ガスコンロ、電子レンジ、トースター、“激ウマ焼き芋”はどれで作る?

■実際に焼き芋を作ってみた

…と言いつつ、もう1つ。今回、おいしさの比較にこだわりたかったので、産地がまったく同じサツマイモを手に入れようと画策した末、同じ畑で育ったサツマイモをゲットできました。よっしゃ、ラッキー!

▲ジャジャーン!泥付きサツマイモ

絶妙のタイミングで子どもが幼稚園の畑へ行って掘ってきたサツマイモを「おいしい焼き芋作ってみようよ!」と説得して3本ゲット。このうち2本は茎でつながっていて、同じ環境での生育が保証されています。

▲泥を落としてツヤツヤ輝く、深紅色のサツマイモ

1週間、泥付きのままで乾かして保存していたサツマイモ3本を水洗いし、いよいよ焼き芋づくりスタート!

まずは、「彩里家」で焼き芋を作ってみます。鍋に敷いたアミの上へサツマイモを置き、蓋をして中火で約25分。サツマイモへ均等に熱が伝わるように、途中で蓋を開けてコロンと90度ずつ向きを変えること4回。火を止めて念のため5分蒸して蓋を開けた状態が、こちら。

▲中火で25分。途中、4回向きを変えて火を止めてから5分待ってから開けたところ

よーく見ると、サツマイモの左端に蜜が出ているのが分かりますか? 二つに割ってみると、こんな感じ。外皮の近くは少し焦げ目もついて焼き芋風に仕上がっています。

ややっ! これは……時期尚早の焼き芋だ!

パキっと割れた感じが伝わる写真からもお分かりだと思いますが、ほっくほく感は今一つ。外皮に近い部分には火が通っていて、焼き芋の甘みを感じることができました。サツマイモが大きかったからでしょうか、外箱に書いてあった時間では少し足りなかったようです。また、ほかの調理グッズで作った焼き芋と比べて、水分が蒸発しているのでパサつきを感じました。ねっとりした食感が特徴の安納芋を使えばちょうど良い仕上がりになる予感です。

続いて、「魔法の焼きいも鍋・大」を使って電子レンジで作ります。セラミックボールを敷き詰めた鍋にサツマイモを入れて蓋をし、電子レンジへイン。

▲電子レンジへイン

500Wで5分加熱したら、一旦、電子レンジから鍋を出して蓋を開け、サツマイモを裏返しにしてさらに5分温めます。加熱が終わっても電子レンジから出さず、そのまま15分蒸らして出来上がり。

付属のレシピを見て作ったのですが、電子レンジの種類によって加熱状況が異なるためか熱の通り具合にムラができてしまいました。また、蓋を開けたときに陶器独特のにおいがちょっと気になる人もいるかもしれません。よーく見ると焼き芋の中心部にはきちんと熱が届いており、濃い黄色になっているのが分かります。外皮に焦げ目はつかないので、一見するとふかし芋のよう。

一口食べてみると、ほくほく感がもう少し欲しいところ。付属レシピ通りの時間で作りましたが、我が家の電子レンジは回転テーブルではないので、熱の伝わり方にムラができるようです。そして、気になるのは土の焼けたような陶器の香り。1度水洗いしたとはいえ、初めての使用では独特のにおいが残ってしまいました。逆に言えば、「魔法の焼きいも鍋」は電子レンジとチューニングしながら何度も使っていくことで大活躍するポテンシャルを感じます。3アイテムのなかでは保温性がダントツだったことも付け加えておきます。

肝心の焼き芋の甘みはグイグイ主張するというより控えめ。好き嫌いが分かれるところですが、私はこの甘さ控えめタイプ、好きです。だって、甘すぎないから胸やけしないでたくさん食べられそうだし!

ラストは、「石焼きいも黒ホイル」。サツマイモの大きさに合わせて黒ホイルをカットし、ぴったりと巻きつけるように包んだらトースターへ。黒ホイルのパッケージに焼き芋は約17分と書いてあったのですが、我が家のトースターは最大15分までのタイマーなので、まずは15分でセット。

▲230度で15分セット。5分経過したところ

その後、3分追加で加熱してトータル18分焼いた状態がこちら。焦げ目はつかず、熱は均等に入っているように見えます。3アイテムの中で1番おいしそうな仕上がりです。

ほかの2アイテムよりも“焼き芋らしい”仕上がりで、何と言っても甘さを一番強く感じました。外上の焼き芋の外皮をご覧ください。皮がイモ自体からうすーく剥がれているのが分かりますか? 箱に書いてあった加熱時間に+αしたら、石焼き芋のほっくほく感、じわーっと口に広がる甘味に最も近づくのでは、と期待できます。普通においしい、コレ。

我が家の子どもたち(小学生2人+園児1人)にも試食してもらいましたが満場一致で、今回、1番美味しかったのは、「石焼きいも黒ホイル」で作った焼き芋でした!

蛇足ながら、レシピ通りに作った焼き芋を食べ比べたあと、同じ調理器を使ってそれぞれがほっくほくになるまで再加熱して食べてみました。1番おいしかったのは変わらず「石焼きいも黒ホイル」でした。

トースターを使って黒ホイルを巻いた焼き芋が1番おいしく作れましたが、サツマイモの種類、サイズ、家電のメーカーによって焼き加減や出来具合が変わるので、何度も作ってみるとまた違う結果になるかもしれません。ちなみに石焼き芋の甘さは、加熱することで酵素の「βアミラーゼ」が働き、サツマイモのデンプンが麦芽糖へ変わるためなんだそう。サツマイモの中を70度前後でキープして長時間加熱すると石焼き芋の甘さが再現できるということなので、いろんなサツマイモで試してみることにします。

家で手軽に作れる秋の風物詩・焼き芋、今シーズン1番の焼き芋を目指して、皆さんもお試しあれ!

 


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(取材・文/髙橋尚美)

■たかはしなおみ/ライター
大手通信キャリア系列の出版社とニュースサイトで勤務後、夫のUターン転職で岐阜へ。2014年からフリーライター。主に食育、家事、育児、マネー、不動産の記事を執筆。3児の母で精神年齢は幼児並みの四十路。

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