター

大手通信キャリア系列の出版社とニュースサイトで勤務後、夫のUターン転職で岐阜へ。2014年からフリーライター。主に食育、家事、育児、マネー、不動産の記事を執筆。3児の母で精神年齢は幼児並みの四十路。

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