Amazon「Fire TV Stick」を買うべき人、そうでない人の見分け方

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送られてきた「Fire TV Stick」

 

今回、さらに視聴環境を整えるため、Amazonの「Fire TV Stick」を手に入れた。

 

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箱には、本体の他にもUSBケーブルなどが入っていた

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リモコンには単四形乾電池×2本が必要

結論から先に言うと、快適この上ない。使い始めて3週間が経つ今、「Fire TV Stick」を使わない日はなくなっている。もう、(特にアメリカの)連続ドラマの無限地獄から出られない状況だ。

以下、「Fire TV Stick」をどれだけ気に入ったかを記していくので、覚悟して読んでほしい。

小さな「Fire TV Stick」を挿すだけで、古いテレビが大幅にバージョンアップ

「Fire TV Stick」は、小さなドングル。テレビのHDMI端子に差して、自宅の無線LANにつなげれば、HuluやNetflixが簡単に大画面で楽しめるようになる。

同種の製品には、Apple TVやAmazon Fire TVなどがあるが、「Fire TV Stick」は、4980円とリーズナブルで、USBメモリーよりも一回り大きいくらいの超コンパクトさが売り。

アプリをダウンロードすればゲームもできるし、「tunein」のようなネットラジオのプレーヤーとしても活躍する。だが、これを買おうとする人の大半は、やはりNetflixやHulu、YouTubeを観たいという人、ということで話を進めていきたい。

プラス1500円で音声認識リモコンが付属するモデルに、プラス8000円で、プロセッサがクアッドコア(Stickはデュアルコア)でmicroSDスロットを内蔵したモデルに、それぞれグレードアップできる。

理由は色々とあるが、まずは一番安価な「Fire TV Stick」を購入すれば良いと思う。(簡単に言うと、Amazonで配布されているゲームアプリの強烈なファンだとか、Netflixの4K映像を観たいけど、持っている4KテレビがNetflix非対応などの人は、上位機「Fire TV」を購入しても良いかも。ただし4KテレビでNetflix非対応というモデルって、あったっけ?)

セッティングの簡単さは、ピカイチかも

使い方は、“非常に”簡単。テレビのHDMI端子にブスっと挿して、入力切り替えをすれば、Amazonのロゴが表示される。あとは無線LANに接続すればOK。

驚いたのは、Amazonアカウントへのログイン設定を行っていないのに、自動でログインされていたこと。出荷される時に、各ユーザーの情報を入れて届けているのだ。

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無線LANにつながれば、あとは勝手にログインしてくれる

 

説明書では、「Fire TV Stick」をHDMIに挿すと同時に、USB端子への接続が求められる。だが、我が家にあるテレビには、対応USB端子が非搭載。テレビの近くにある電源タップにも余裕がないので、そんなことには頓着せずに使っている。今のところ、気になるような問題は起こっていない。

Amazonビデオ以外のサービスは、アプリをダウンロードして使用

Amazonの製品だけに、「Amazonビデオ」が一番見やすいように設計されている。その他のYouTubeやHulu、Netflix、GYAO!などを使いたい場合は、それぞれアプリのダウンロードが必要だ。

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Amazonビデオに最適化された画面

 

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メジャーなVODサービスは、対応アプリが提供されている

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YouTubeアプリをダウンロード/インストール中

 

U-NEXTやニコニコ動画にも対応。バンダイチャンネルやdTVは見かけないが、主要なVODサービスには対応していると言えるだろう。

操作は付属リモコン、iPhone、そしてアレでもできる?

ひと昔前(だいたい4-5年前)の、いわゆるスマートテレビと呼ばれていたテレビのネット機能は、「こんな機能も付いていますよ」というものが多かった。動作がとにかく遅かったのだ。起動が遅く、一度誤った操作をすると、戻るのにまた時間がかかる。だから使わなかった。

今は違い、「Fire TV Stick」の操作も快適になっている。

付属のリモコンでの操作は、可もなく不可もなくという程度。こんなものでしょ、という感じだ。ホームボタン/十字キー/早送り/逆戻りなどの基本的なボタンが付いているだけだ。

iPhoneやAndroidでも操作は可能。レスポンスも操作感も悪くない。これも、こんなもんだよね、という感じ。あえて言えば、音声認識での操作ができるということか? でも筆者は動作確認をしたことがあるだけで、ほとんど使ったことはない。

特筆すべきことは、テレビのリモコンで操作できているということ。初めて知った時には、まさか!? と思った。でも、「Fire TV Stick」付属リモコンで行う操作が、テレビの十字キーなどを使って全てできる。繰り返すが、ホームボタン/早送り/逆戻りはもちろん、音声切り替えや字幕切り替えまでのすべてだ。

これが非常に便利。だって「テレビの電源をONにする」→「入力切り替えで(我が家の設定の場合は)HDMI 2にする」→「Fire TV Stickを操作する」まで同じリモコンで完結するのだから。しかもここからまた地デジ番組を観たり、録画番組を観たりするのも同じリモコンでOK。

これってもう、テレビの中に“完全に”「Fire TV Stick」が埋め込まれたようなもの。テレビ番組/録画番組/HuluやNetflix、Amazonプライム ビデオ のすべてが、シームレスに観られるのだ。

ちなみに使っているテレビは5年前のソニー・ブラビア。他のテレビでの検証はしていないので、もしかすると、たまたま超ラッキーなモデルなだけなのかもしれない。

画面UIの使いやすさは、サービスによる

NetflixやHulu、Amazonプライム ビデオ、YouTubeなど、各サービスによって操作方法が少し違う。個人的にはNetflixが早送りなどの操作が一番使いやすいと思う。

Netflixの場合は、早送り(逆送り)ボタンを押すと、各コマのサムネイルが表示される。どこまで早送り(逆送り)するのかがひと目で分かるのだ。ここまで早送りする、と決めてから再生が開始されるまでのタイムラグが少ないのもNetflixが一番ストレスがない。

 

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Netflixで早送りしている時の画面

 

他のサービス、YouTubeやHuluに関しては、サムネイルが表示されないので、目分量で早送りなどを行うことになる。Netflixを見習って、改善してもらいたいポイントだ。

特にYouTubeの公式アプリについては、改良して欲しいところ。筆者は、自分で撮影した動画を頻繁にYouTubeにアップしているのだが、「Fire TV Stick」では、それらを視聴しづらいのだ。非オフィシャルなYouTubeアプリも2-3試したが、どれも似たような使いづらさだった。

これは、そもそも自分が撮った動画を観るために、アプリが最適化されていないことに原因があるようだ。主に人気動画を観るために使っている人には、使いやすいのかもしれない。

Amazonプライム ビデオに、面白いコンテンツはあるのか?

以下は個人的な感想だが、プライム ビデオにも魅力的なコンテンツが少なくないと感じ始めている。例えば冒頭で、今ハマっているドラマとして『ホームランド』や『SUITS(スーツ)』を挙げたが、これはプライム ビデオでも配信中だ。また、まだ観ていなければ『プリズン・ブレイク』はきっと楽しめるだろう。

Netflixと同様に、オリジナル作品にも力を入れている様子だ。その中で、試しに『モーツァルト イン・ザ・ジャングル』を観たが、シーズン1(約28分×10話)を一気に観てしまった。

また、Amazonオリジナル作品に関しては、まずは最初の1話を配信。その後のストーリーを観たいかどうかを、ユーザーにアンケートを取る、という面白い試みをしている。おそらくアンケートの結果が良ければ、全話を配信するのだろうし、悪ければ配信中止ということになるのだろう。

総じて考えれば、Amazonプライム会員の年会費は3900円(税込)。Amazonプライム ビデオが1年間フリーパスなので、月額換算だと325円。強烈にお勧めするわけではないけど、まだどのサービスを使うか迷っているなら、NetflixやHuluと並び、候補として挙げるべきだろう。

「Fire TV Stick」を買うべきユーザー像

こんな人は買うべき、というのは以下の人たち
・NetflixやHuluなどのVOD(ビデオ・オンデマンド)サービスを契約している、もしくは使おうと思っている
・使っているテレビが古く、NetflixやHulu、Amazonビデオなどに対応していない。もしくは、対応しているが、レスポンスが遅くて使いづらい
・Amazonプライム会員である
・Android OSのスマホかタブレットを使っている

上記の項目に多く当てはまる人ほど、「Fire TV Stick」を購入する価値は高い。いずれにしても前提としては、VODサービスを使っている人。こうしたサービスを、より良い環境で観たいという人向けの製品だと言って良い。

良い環境というのは、大画面で視聴できること。コンテンツを選ぶ時を含め、視聴中の早送りなどの操作レスポンスを、サクサクと操作できるようになること。

最後までこの記事を読んで、まだ買おうかどうか迷うようであれば……とりあえず購入して使ってみてから、使い続けるか考えてみたら?

(文/河原塚英信)

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