[Gear Maniax #062] ゾーンゼロを想定したプロ仕様防爆ヘッドランプ

使用電池は単三電池を3本。明るさは120ルーメンと、非防爆モデルと比べると明るさは抑え気味ですが、その分ランタイムは長く、長時間の連続点灯が想定されています。

オーソドックスなリフレクターを使用。アルミが蒸着されたリフレクターには細かな凹凸があり、光を散らす効果があります。ただしリフレクター自体はやや深く、光源となるLEDも小型の物が採用されています。そのため、中心光はかなり狭角に鋭く飛びます。ガスや蒸気など常時危険な場所で使用することが想定されており、明るさ以上に煙中透過性が重視されたゆえの仕様だと思われます。

風防レンズの付いたフェイスキャップは樹脂製で、ラバーのプロテクターで固定されています。落下、衝撃に強くガラスのように割れることはありません。低反射加工されたガラスレンズような美しさはありませんが、「現場」で使うライトなので、美しさより「実利」重視です。このような仕様は各所に見られます。

スイッチボタンはボディよりもやや凸ったものでON/OFFのみのシンプルなものです。カッチン、カッチンとバネのテンションを感じる機械式スイッチなので、確かな操作感=「押している感」があります。また、凸った形状なのでグローブをした手で触ってもその位置が分かりやすく、頭に付けた状態でも操作がしやすくなっています。作業中に調光をすることはまずないライトなので、このようなシンプルな仕様が一番良いと思います。

バッテリーケースカバーの反対側には防爆認証の詳細が記されてあります。中心付近にある小さな穴は万が一ライト内部でガスが発生した際のベンチレーターです。防水性とは関係はあまりありません。

単三電池を3本、ワンピースタイプのボディに装填するので割とゴツいです。電池は専用のカートリッジに装填し、ガイドに従ってボディに挿入します。ガイドがボディ側に付いているので間違えることはありません。

ずんぐりむっくりのボディライン。重量は電池込みで約128gとやや重たい印象。角度を変えるチルトは内装式でしっかりしています。重さは感じますが自重で傾くことはありません。

標準の布ゴムバンドの他にラバー製の1本バンドが付属します。ヘルメットなど表面が滑る帽体への装着時に便利です。

配光は先述したとおり狭角な中心光があり、その周辺に薄い周辺光が発生します。一般的な手元、足元作業で使用するヘッドランプとは異なるものです。0種場所という特殊環境下での使用を前提としており、防爆ではなく純粋に手元作業用の物を探している人には他のモデルをおススメします。

ガスや蒸気など常時危険場所では、集光された中心光軸がその強みを発揮します。ヘッドランプといってもさまざまなモデルが存在します。明るさ重視のものから、サイズや重量が軽いモデルまで。その中でもストリームライトのハズロはそのどれにも該当しないモデルです。

このヘッドランプは見た目や明るさなど目に見えて分かるスペックにはない「安全」を最優先したものであり、我々の日常を影で支えるプロフェッショナルが使う灯具なのです。(アカリセンター価格:8856円)

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(文・写真/アカリセンター・HATTA)

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