【オトナの社会科見学】まるで秘密基地!ドコモのネットワークオペレーションセンター

■Jアラートが鳴った日に、オペレーションセンターに潜入

センターの中核といえるのがオペレーションルーム。ビルの2階分の高さがあるフロアの壁には、60インチのモニターが縦に4面、横に9面の計36面並び、リアルタイムのネットワーク情報が表示されています。例えるとしたら、証券取引所や機密組織の司令室といった風情です。

▲基地局や伝送路の状態が一目でわかるように色分けで表示される

反対側の壁には、縦に2面、横に9面、計18面のモニターがあり、交換局の状態が表示されています。

▲交換局の状態が表示されるディスプレイ。監視するスタッフは、卓上のパソコンを用いて、不具合の分析や対処を行う

それぞれのモニターに表示される情報は、状態がすぐにわかるように色分けされていて、たとえば基地局を監視する画面では、青と黄色はトラフィックの集中度を示し、赤は故障や不具合を示しているとのこと。

取材に訪れた8月29日は、早朝に、北朝鮮が日本列島の上空を通過するミサイルを発射し、一部地域でJアラートが発令された日でした。そのためか、赤い表示が多いように思ったのですが、これが通常の状態だそうです。通信設備の故障などによるアラームは1日に約300万回も鳴るそうですが、すべては重大な警告ではなく、たとえば作業員が基地局のドアを開けただけでもアラートは鳴るそうです。原因を分析した上で、修復の必要がある場合は遠隔操作で対応し、ハードウェアの修理や部品の交換などが必要であれば、現地の保守部門に手配するという流れになっているそうです。ちなみに2011年の東日本大震災の際には、この画面が真っ赤になったそうです。

大画面モニターの前には、机が並び、それぞれの机の上にも複数台のモニターが設置され、スタッフが監視し、故障の原因を分析したり、復旧の対応をしています。品川では約260名、大阪では約120名が交代で監視業務に重視しているそうです。ドコモは基地局が16万局以上あり、ネットワーク全体として46万を超える装置で構成されていることを聞くと、スタッフ数は意外に少ないようにも思えます。実際、LTEやPremium 4Gなどの新技術の導入により、この3年間で装置は約2倍に増えたそうですが、AIやビッグデータを活用することで、監視体制の効率化を図っているそうです。

 

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